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あさかぜさんは見た

日記

01/14

Wed

2026

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08/24

Mon

2015

真夜中の街路樹を傘にして走っていた。
 小清水には走る習慣などなかったが体調不良の検査結果を医者に「運動不足も影響していると充分考えられます」と言われてから、どのような悪天候でも走るよう心がけ一ヶ月が経っていた。
 まだ本降りにはなっていなかったが「いつ本格的に崩れてくるかわからないな」と小清水は思った。
 走るコースは決めていて、毎日同じコースを走っていた。
 その日は霧雨が熱くなりかけた顔にも降り注いでいて、自然のシャワーを浴び冷却材代わりにもなっていた。
 まだ日の照っている頃は人通りも多いが夜になると人の姿がまったく見えなくなる。また、メインの道路から一本逸れているため車通りも少ない。
 そこで小清水は途中で妙な影を見つけた。
 うずくまり、波打つように背中を震わせている女性らしき影だ。
 最初は酔客が家路の途中で嘔吐でも繰り返しているのかと考えたが、姿だけ見ると咽び泣いているようにも見える。
 通常の酔っ払いは支離滅裂で前後不覚な装いだが、それとも違う。
 具合が悪そうだ、介抱してやらなければ、と考えた小清水は一瞬周囲を見て誰もいないことを確認してから声をかけた。
「優しいんですね。私なんかに声をかけてくれて」
 女のしっとりとした声に謙遜しながらも小清水は鼻腔を思い切り開いて臭いを嗅いでいた。
 汗のせいか、少し生臭くも感じる。
 ただその臭いが、今薄暗い中でも街灯に照らされうっすら光るように映えるうなじの汗から香るものだと思うと小清水は興奮を覚えざるを得なかった。
 それも若い女だ。
 心配を装いながら体に手をかける。
 ぬめっとした感触が手に広がった。
 汗? いや、もっと粘り気のある汁。
 濡れたアスファルトにところどころ水溜りが出来つつある。
 木々の葉にたまっていた雫が少しずつ垂れて時折小清水の頬を打った。
「タ、タスケ、テ、ク、ク、クレ、マ、スカ?」
 ほとんど聞き取れないようなか細い声で女に話しかけられる。
 白い手がすっと首元に絡みつき、女の開けた胸元が瞳に飛び込んでくる。
 透き通りすぎている。
 葛餅のように透けて血管が見えている。
 これが若い女の肌か、と長年見てこなかった光景に妄想を膨らませ疑問を持たなかった。
 突然の女の口付けの後、ぬめりとした体に覆われ、男は少しずつ意識を失っていった。
 倒れた瞳を横に向けると、濡れて広がる水溜りの向こう側から無数のナメクジが向かってきていた。

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08/24

Mon

2015

そろそろ、いい頃合だ。
動いていこう。
自分の人生に対するケジメでもある。

いい風が吹くだろう。

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08/22

Sat

2015

何故負の情報をここに書くか

ええと、ちょっと前から伝言ゲームという検索ワードでだいぶこちらにおいでなさっている方多いと思いますが、そのほとんどは私のようなドクズが書いているとは思いもよらず、日記を読むにあたり大変困惑し、舌打ちでもし、ちょっと最低みたいな気分を抱いて去っていく方がほとんどだと思います。
そしてこの記事を書いたところで過去のアーカイブに埋もれ、将来少しずつ変わってくる自分が、この記事を書いた気分とも一致しないかもしれないという人間の生活や運命そのものも鑑みながら現段階における自分の主張を述べておきたいと思いまして。
あの、すいません、そんな必要ないと思って読んだ方に一言申し上げておきますが、この場所は一応個人過ぎるブログであり、たとえ公人となったとしても、わたくし自身のありのままの姿、むしろ汚い部分を見つめる場所でもありますので、あくまで記録としてもおおいに生涯使わせていただく所存でございます。
ところで、突然すぎる、そして他人にはホラとも取れる内容を書きますけれど、私は間違いなく上に上がっていける人間でございます。
そして、恐らく30年後ぐらいにはテレビで何らかのまとめ番組が組まれるかもしれません。
テレビがあるかどうかってのは置いといて。
ほとんどの本、テレビ番組における「偉人」は「編集された理想像」であります。
たとえ立派な事ができて、聖人君子のような真似が紹介されたとしても、徹頭徹尾善人であり続けられる人間は、私はまずいないと考えております。
そのような時に、例えば私が有名になった時に、絶対人々が勘違いしないように、ここに「編集されたクズっぷり」ってのを書き記しておきたいと考えているわけです。
その理由は絞られております。
「俺でもできたんだ。てめぇらごちゃごちゃ言い訳してるんなら許さねぇぞ」
ということと、その逆。
「誰でも、こういう場所に這い上がることができる。可能性を狭めているのは他人でも環境でもなく、ただ自分だけだ」
ということを身をもって世の中に知らしめたいがため、超ダラダラとやっているわけです。
でもですよ?
私、先ほども申し上げたように絶対上に行けるんです。
だって今ライバル次々と脱落しているんですもの。
もう愉快な思いと同時に、色々同情すらも及びもつかぬ気の毒なことが多々起こって、この分野から去っていくわけです。
そうなると、私が勝つに決まってるじゃないですか!
若い世代も沢山上がってきているけれど、どうせほとんど脱落する。
もうわかるもの。
ここに骨を埋めたがるヤツって、まずいないことに。
ほとんどすべての人は承認欲求のためにやっているってことに。
だから、みんな脱落していくし、「職業」として捉えるから食えないことに気がついてやめていく。
これ、「職業」じゃないんだよ。
自らの生に対する最後の、最も強い葛藤の表出なんだ。
みんなやめる。
みんな去る。
この世界が何かもわからずに。
夢だけ抱いているならさっさと去れ。
この世界では英雄は絶対生まれない。
ただ命をおろし金でこすり続けて、そのおろしたものを表現にぶつけるやつにだけしか、この世界の価値は見つけられない。
だから、頭狂ってていいんだよ。
それくらいがいいんだよ。

これは「職業」じゃないから、僕は一生「自称作家」でいる。
だってさ、その才能を信じ続けられた人って自分しかいないんだもの。
つまり信じ続け練磨する人間も自分しかいないんだ。
わかったかい?

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08/20

Thu

2015

怒りと憎しみの後に残るもの

以前私は人を憎んでいると書いた。
私は世に生きるクズの一人で、私は精神の正常さがどこにあるのかわからないまま生きてきた。
一日一回以上は他人からの皮肉や嫌味や罵倒を受けて15年以上も過ごして来た。
特に成人してからやられれば多少の防御策は講じられただろうが、思春期の浅い時期からやられてきたから、だいぶ歪んだ精神を持って生きてきた。
「当て付け」という矛盾と理不尽の中で過ごして来た。
そして今も歪んでいる。
歪んでいる人間には「小説」というフィールドはとても都合のいいものなのかもしれない。
たぶん私は酒がないと生きられない。
数々の負の感情、それを呼び起こさせるものを思い出してしまうと、もう止まらない。
酒のようなもので止めるしかない。
一度思い出すとほとんど寝るまで怒りや憎しみの感情に捉われてしまうから、特に昼間に運悪く思い出してしまったらやばい。
昼間でも酒を飲むか、ただぼんやりゲームをするかのどちらか思考を麻痺させる方法を取る。
普通の人間はどう生きているのかわからない。
狂うというほどでもないけれど、負の感情に捉われると自分が無価値な人間に思えてくる。
そうなると他者の価値など、どうでもよくなる。
私は他者を当て付けに殺す人間の気持ちがなんとなくわかるような気がする。
ただ、そのような人間は「心に完全合致する理解者」がいないと助けられないから、わかると言っても助けられないのだが。
そういう時は人を遠ざけたい。
誰かに心底かまって欲しい気持ちと、関われば傷つけてしまうし傷つけられるという二重の意味で後悔することが多いから葛藤する。
安易にアドバイスなど受けようものなら過去がぶり返してくる。
「ホームラン打って来い」と同意の言葉を人にもっともらしい言葉で投げかける人間がいるが、そういう言葉は人を傷つけるだけなのだ。
それが簡単に出来たら人類は絶対に苦しまない。悩まない。憎しみすら持たない。
認め合い、平和な世界が訪れている。人と人とは愛し合えるはずだ。
それなのに、何故こうもすれ違いわかりあえず、踏みにじったり踏みにじられたりしなければいけないのか、そのもっともらしい理由から聞きたいものだといつも思う。
だが負の感情の後にいつも残るものは灰。
虚しさだけだ。
この途方もない虚しさを引きずるくらいなら、最初からなるべく負の感情は捨て去った方がいい。
可能な限り、できるだけ少しでも。
何のためにもならない。誰のためにもならない。
恐ろしいほどに自己中心的な事情のためだけに存在し続ける感情だから。
ただ、負の感情はある意味創作のエネルギーにもなっている。
そして誰かを言葉少なめに理解する大きな強みにもなっている。
このことがある意味私の人生を大きく決定付けているし、これからもそうだろう。
生かすも殺すも、自分次第なのだ。

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08/12

Wed

2015

「番犬と野良犬」

「だからよぉ、いつも言ってんだろー? ほら、ここ。もっと削れるだろ。こんな甘い見積もりじゃ他のところに仕事もっていかれんだろぉ?」
 いかにも嫌味そうに不精ひげを左手で撫で、トントンと右人差し指を強めに叩きながら指摘する中園を見て、ここから三十分以上は説教にも満たない小言が続けられると思うと、うんざりを通り越し既に脱力感に苛まされそうだった。
「いつも俺が言ってるのに、守ってくれねぇんだもんなぁ。俺そんな難しいこと言ってるかな? 簡単なことだろうがよ。経費削減しないと利益出ないだろ? 子供でもわかるぞ」
 しかし最低限という言葉がある。それ以下原価を割ると、もはや品質そのものが低下していくという限度。
 牧島は既に「品質劣化」を見抜かれ、少しずつ顧客が遠のいていっている現状を見ているだけに無力感があり、デスクで永遠とそれらしい指示を出して知ったようなことを並べ立てている中園に怒気すらも無意味であることを悟っていた。
「お前みたいにミスばっかり重ねて、こうして俺のところに来るから俺が寝ずに会社に残って必死に仕事しなきゃいけないだろ? 俺今日三時間しか寝てないから。昨日残って仕事してたからさ」
 社長でもない中間管理職の中園はワンマン社長の指令を受けた部長から細かく仕事の内容を指摘され、そのことでも苛立ち愚痴を一日中言う始末だし、それだけならまだしも奥さんとセックスレスで家庭内で邪険にされていることさえも会社に持ち込んで当り散らすことがあるものだから、部下たちはたまったものではない。
「もう少し休みとれとか、家族や子供のことちゃんとかまってとか、俺仕事沢山あってどうにもならないのにさ」
 いつかの愚痴で言っていた。
「小遣いないしさー。全部取られちゃうんだもんなー。お前は結婚してないからわからんよなー。結婚生活の苦労なんてよぉ。家族サービスもしなきゃいけないし、俺休まる場所ないよ」
「自分の時間をもう少し持てるよう、奥様に相談なさってはいかがでしょうか」
 と牧島が告げたことがあるが、
「これが結婚生活なんだよ! 結婚するってこういうことなんだよ! お前もなぁ、早く結婚しろ。よくわかるからよぉ」
 と多少血相を変えられ、いかにも諭すように肩を叩かれた事があった。
「家庭内のことなんて知らないよね。奥さんだって旦那の仕事内容わかっているなら少しは言うべきところ抑えればいいのに」
 女性社員たちが給湯室で刺々しい声で話しているのを、お茶を飲むついでにじっくり聞いてきたが、ろくな評価にならないのは目に見えている。
 また女性社員が多い職場なので男性が多いところよりも雰囲気が違う。人のいい人たちが集まっているせいか、ほんわかしているというのだろうか、普段はピリピリしていない。
 中園は不思議な会話をする人間で、すべて自分に置き換えて話をする。
 例えば自分の悩んでいることを話すと「いやー、俺はそうは思わない。なんでこうしないのか」と言ってくるし、飲み会の席でも「俺、こういう味付け好きだからさー」と、人の味覚にも口を出す。
 当然、飲み会は密かに計画されることになり、集まりは他言無用となる。
 そして、仕事上重大なことのみ報告され、小さなことは下だけに共有され揉み消される。長い小言を避けるためだ。
 部下たちは余計な事はせず、最低限の仕事しかしない。それさえもバカらしいと思う人は辞めていくのだが。
 牧島も流れてくる言葉を既に「意味」として認識していない。ほとんどが「音」と化していた。
「牧島さん、よく耐えられますね」
 と説教直後に小声で言われた時、切り替えができず条件反射的に頷くだけだったことがあった。
 牧島の場合、既に「型」が出来ている。
 神妙そうな顔をし、「はい」とハッキリ過ぎずきちんと聞こえるトーンで返事をし、最後には「申し訳ございません。反省して次からはきちんとやります」と締める。
 それでも顧客のことを考えると「もっとこうしたほうが」と、あくまで「ミス」程度の小さな反逆を試みるが、その度に中園の前で時間を浪費させられることになる。
 中園は仕事を懸命にやっているはずなのに、周囲との連携が上手くいかない。噛みあわない歯車が全力で風を切り音を鳴らして回り続けているようで周囲も落ち着かない。また、せっかちな部分もあって、やたらと催促する。
 そして「この職場の中で自分が一番努力している」と思い込んでいるし、それゆえに細かい指摘を受けると「俺の努力が否定された」とふてくされ、三日以上は同じ愚痴を繰り返し言いまくっている。
 特に部長の言い方がきついわけではない。業務上押さえておきたいことを指摘している範疇だったが、それが「懸命さへの否定」と取れるらしい。
 相手をするほうはたまったものではない。仕事以外のことで倍以上もストレスを抱えることになるため、部下たちは各々のストレス発散方法で明日も出勤してくるのだろう。
 中園のせいか、牧島も昔やっていた水泳を改めて再開することになったし、何かしていないと職場のことを思い出し恋人にも当たってしまう始末に正直ぞっとして、慣れない絵なども始めたのだった。
 水の中は音が地上と違って伝わってくる。水の音、水の感触、掻き分けて進んでいく体。クロールの途中で目をつむって水の中の暗闇を感じてみる。ただ無心になれる。プールから上がるとき、別の人間になった気がして地上の疲れとは違った全身に満遍なく広がる疲労が心地いい。
 絵もやってみると、当然下手だったが模写も飽きて外に出たくなってくる。今度デートがてら、自然の多い場所にでも出かけようか。恋人が同意してくれるか。行くとしたらどこがいいのか、調べもしなかった場所を調べ、名前も知らなかった雑草が少しずつ性格を持った花や草となっていくことに喜びを覚えていった。
 牧島は恋人の家で共に酒を飲み、互いの愚痴を交換し合っている時にふと思った。
 中園の存在も、別に悪いものではないな、と。
 少なくとも家庭のことを職場に持ち込んで愚痴を言うような人間にはなりたくないし、こうはなりたくないという例を沢山目の前で見ているのだから、自分が気をつければいい話なのだ。
 だが家庭を持つんだったら、転職を考えなければいけない、と牧島は強く確信していた。
 会社の構造として、一番望ましい人材は「馬車馬」なのだから。
 俺は、そうはなれない。だからこそ出て行かなければいけない。
 牧島は恋人の名前を呼んだ。
 ほろ酔い加減で返事をする恋人を抱き寄せ、耳元で力強く宣言した。
「俺、荒野で戦える人間になる」
 何それ、とケラケラ笑っていた恋人が牧島の目を見て笑うのをやめた。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。

気が付いたら他人からとても褒められる娘ができまして、人生が大きく変わりました。
この小さな可能性と向き合うため頑張って生きております。

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