生粋の庄内人はとても内気だ。
シャイ、というレベルではなくて引っ込み思案である。
内気ではあるが、どこか人情味がある。
そこらへんは、そっけない都会の人とは違うが、なかなか打ち解けるまであたたかさはわからない。
今回の旅で出会った人々は皆あたたかみに溢れる人々だった。
まずは羽黒山へと出向きました。
「羽黒山階段」
雪が少ないとはいえ、山はまだ溶けつつも残っている雪があり、もう階段も坂状態。雪国で育っているので、苦戦と言うほどもなく、滑り落ちることもなく、降っていったのですが、雪に足をとられたりしてちょっと大変でした。
少し行くと滝が見えたので撮ろうかと思いきや、近くに看板があり、上流にダムがあるので川の水量に注意してくださいとのこと。びくびくしながら滝を撮りました。
「羽黒山須賀の滝」
さらに奥へ五分ほど行くとお目当ての五重塔が森林の中に溶け込むようにして見えてくるのがわかりました。
「羽黒山五重塔」
建築物なんてまだあまり詳しくないので、なんとも解説ができないのですが、見事な作りだということはわかりました。小さいですが写真みてもらってもわかるとおり、屋根のあたりなんか細かくてただただ見入るばかり。
林の中に溶け込みながらも、近づいてみてみれば荘厳なものです。
「羽黒山五重塔全貌」
五重塔を写真に撮り、お昼時になったので近くのお店でそばと麦きり(うどんのようなもの。つるつるしてこしがある。うどんよりやや細め)を食べたのですが、つゆに感動。なにでとった出汁だと聞いたら飛び魚らしい。
このつゆは本当にうまい。ちなみにりんごもサービスでいただいちゃった。さっくりとして甘かった。
やんわりとした甘みの中に深いコクがあってぼやけた感じもない。塩分とのバランスもよく、あくまで塩っぽい棘が一切感じられず、つゆを口に入れれば口の中で風味が広がるのですよ。それでいてさっぱりしている。
んんん、うまいっ、本当にうまいつゆでした。
同じものかどうかわかりませんが、とびうおのつゆ、一度ご賞味あれ。
こっちが出汁用のとびうお。
ちょっと多めの昼食を済ませた後、お土産やを探しているとすぐ近くのお土産やさんの中からかわいいご婦人がひょっこり「入っていきませんか?」とのお誘いを受けて、誘われるままに店内へ。
お茶をいただいて雑談を交わしたのですが、藤沢周平はテレビや映画などで取り上げられてようやく地元にそんな人がいたのかとわかったという。
まあ、作家ってなかなか仕掛けるというよりも、作って待ち続けるというか、ひたすら孤高の中で洗練させていく職人というほうがいいかもしれない。
特に藤沢周平ともなると余計に職人肌っぽくなる。
とても笑顔の素敵な方でしたが、世間話は続く続く。札幌に住んでいても東京なんて場所で人の流れを見ると、一種異様な感じがしたものですが、やっぱり似たような感覚らしく、のんびり暮らしている身には追い立てられて過ごしているようなせわしさが奇異なものとして見えるのでしょう。
慣れちゃうと気がつかずに、しょうがないこととして受け流すのですが、せわしいことに慣れて大事なこと忘れちゃうのもまた確か。
効率至上主義には人情の差し挟む余裕は少ないですからね。
そこで庄内米がおいしいと勧められたのですが、家に帰るまでにもどかしいので購入は見送り…と言っても、すぐに食べる機会があったのですが、札幌に帰ってきて米食べてみて庄内米の凄さがわかった。
飲み屋でお客さんが「冷えてからすごい」とか言うのも納得。甘みももっちり感も弾力もよい具合の隠れた上級の米です。
これだけ米がうまければさぞや酒も…と思ったら、これもまた大当たり。
例えばちょっと隣の県の新潟とか秋田とかいくと、日本酒は飲んでいるうちに日本酒特有の臭みというか甘ったるさというか、もやもやしたものが胸のところに残ってくるのですが、山形のお酒はそれがなく、スパッと切れるような透明感のあるものでした。
鶴岡のお米は「はえぬき」「どまんなか」という名前で売っているらしく、楽天でも人気のようです。
一度このお米を食べてしまうと、なかなか他のお米が食べられなくなってしまうかも。米一粒一粒のたきあがりがしっかりしていて、おにぎりにしても、ボソボソではなく、ハフハフした感じが楽しめます。
山形結構いいものがたくさんあるのだなあ、としみじみ感じたのであります。
おすすめのお米、ぜひ一度どうぞ。
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