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あさかぜさんは見た

日記

01/18

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2026

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04/17

Sat

2010

ついったーでのつぶやき

いろいろな人のつぶやきを見ながら、いろいろなことを考えるようになって、とても刺激を受けているけれど、自分の腕のなさや見識のなさは自分でも呆れるくらいで、つくづく低いレベルであれこれやっていた自分をとても恥ずかしいと思いながらも、「ま、やるしかないし。今更恥ずかしいも何もないし」という気持ちで押し切りながら、ここ三ヶ月ほど勉強させてもらっている。
自分がどれだけいろんなものに関心がなかったかも余計にわかって、逆に食いつくようにして色々な人の思考を追っている。
ずっとやりたかったのは、こういう人間のダイナミックな感情の流れを把握することにあった。
携帯を変えてちょっと便利になってツイッターをやり始めた程度でこれだけ意識が変わるとは思ってもいなかった。
時折はっとするような優れた言い回しなどを見ていると、悔しいと思う。
自分の非力さを逆に呪う。

「言葉で世界が変わるか」

野心のある作家ならばどこかにこの言葉は頭に浮かぶ。
そしてその野心ゆえに精神がボロボロになったり最悪の場合は死んでしまうこともある。
はたから見たら「ただの自殺」にしか過ぎないくだらない事情の中には「ゼロから有を生み出す精神活動」がある。
その中身は当然誰も知らない。
常に当事者ではない限り、作った作品や発した言葉を通じて何を感じ何を考えたのかを受け取るしか方法はない。
そしてちょっとしたことで影響を受けて精神が変化することもある。
人は自分で思っているほど自分のことは理解していないし、どのような精神活動をしているか、はっきりと追っているものはほぼいない。
だからこそ「芸術家の自殺」を簡略化して理解しようとする。
精神的な把握をする人間はだいたい芸術関係に携わっている人が多い。
音楽家や俳優や作家、陶芸家、絵師、先鋭的な建築家などなど。
こういう人たちは「余計なノイズ」を嫌う。
「余計なノイズ」とは「人」。
人から影響を受けるのは当たり前なのだが、諸刃の剣でもある。
よい影響だけ受けるわけではないし醜い感情も受けていかなきゃいけない。
当然自分の中からくるものもある。

正直、心の底の泥をすくっていく作業はハンパなく時間がかかる。
たった5秒の出来事でもあるのに、浄化するのに2時間以上とか。
当然自分から湧き出たよくない感情ではあるけれど、なぜにこうまでやっかいなのかわからない。

思ったことをつぶやけるのは便利だ。
手軽だし残せる。
とりあえずつぶやいてはいるものの、将来自分の言葉を否定するときも来るかもしれない。
それもまた楽しみではある。

人と人とが繋がり進歩していくのはとても楽しい。
新しいことやり始めないとという気持ちにさせてくれる。

人は自分の考えを肯定してくれるものだけ集めると、だんだんと排他的になる。
気をつけて自分と相反するものも観察していかないと、どこかで狂ってしまう。
よい意味でのブレインミックス。

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04/09

Fri

2010

実はそんなものありはしないのに前々からこのワードで検索すると私のブログが上位に引っかかるということがわかっていました。
なんでだろうって一時期思っていたけど見つけたのです。
「ああ、昔に書いた記事でそんなのがあった」と。
検索エンジンも「伝言ゲームの例題」とはまったく関係ない記事なので、はずしてくれるかなと思ったら全然でして、いっこうに検索してくる人も減る気配がないので、せっかくいらっしゃった人のために本当に伝言ゲームの例題を考えてみました。

で、このコーナーは思いつきで更新されていきます。

☆例題1

馬の爪に挟まった梅の花を手に取った孫次郎は、三尺下がって師の影を踏まず、師匠の影なきひと時を、桜色に頬染めて、ほおばる握り飯に豆娘の晴れやかな姿を思い浮かべては己の鼻先をつまみて笑い、飯粒二尺飛ばして牛のごとき師匠の面にべったり沈み、馬の後ろ足に蹴られるごとき烈火の怒りこうむって、青色に顔が染まったとな。


…長い?
もっと短くて現代的なのがいい?(笑)


☆例題2

恋路を邪魔するお父様と絶縁なさって、あなたとの関係をより熱くさせたいのですから、お母様の支度してくださった熱烈な手はずがあれば教会で式を挙げてお父様の追及も逃れて求愛しあい、愛しているゆえに結婚しますと誓い合えますのに。


…これも長いですか?(笑)


☆例題3

うらやましがって玉の輿になった婦女子は浦島太郎の玉手箱に卵豆腐にも似た鷹の爪入りふ菓子が入っていているのを、たまたま高みの見物をしながら茶化してきたと言っていた。


どう?だいぶ短くなったでしょ。
もっと短いのがいい?


☆例題4

あなたが購読しているのは東京経済界誌ということですが、定期的に新事実が載っていると最近界隈でも有名な共済事業新聞も読みませんか?


…大人向けですね。
子供向けのがいいのかな?


☆例題5

マッチ売りの少女はマッチを六本すって火をつけてあたたまろうとしましたが、三本は折れてしまい、一本はしけっていたので、やけになって二本いっぺんに火をつけましたが三本の折れたマッチに火がついてしまいすぐにマッチ売りの少女の目の前で灰になってしまいました。


長かったら短いのをご用意させていただきまーす。


☆例題6

お馬さんが転んだのはお目めとお鼻の先にあった石につまづいたせいだけど、お馬さんのお鼻を刺した蜜蜂に驚いたりお鼻をつまらせたせいじゃなかったから前はよく見えたし干草もよく食べるよ。


☆例題7

友達が泣いていたので慰めるために会いたいと思い「お菓子を渡せるのはいつですか?」と電話したらお母さんがしゃべっていたことに気がついて笑ってしまった。



…ってことで、また今度。
しーゆーあげいん。



※もしリクエストでもありましたらコメント欄に残しておいてください。余裕があれば考えておきます。
上に戻ってタイトルの下のcommentをクリックするとコメントできます。

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04/09

Fri

2010

痩せてきた2 歩くことは大事

何せずっと引きこもりで1日10時間以上もパソコンの前に張り付いて色々読んだり書いたりしている生活を続けていると当然のごとく歩く歩数がひどい時で食卓とバスルームぐらいの往復程度にしかなってない時がある。

「歩くと足の血流が良くなり血を上に押し上げる力が強くなります」

との言葉を発見し、思い出したらなるべく歩こうと今ここに書いて覚えておこうというわけです。

痩せ具合のほうは残念ながら横ばい状態。
やっぱりイラつくことがあって酒飲んだりしてしまいます。
マイナス3キロを維持している。
ビリー隊長とも仲良く無理せず付き合っている。
ビリーズブートキャンプは4巻あり、一番きついのが1巻めなのだけれど、それを1日おき、もしくは2日3日やって1日休むという具合でやっている。
ちょっとずつは長続きできるようにしているけれど、体つきもほんのちょっとだけ変わってきたっぽい。

続けられる気力というのもひとつの技術だけど、続けられるように工夫するのもひとつの技術だということがわかった。
飽き性ですぐにやめてしまう自分にとって一ヶ月続いているというのはなかなかのものです。
ちなみに黒酢を飲みながらがんばっております。
これを飲むと「めちゃくちゃ」が「ちょっと」だるいになる。
疲れづらくなるのは自分で実証済み。
酸っぱいから飲めない人はサプリがいいかも。
今は色々な味の酢があってジュースみたいで面白かったりもする。
マンゴーなのバナナなの。

カロリーをとり過ぎずに血圧などがなるべく激しく上下しないように体調管理するのも大事だけど、改めて歩くことの大事さが、引きこもりだとわかります。
30分でも歩くと寝つきがよいことに気がつきました。
目覚めもよかったりする。
さすがにストレスなどがあったりすると寝付きも寝起きも悪かったりするのですが、最近は好きな音楽をヘッドフォンで聞きながら大の字になり、全身の力を抜いて音楽の世界にトリップし、無心になるという技も身につけました。
携帯が防水のおかげで半身欲も楽しい。
全身の余計な力が抜けると、人生への余分な力みも抜けてほどよい力加減で生きていけそうな気にもなってくる。

最近は食についても色々考える。
何せカロリー取りすぎだと努力が水の泡なので減らないにしろ、絶対に増やしてはならんという意気込みでがんばっているものだから、まんべんなく栄養を取るということにも気をつけている。
栄養が偏るとやっぱり「何か欲しい」感が抜けない。
あいかわらずよく噛まない癖は直らないけれど。

だいたいアイディアっていうのは歩いているときに結構浮かんだりします。
何かの信託のようにふっと降りてくるのですね。

タモリさんが元気なうちに「世にも奇妙な物語」の映画版原案自分で作っちゃいたいなとか、早く名前が売れて有名になってニッカウィスキーにアプローチしてイギリスにまで飛んで小説の取材したいなとか、携帯版朗読小説まとめないととか、ファンタジー小説ちょっとずつ書いていかないととか、ああホラーもあったし、とにかく色々やりたいことがありすぎて逆にやる気なくす(笑)。
この辺の集中力散漫なところも直さないといけないのに。
などと思いながら歩いていると勝手に独り言が多くなり、いかにも不審者そのものであります。

寺山修司は生涯を通して「ひとつの疑問符」であり続けたけれど、自分は「示唆的」なものでありたいな。
言いたいこと言って結論まで導くのなら大学の先生にでもなっちゃって論文書けば済む話が、わざわざ小説を書くのは結論を言いたいわけではなくて、あるひとつの側面を提起するためなのだから。

電子書籍の波が襲ってきている。
大手の出版社は旧体質から抜け出せずに自分たちの利益を守るのに必死。
経営のスリム化、既存の利益の確保、相変わらずの「消費思考」。
その影で人が犠牲になっている。
というより、もういいんだよ、きっと。
会社っていう場所に固執しなくても、悪い体質だと思ったら自分で新しいアイディア出して挑戦していかないと。

ずっと座っているのだから歩かないと。
自分の体を維持するのは大事。
体重の増えすぎは長い時間をかけて体に負担を強いる。
かといって運動のしすぎは逆に体を壊す。
健康であるということは体内のバランスを維持するということだ。
体を維持させるということは、全身の筋肉をまんべんなく使い、摂取するものが隔たることのないよう気を配る。
好きなものばかりを食べない。
嫌いなものはうまく調理する方法を学ぶ。
「利益」と「消費」。
ゆるやかに循環するのはよいかもしれないけれど、体で考えるととっくの昔に壊れてもいいほどの激しさで循環している。

これからはもっと自分の体と対話しながら色んなものを考え直していこうと思った春の1日。
まずは歩き出そう。

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04/07

Wed

2010

「食べる」ということ

http://www.dailymotion.com/video/x5ph7g

このリンク先には鳥、牛、豚がどのようにさばかれているかの映像があります。
見たい人は覚悟して見てください。

「食肉って工業製品なんだね」と言っていた人がいた。
「もうお肉食べられない」と。

実はうちの父親の子供の頃の家の隣に鶏が飼われていて、それをそのままさばいて食べる様子を見ていたそうなので父も父の妹も鶏肉があまり食べられない。
特に父の妹はまったく食べられない。

現在現代人は自然界の「食われる」という事情からとことん解放されている。
そして人口が増えて「食う」事情だけがとことん肥大化してきているわけだ。

これを見て初めて肉を食べることを考える大人をとても不思議に思うところがある。
どうしてそんな簡単なことも想像できないで生きてこれたのだろうと。
私は極端なベジタリアンみたいに「動物がかわいそうだから食べないでいましょう」と言うつもりはない。
「食べられるものが選べて、私たちは草も肉も選んで食べられる環境がある。私たちはそれに感謝すべきで、それ以上でもそれ以下でもない」
結局は荒野に生きていたら草食よりもやや肉食に傾きだすかもしれないのだ。
また森林に生きていたら肉よりも木の実などで補えるようになるだろう。
人間の食は環境に左右される。
上記のようなことを言ったら肉反対派は「痛み」のことを言ってたっけ。
草は痛みを感じないから、食べるけど動物は痛みを感じる。
爪を切るのと肉を切るのとでは違うでしょって言ってたような人がいたな。
でも、正直そんなこと「人間の科学が証明している」範囲程度の理屈でしかすぎなく、また「食のスタイルが選べる」からであって、実際のところ「植物が『痛み』を感じるかどうか」は人類はまだ証明していない。
ただ「動物に見られるような神経組織が見られない」という程度でしょ?
植物にとっての痛みもまた人間とは違うかもしれないしね。
昔から人間は食べられそうなものはなんでも挑戦してきたはずだし、その延長線上に「肉の工業化」があったわけで肉食の歴史が莫大な人口増加に対応するために行き着くところまで行き着いたということも言える。

そして最も重要な点は現代人は「自分に都合の悪いものをとことん排除し選択していける環境を整えている」という現実だ。
この「肉の工業化」もそう。
我々は昔なら当然見ていたような「生き物を殺して食べる」という事情をまったく意識しなくても肉が食えるようになった。
スーパーなどのクレームでもおかしなものがあったりする。
貝が砂をかんでいて食べられなかったとか、ゼリーを夏にお供えしていたら突然爆発したとか。
ここまで「自然現象とかけ離れて生きている」現代人というものの存在を不思議に思うことがあるわけです。
そしてその延長線上で「不都合なものをとことん排除していく」という傲慢にも繋がっている。

この肉に関してもひとつのテクニックがあるわけです。
どこが食べられるとか、どういう風にさばいていくのかとか、肉と内臓の処理の仕方、すべてが技術なわけで、「肉食いたいならお前がやれよ」と言われても、どうやればいいのか戸惑う。
刃物ひとつにしても研ぎ方がわからないし、どんな刃物を使って肉を解体すればいいのかもわからない。
文字通り専門職があったのは納得できる話だ。
そしてその専門職の人たちがいるから、はじめて食卓まで肉が届けられるわけだ。
当然口にする肉は飼育されて殺された上で食べれるように加工されている。
そんな当たり前のことを考えなくても生きていける現代って少し異常とも言える。
そして挙句の果てには一度も命を食らっていることを意識せずとも死ねる整備された環境すらもある。

命を食らう、生きるってことは自分たちが思っているよりもシビアな事情がある。
だからこそ感謝しなきゃいけないし、残したら「もったいない」し、無駄にむさぼることがいかに下品であるかということを意識しないといけない。
本来は自然界に生きていれば人間も「食べられる」事情の中に組み込まれるけれど、どうやら今は人類の脅威と言えばウィルスと化学物質ぐらいしかない。

現代文明は「不都合なもの」をとことん意識・物質的に「分類」して構成していっている。
不都合なものを見なくてもいいように区分けしているのだ。
でも現実は見ても見なくても存在している。
この肉のように。

どうせ食べるならおいしく食べたほうがいい。
料理をするという文化があり、その犠牲をより感謝すべきものへと変えてくれる。
毎日に「ありがとう」が必要なのは、我々は命を食らって生きるという動物として当然の宿命から逃れられないからだ。
だからこそ「もったいない」という価値観も出てくる。

現代社会は常に「消費」という観点で動いている。
「もったいない」などという考え方は「貨幣の流通の妨げ」にもなりかねないだろう。
「消費」こそが「資本主義の基本」なのだろうか。
「消費」されたものに思いをはせることは「消費」ゆえに無駄なのだろうか。
私にはよくわからないけれど、「消費」という考えの影で犠牲にしているものがたくさんある。
まだ日本では三万以上もの自殺者が存在しているし、莫大な食料を輸入しているにも関わらず年間可食部分と見られている食料廃棄量(食品ロス)は500~900万トンと推測されている。
http://www.maff.go.jp/j/soushoku/recycle/syoku_loss/pdf/panf.pdf
(農林水産省:食品ロスの削減に向けて2009年3月)
消えていかなくてもいいものに対して「もったいないな」とは思わないのだろうか。

「もったいないな」
「もったいないお化け」って昔いたけど今なら笑われそう。
「食べる」という現実を見つめるということは「生きる」という現実を見つめることでもある。
都合の悪いものがたくさんあってはじめて成り立っている現代社会だということを忘れてはいけない。
自分の都合のよいものだけで社会は構成されている・していけると思っていたら大きな過ちだ。

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04/05

Mon

2010

ある街の一角にひっそりと小屋が建っている。
周囲は住宅街でこの区域に特に人が来る理由がないにもかかわらず、連日小屋には行列ができている。
並んでも小屋にその日のうちに全員入れるというわけではない。
その小屋はある人気占い師の小屋であった。
口コミで評判が「怖いほどよく当たる」と広がり今や近所では知らないものはいない。
わざわざ泊り込みで遠方から来るお客もいるほどだ。
いつからここで占いをしていたのか、占い師が何者かも、誰一人わからなかった。
占い中も外出する時もフードを深くかぶっているので誰一人顔を見た者はいない。
夜も深くなり、並んでいた人たちもようやく諦めてしんと静まり返った。
占い師は仕事が終わり晩御飯を食べていなかったので買い求めようと小屋を出た時、急に女にすがりつかれた。
夜中にも関わらずサングラスをしていて顔がよくわからなかったが、泣いているようだった。
「お願いします!どうか私を!占って!お願い!もうあなたしかいないんです!」
人気占い師だけに泣きつかれることはよくあることだったので、諭して今日は帰らそうと思った。
この手のタイプは諦めずにいつまでも嘆願してくることも考えられたがその時は無視をして一息つこうと思っていた。
「お願い!よく当たる占い師にあたしもう死ぬって言われたんです!どうか助けて!私の命を救って!」
女の懇願にはっとした占い師は「またこの人も妙な占いを信じてどうしようもなくなったのだろうか」と思った。
占いは吉凶を予測するものであって未来を決め付けるものではない。
占いにどっぷりとはまり込み、まるで占いが「避けられない未来を決めるもの」であると勘違いする人も中にはいるのだ。
占い師は適当に占って、いいことを言って帰そうかと考えた。そのほうが早く済むかもしれない。
「まずは中へ」
占い師は女を小屋の中へと入れた。
小屋の中は特に呪術めいた道具が置かれているわけでもなく、暖色系の照明が明るくない程度に照らし、ほんのりと香の香りがただよっていて女の気分を落ち着かせた。
女の話を聞くと占った結果を言われたはいいが、特に何かをすれば回避ができるなど助言もなく「時間の巡り会わせだ」の一言で追い出されたという。
「それはひどい話ですね」
占い師は女に同情的な言葉を向けて気持ちをなだめた。
「時間のめぐり合わせですか。そのようなひどい占い師にめぐり合わなければあなたもこうして不安な気持ちで私のところに訪れなくても済んだでしょうに。おかわいそうに」
女は我慢していたのか、せきを切ったように「どうすればいいんですか。結婚も間近なのに死ぬなんて嫌です。私幸せになりたいのに。あの占い師さえ変なこと言わなければ幸せになれたのに」と泣きじゃくった。
「ほう…ご結婚を…」
占い師は「もう死ぬ」と思い込んでいる女に「おめでとう」も言えない。
事情が事情なだけに占って回避方法を教えてあげようと考えた。
占いの方法は占星術とタロットを組み合わせた占い師が独自に開発した方法だった。
「これからシャッフルしますのでタロットの上に手を置いて気持ちを集中させてください」
占い師はタロットの上に女の手を乗せてカードを切り出した。
カードの並べ方はケルト十字法といって十枚を配置し、最終的な結果は右上の一枚に集約される。
カードを一枚一枚並べている時、あまりの不安からか女が勝手にしゃべりだす。
「私ようやく今の彼と一緒になれたんです。長い時間をかけてようやくめぐり合えたんです。彼のためにどんなことでもしました。私この幸せが消えるなんて耐えられない。これからも彼と一緒に過ごしたい。もう五年も耐えてきたんです」
五年。
占い師は「私が占いを始めたのもその時期なんですよ」と優しく言った。
占い中は集中しているので静かにして欲しいところだが、女の心中を考えるとそうもいかないだろうと諦めながら占いをすすめた。
「彼と会ったとき、絶対この人を私のものにするんだって。ずっとがんばってきたのに」
女が自分の話とともにすすり泣き、止めることなく続ける。
「彼、離婚してバツイチなんですけど、離婚してからずっと苦しい状況を支えあって乗り越えてきたんです。それでようやく生活も安定してきて、二人で新しい区切りをして、もっと幸せになろうねって…」
占い師のフードの奥がピクリと動いている。
十枚目の最終結果のカードを置く手が少し震えていることに女は気がつかない。
「あなたの…生年月日…教えていただけませんか?それと、顔の相も見たいのでサングラスを取って…」
カードをすべて置き終った占い師が女に聞く声が震えている。
女が生年月日を占い師に告げると「次はお顔を見させていただきますので」と占い師は言ったがフードがゆれているのが女でもわかった。
女がゆっくりとサングラスを取ると、占い師はガタリと音を立てて急に椅子から立ち上がった。
「あ、あの…?」
不安げに女は立ち上がった占い師を見つめる。
占い師はふらふらと壁際の棚まで歩いていき、震えているようだった。
「だ、大丈夫ですか?」
女が心配して聞くと、占い師は低くはっきりと聞こえる声で女へ聞いた。
「あなたが…今度結婚する人は――さん…ですね?」
「え?」
女は凍りついた。まさか知り合い?一体誰なのだろう。
「そうですけど、あなたは…?」
女の疑問に占い師は振り向き、一気に自分のフードをめくりあげた。
やや室内が暗いといっても顔ははっきりとわかるほどだ。
「え?」
女は占い師の顔を見てもきょとんとしている。
「あの、どこかでお会いしましたか?」
女の言葉に占い師は破裂したように声を荒げた。
「あんたが五年前に寝取った男の元嫁だよ!あんたのせいで私の人生は狂ったんだ!許せない!あんたをずっと殺そうと思ってた!あたしには何度も友人面して会っているはずなのに、あんた自分が寝取った男の女の顔さえも覚えていないくらいこの五年間のうのうと生きてきたのか!友達面してあたしをはめやがって!信じられないクズだよ!あんたさえいなければ…!うじ虫の豚女め!殺してやる!」
ひゃっ、と声が女の恐怖に硬直した顔からもれたと同時に、首筋にはペーパーナイフが深々と刺さっていた。
「あんた、自業自得だよ。運命には逆らえなかったね。これも時間の巡り会わせだね」
女はペーパーナイフを引き抜こうとして床をずるずると這い回り、ようやく引き抜くと首筋から勢いよく血が噴き出て、口からも血があふれてくる。
「あっ…あっ…」
言葉すらも出せずに体の潰された虫のようにか細く動く女を占い師は見下す。
「あたしが過ごしたこの五年間は屈辱だったよー?近所にはうわさが広まって会社すらも追われてさー。あんたさえいなければこうはならなかったよ。…あんたさえいなければ!」
語気を荒げ、ゆがみきった満面の笑みを浮かべて愉快そうな声で占い師は続ける。
「あたしは逃げたよ。あの街から。それからはホームレスみたいな暮らししなくちゃいけなくてさー。女のホームレス。わかるー?夜とかさ何度も知らない男に犯されてさー。それならっていっそのこと風俗で働こうってさ、趣味だった占いを女の子にやってたらよく当たるって評判になって、それでこの仕事始めたんだー。でもあんたのことはずっと忘れたことなかったよぉ?く…くくくくくっ…」
焦点の開ききった女の顔を足蹴にする。
「死んだ?死んだの?ホント?ホントに!?アタシ、ヨウヤクヤッタノ!?」
何度も何度も女の顔を蹴り、愉悦で声が高揚して引きつるほどだった。口からは興奮のあまりよだれが垂れ、目は長年望んでいた光景をしっかりと目に焼き付けようと大きく開いている。
占い師は先ほど並べたタロットカードの十番目の位置を開く。
塔の正位置。
崩壊を意味する塔のカードにぴったりの結末だと占い師は思った。
もう一度顔をジリジリと踏みにじる。女は首から血を広げるだけでもう反応しない。
徐々に高揚感が占い師の体を駆け巡る。
「く、くくくくく…キャハハ…キャーッハッハッハ!ザマーミロ!ゴミムシオンナメ!ザマーミロ!キャーハハハハッハ!」
怪鳥のような声を深夜の空に響かせながら占い師は外へ駆け出す。
そうだ、この愉快な気持ちのままあいつの死体の前で祝杯でもあげよう。
赤ワインでも買って飲み明かそう。
女がニタニタと笑みを浮かべながら路地の角を曲がった時、サーチライトにぱっと視界が白くなりガコンという音とタイヤの急ブレーキの音と体が捻じ曲がるような衝撃と、鼻の奥に強い血の臭いを感じた。
急に視界が変わったことによって何が起こったのか理解できないまま占い師は「テレビが地震で落ちちゃった。直さないと」と思った。
その次に占い師はアスファルトに広がる自分の血を見て「ああ、私、ひかれたんだ」とようやく事態を理解した。
塔の正位置。
あれは…私の…結果…?
だんだんと意識が薄れてくる。
あの女さえいなければよかったんだ。
あの女さえいなければ…。
そして最後に占い師は思い、絶命した。

――あ…もしかして、あの女を占っていなければ、私はこの時間に事故にあうこともなかった…?

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。

気が付いたら他人からとても褒められる娘ができまして、人生が大きく変わりました。
この小さな可能性と向き合うため頑張って生きております。

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