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あさかぜさんは見た

日記

10/03

Mon

2011

多くの人にとって「幸せ」の感覚は「充足感」にあると思う。
そして「充足感」とは「欲望」と非常に結びつきやすいので、自己の欲望・願望を満たされている状態を「幸せ」と考える人が多いのではないかと思ったりする。

母親に「笑ったらえくぼあるんだね」と言われた。
私はないと思っているけれど、「初めて見た」と言われた。
30年以上もいて、私も初めて言われた。
私はその時つい言ってしまった。
「それだけ笑いあわない家族だったんだよ」と笑いながら。

その後、幸せとは何かを考えた。
どんなに満たされていようと、笑えなくなったら不幸なのではないかなと思った。
どんなに物質的に満たされていても、他人から恵まれていると言われようとも、乾いた笑い、蔑む笑い、人を馬鹿にした笑い、などなど、どこか「犠牲」を伴う笑い、難しいが、とにかく笑った後に孤独感を得たり、何か他のもので補わなければならない笑いなど、本当は不幸でしかなくて、ただ幸せなのだと思い込みたいだけではないのだろうか。
その意味では「ストレスを発散させるためだけに笑う」というのも負の側面を持ちやすい。

幸せに笑いあうこと。
これはどういうことなのか、時折振り返って考えることがある。

最近気がついたことがあって、渇望しあっているものは互いに奪い合うということがわかった。
これは充足感がないから与えるものが既に見せ掛けで、与えるよりも奪うことに重点を置いているから、隙あらば、いや、通常の状態でさえ、何かを奪い合って、黙っていればいずれ枯渇してしまうという状態を招く。
豊かではないから、足りないものを奪い合うしかなくなってしまう。
物質的に恵まれていても「貧困」があるのだとしたら、この「心の貧困」から来る「物質の奪い合い」だろう。
だから金を奪い合ったり、システムの中で搾取を行ったりしても、平気でいられる神経が出来上がったりするのではないだろうか。
いやいや、こういうことに答えを出すにはまだ浅はか過ぎる。

少なくとも家族において、小さな集団において、幸せとは何かと問われれば、心底笑いあえるということなのではないだろうか。
先日、マンションの住人が創作物を持ち寄って個展を開いた。
1階のスペースを使ったのだが、ほとんどが60~80の人たち。
打ち上げに参加したが自分だけが若くてほとんどはその世代。
隣人を知り合うことは防災にも繋がるというコンセプトでやったことだったらしいのだが、打ち上げで酒を飲みくだらない話で笑いあっている姿を見ると、ああ自分の苦労などこの人たちから比べれば本当にちっぽけなものなのだろうな、と感じた。
それだけ心から笑いあって楽しんでいて、晩年をやりたいように過ごしているという印象を受けた。
よい、年のとり方を見たような気がした。

自分は誰かを幸せに笑わせられるだろうかと考える。
世の中は別の理屈で動いているかもしれない。
だけれど集団や世界の理屈よりも、個人がいかに笑え、その幸福を個人が分け与えることができるのか。
これが豊かな集団を作るために最低限担保しなければいけないことのように思ったのだ。

あなたは誰かの心から笑った姿を、見たことがありますか?
そう問いかけたくなる気持ちすらももった。
私たちは、たった一ヶ月でさえ、誰かを蔑まずに過ごすということができないのではないだろうか。
いや、少なくとも私はよくよく反省したい。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。

気が付いたら他人からとても褒められる娘ができまして、人生が大きく変わりました。
この小さな可能性と向き合うため頑張って生きております。

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