うなされていたと、虚ろな意識で声が届く。
毎日のように笑い合う時間の中で酒の量は増えていく。
夢は覚えていないことが多い。
なのに、確かに嫌なものは見ていたと、じっとりとしたものが意識にこびりついている。
夢の内容は覚えていないのに不快感だけは続く。
また酒に手を出す。
こんなことを20年以上も続けているのだから、そろそろ体が壊れる頃だろうと思っているのだが、なかなかその時が来ない。
幸福な世界の中にいるのに心に巣食っているもの、これはヘドロなのか棘なのか、はたまた元々あるものなのかわからない。
毎日笑い合い車の助手席で飲んだくれ毎日話し合って助け合っている。
そこに女の子も加わるのだから、傍から見たら夢のような生活なのだろうし、客観的に見てもそうなのだろうと思える。
以前よりもよく笑うようになったと他人から指摘されるのだから彼女には心より感謝したい。
人も羨むような生活をしながら悪夢だけは抜けない。
定期的に見る。
夢の中だと時折理解していて夢から覚めなければと声を上げる時がある。
それが声にならない声になりうめき声となる。
そのうめき声を聞いたのだろう。
ウィスキー1日で半分以上も空けてしまう生活。
普通には眠れなくなってしまった生活。
死ぬまで付き合うしかないのだろう。
せめて覚えていれば真夏の怪談として話でも残せたのだろうが不快感しかないのが残念だ。
なんとかして眠ろう。
酒を飲んで。
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