久しぶりに怖い夢を見たというか、起きても覚えていた。
夢は見ているのかもしれないが、忘れてしまう。
もしかしたらよい夢や心地よい夢は忘れやすいものなのかもしれない。
その代わり、緊迫した夢は起きても居心地が悪い。
その夢は、中学生の頃の友人からだった。
どういう経緯で連絡を取るようになったかは忘れたけれど、映像電話を使って話していたが画面の向こう側に出てきた顔はやつれて、顔もどす黒く、とてもじゃないが元気そうだとはいえない様な顔だった。
私は彼のことを心配して「会おう」と約束し、住んでいる場所に覚えがあったので自転車をこいで走っていった。
車の通れるような路地を自転車で走りながら、どこらへんだろうと探していく。
最初はきちんと碁盤の目に住宅地も整備されていたが、だんだんとアスファルトがなくなり、タイヤの跡で草だけが剥げたようなでこぼこ道を行くと、ようやく民家の点在する一角に彼の住んでいる家を見つけて自転車を止めた。
ちょうど彼は地下から友達と上がってきたところだったが、その地下というのが入り口だけでも少し気持ち悪い。
というのも、入り口から奥へとフジツボのようなものが生えていて、私はそれを見たとき、キノコを栽培しているのだと直感的に思った。
その胞子が入り口にまで来ているのだ、と。
久しぶりに旧友に出会い、2階へと通される。
その家では旧友を含め3人住んでいたのだが、2階にいたもう1人のやつは、完全に薬をやっているのか少し話がわからなくて、支離滅裂なことを言っていた。
そして台所の近くの壁にかけてあった、小型の針付の瓶。
ちょうどサイズが小指の先ほどで、そこから小さな針がついているものがびっしりと並べて掛けられてあり、ひとつ小瓶を抜き取ると腕に注射をしだして、先ほどのピリピリしたような雰囲気とは打って変わって安心したような表情になり穏やかになった。
部屋の中も見回ったが掃除などされておらず汚い。
それに、こいつらやってるのヤクだろと、さすがにわかり旧友を外へ誘い出し自転車に乗せて逃げようとする。
旧友を乗せて自転車をこぐのは大変で、のろのろとふらつきながらも走るが、最初地下からあがってきたやつが気がつき、後ろで何か叫びながら追いかけてきていた。
マズイなと感じながら余計に力を入れてでこぼこの悪路を走る。
やがてパンパン! と乾いた音が鳴ったかと思うと、目の前の民家のトタンに穴が開く。
やられる。逃げないと。
そうやって逃げて、目が覚めた夢。
起きてからも友人の亡霊のような顔が忘れられなかった。
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