デビュー当時、偶然発見して、それから唯一追っている作家さんがいる。
特にこれといって作家を決めて読むことがないだけに珍しい。
デビュー四年にしてスポーツ新聞の連載、雑誌への掲載など作家として忙しい日々を過ごしているだろうし、血のにじむような努力をしているのだと思う。
元から才能のあった人だと感じただけに、「ああ、この人は伸びるだろうな」と思っていたらメキメキ伸びてきた。
売れてからが地獄だけれど、うまく読者に媚びることもなく自分の路線を突き進むのではないかと多少心配ではあるが、今後の成長も楽しみな作家ではある。
名声への誘惑と作品は切り離せない地獄の葛藤だからね。
人間だから。
「ねえ、あなたは日々どうやってがんばって生きているの?」
と友達に聞かれ、
「何をおっしゃるのやら!私は毎日省エネモード、超低空飛行、めんどくさいめんどくさいとダラダラ過ごしながら、日々をいかに努力せずに生き抜くかという次元で生きている男ですよ!?」
と言ったら友達が笑っていた。
北野武氏が昔の番組で
「人間は努力しなきゃ泳げない。魚は努力しなくても泳げる。だってそれが自然の状態だもの。芸人は努力して泳ぐようだったらいけない。長嶋さんだって、あれバット振らなきゃ眠れないっていうじゃない。あれは努力じゃないだろ?だって振らなきゃ眠れないんだから。芸人の世界が厳しいなんて外から見てもわかる。でも上にのし上がればこれほどいいことないだろ。そんなのは最初からわかりきっていること。それをやっていけないから出て行って、また帰ってきてやりたいだなんて、そんなバカな話はない」
結局「芸をやる人間の覚悟」のことを言っているのだけれど、最もだと思った。
貧乏で食っていけないのは当たり前、才能を磨くための努力をするのは当たり前、でも芸人だったら努力して芸人やってるんだなんて他人に思わせるようなら失格。
芸の世界は自分の自己満足じゃなくて五感や直感を研ぎ澄まし、技術を常に練磨すること。
とはいえ、やっぱり活躍している人を見ると素直に「チクショウ、うらやましい」なんて思ったりする。
ついついよからぬ気持ちを抱いて、先ほど書いた作家さんのことも純粋に応援できなくなってしまう。
ああ、なんて気持ちが弱いのだろうなと、少し落ち込む。
特に読者からの反応が多かったとか書いていると、なぜかむっとする。
「何で自分のは反響がないんだ」と卑屈になってしまう。
自分は自分の書きたいのだけ書くって考えているのに、矛盾している。
ダラダラ生きたくてもどこか焦っている。
書いた瞬間欠点が見つかる。
矛盾ばかりでがっかりすることばかりだ。
しかし今年は妙なことに占いに「人の縁」が強く出ている。
この兆候は、恐ろしいほど強く出ているので、自分の運命が大きく変わるかもしれない暗示だ。
人を動かすのは結局は人。
どんなに一人でがんばっても大きなものは動かせない。
その結果、自分がようやく活躍できる。
誰にも到達できない場所へと軽々と行ってやりたい。
久しぶりに生き生きしている自分がいて嬉しい。
[1回]
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