世には様々な商品があふれ、様々な売り文句があり、様々なメリットを前面に押し出している。
その商品に触れないことが、さも損であるかのように、どこもかしこも素晴らしいもので満ち溢れている・・・かのように聞こえる。
だが実際購入してみれば思ったのと違ったり、効果が充分に得られなかったりする。
商品でさえこんな風になるのだから、人生の売り文句となればさらに怪しくなる。
この世界は、幸いにも文字を伝って古今東西の知恵を受け継ぐことができるようになっている。
我々が人間として生きてきて、最も幸運であるのは言葉なのかもしれない。
その反面、人生そのものは理不尽さそのものであるから、そのシンプルで辛らつで当たり前のことを受け入れられなければ、あらゆる積極性を目にしては腐り果てる。
そして、さもわかったかのように語り始める。
人類は、結構人類の心理的癖のようなものを解き明かしていたりする。
そして近年に至っては、資本主義社会などの高度な経済社会においての成功法則は、既にまとめられていたり、古人が残してきた数多くの金言が残っていて、それさえ実行できれば成功に近づけるようになっている。
ただし、実行できればの話しだし、確実に成功するのではなく、あくまで成功に近づけるということだ。
最後の最後には様々な運の要素や人間関係、己の総合的人間力が関わってくるため、成功法則を実行できていると思っても、うまくはいかないことがある。
さて、世の中には様々な前向きな言葉がある。
私は底辺から這いずってきた人間なので、前向きな言葉が腐った心にどれだけの劇薬になるのかを知っている。
実行できないことへの卑下。
素直に信じられず疑心暗鬼になり余計に心がささくれ立つ。
そして、中には夢を餌にして金を稼ぐ輩もいる。
成功することを望んでいるのなら出世払いにすればいいものを、いい金を取って講習を開いたりする。
行動を起こすには、メンタル的なものが非常に大きな要素になる。
かの大リーグ選手イチローも言っていた。
体の不調を心で直すことはできるが、心の不調を体で直すことはできない、と。
それだけ、心を作り上げることは簡単な事ではないし、たいてい、変わらなければならないという危機感に見舞われることなく、日常は平穏に暮らせるものだ。
だからこそ現状が満ち足りていると、このままでいいのかな、という気分になる。
だが、いつかは困難に直面する。
残念ながら後に選ぶか先に選ぶかの問題だ。
しかしメンタル面で、いつ準備ができるのかというのはタイミングの要素もあるが大きい。
早い人もいるし、遅い人もいる。
いつまでも気がつかない人もいる。
準備を整える必要もなく、このままでよいと思ってしまう人だっている。
色々な人がいるが、前向きな言葉を信じて、もし崩れるようなことがあったり、自他ともに何かを作るよりもはるかに壊す方が多くなってしまったのなら、もうさっさと前向きな言葉や自分へのこだわりは捨て去って、現状の自分をよく観察するべきだと思う。
前向きな言葉を実行に移すにはメンタルな土台が必須になる。
これができていなかったらいくらでも崩れてくるし、他人にさえよくない影響を及ぼす。
この精神土台を作ることは、本当に時間がかかる。
雷に打たれたみたいに、ハイ次の日から! なんてできるのは稀だ。
少しずつ少しずつ自分の負の感情や消極性に打ち克っていかないといけない。
そして大字なのは人を見下さないこと。
これやっちゃうときりがないし、足が動かなくなる。
ここでいいのだという安心感さえ生まれる。
上を見ればたくさんの素晴らしい人たちがいる。
自分が足元にも及ばない人たちが世の中にはごまんといる。
そういう人間たちと友達になるにはどうすればよいのか。
もしあなたの周囲にはろくな大人がいないのなら、それはあなたの人間性がろくでもないから、そういう人しか知り合えないのです。
そこまでの意識を持てて、ようやく危機感が持てそうな気がする。
自分の場合は前向きな言葉を宣言して周囲に聞かせ、自分が引けない環境を作り上げてしまうことからはじめるのだけれどね。
まあ、方法は色々なので、精神土台の作り方は自分で見つけてください。
胡散臭さを見抜けるようになってくると、人生楽しくなってくる。
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