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あさかぜさんは見た

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結果を焦る気持ち

今も意識すればムクムクと欲が積乱雲のように膨れ上がってくるが、自制心を外せば何もしていないのに結果を求めようとする。
それこそ極端に言えば宝くじを買ってもいないのに億単位の金が手に入ればいいと思うような気持ちだ。

私は声の団体を作って、小説の世界の売れない人も、演劇や声優の世界で売れない人も、似たような感情を抱くのだなとつくづく感じさせられた。
小説の世界で初めて出会った人種。
たいした実力もないのに主観や想いや思想を独自に練りこみすぎて、山月記の李徴くずれのような人間に数多く出会った。
(※わからない人は青空文庫にて)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/624_14544.html
例としては山月記は適切ではないが、人は自分が努力した結果をダイレクトに求めようとする。
だが、独善的過ぎてすでに外界に通じるような社交性を持った技術が乏しい人間は数多くいる。
学生生活はすべてテストで評価されたし、それ以外の素質はスポーツの評価を除いて、ほぼ人生には関係ないレベルで評価される。
(人間性や趣味や性格などの類)
社会に出たってたいした変化はないし、結果が出なければ、結果を出せなければすぐ無能扱いされる。
その癖がつきすぎてしまう。
そういう当たり前の世界を拒絶しても、僕らは世界を変えられないし、僕らの世界は変わらない。

さて、行動、即結果という意識は誰しもあると思う。
経験の乏しい人間は、あらゆる行動の先にはイレギュラーなど存在しないくらいの勢いで、行動と結果は直接繋がるのだという意識を少なからず持っている。
あらゆるメディアやお話や本は、努力すればなんとかなるということを謳いあげている。
実に、うそぶきすぎていて罪な事だと思う。
彼らは他人の夢を煽って金を稼いでいる。
夢に向かう間に存在する困難を、享受するための理不尽さへの耐性は学校では教えてくれない。

私は怠惰だから、人の気持ちの緩みや弱さやコンプレックスが、体よりも口を数多く動かそうとすることをしっている。
そして語彙の貧困なものは、表現する手段を簡略化して、すべての感情を暴力的な言葉に昇華したり、調べもしない裏づけすらもない想像で物事を断定的に、かつ安易に吐き捨てて知ったような気持ちになることをしっている。
私も油断すれば、そうなるから。

幸いにも私の知り合いの中には、私よりもはるかに優れた人がいて、私などは足元のも及ばないレベルの人たちがいる。
その人たちの知識や立ち振る舞いを見て、なんと自分は愚かなのだろう、この程度で結果を求めるなど夢を見るにもほどがあるとも思う。
だが一方で、彼らが気がついていないうまい方法が存在するのではないかとも思う。
彼らの道を歩むことはできないし、彼らのやり方をそっくりそのまま真似たとしても思考が停止しすぎている。

昔は鼻高々で周囲を馬鹿にしていたが、散々全力で作ったものが否定され、鼻っ柱など陥没するほどに折られまくり、自分の限界も知らされた。
そうしてようやく等身大の自分を見ることができたが、昔は自分を盛りすぎて考えていたし、まるで観客がリングの選手に口を出すような偉さで自分を考えていた。
それは大きな間違いだった。

芸の世界はお金になりにくい世界だと言っていい。
お金にするための努力がどれだけ必要なのか、儲けている連中ばかり見ている人は気がつかないし、消費者ともなれば、こちらの内情が見えないだけに相当辛らつだ。
そして、直接的な評価など、相当のレベルにならないとまずされないし、そして、思ったような対価は得ることはできない。

努力は、人の縁が、人の輪があってこそ初めて生かされると最近気がついたが、努力は報われるという言葉が独り歩きすしぎて、それこそテストを受けるような感覚で直接努力の成果が手に入るのだと思い込んでいる人が多いことに気がついた。
実はその中の一人だったのでよくわかるのだけれどね。
人をないがしろにするような人間は、自分と感覚が合わない人間を排除するような人間は、実力があってもチャンスを逃す。
そんな当たり前のことにすら、充分教えられない。
自分は教えられなかった。

そして漠然と結果というものは「不特定多数の人に評価されること」と考えているのだろうが、実は身近な縁を大事にすることから始まる。
自分の望むものがあったとして、それを繋いでいくのは、すべて他人の力だ。
現代社会はシステム化されすぎていて、システムを「常識」として受け入れているので、その他力の力になかなか気がつくことができないが、どう取り繕っても根っこはそこにある。
心を売らず体を売らず魂を捨てず、人の声をよく聞き、人の良さをよく褒め、自分の長所で人に与えることのできる人間になれれば、結果はおのずとついてくる。
そしてその結果を繋いでいくものは、今自分を応援してくれている人たちと、そしてもっと上の次元にいる、足元にも及ばない人たちだ。

より高次元の実力者たちの支援を得るには、まず腰を落ち着け、自分よりも優れた人間を心から認めることから始まっていきます。
そうすれば、そう簡単に結果を焦るような気持ちは消える。
自分の立ち振る舞いのみならず、考え方そのものも、「井の中の蛙」であることを常に意識することで、多くの人に教えを乞うことが出来るであろう。
すると縁と知恵と生き方をも学ぶことができるのだから、結果に繋がる大きな布石を敷くことができるのだ。


追伸:私信ですが、ソフィーヤさんありがとう。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みますが光野(こうや)とか朝風(=はやぶさ)でもよろしゅうございます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。自分でも困るほどの「皮肉屋」で「天邪鬼」。つまり「曲者」です。

2011年より声劇ギルド「ZeroKelvin」主催しております。
声でのドラマを通して様々な表現方法を模索しています。
生放送などもニコニコ動画でしておりますので、ご興味のある方はぜひこちらへ。
http://com.nicovideo.jp/community/co2011708

自己プロファイリング:
かに座の性質を大きく受け継いでいるせいか基本は「防御型」人間。自己犠牲型。他人の役に立つことに最も生きがいを覚える。進む時は必ず後退時条件、及び補給線を確保する。ゆえに博打を打つことはまずない。占星術では2つの星の影響を強く受けている。芸術、特に文筆系分野に関する影響が強い。冗談か本気かわからない発言多し。気弱ゆえに大言壮語多し。不安の裏返し。広言して自らを追い詰めてやるタイプ。

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