愛情とはなんだろう。
言葉の定義なんてどうでもいいと感じる時がある。
自分で行動し、苦しみを味わい、そして体からにじみ出た時に愛を説けばいい。
自分は嫉妬深い人間だと知っている。
昔は自分を制御できなくて多くの人を傷つけた。
今でも、そう。
「どうして自分の気持ちをわかってくれないんだ」
「こいつは俺のことを愛しているんじゃないのか?」
愛に飢えた人間が、「裏切られた」と感じた時、狂犬のように噛み付いて傷つけているにすぎなかった。
昔、こんな女がいた。
「お前が勝手にやってるだけじゃん」
それは、自分の一方的な気持ちで相手に尽くしていっただけだったが、その人には外見上の好みから嫌われていた。
「私は私のしたいことをしているだけ。お前に迷惑かけているわけじゃない。お前が勝手に私にかまっているだけじゃん」
要約すれば、このようになる。
時々出会う。
自分をうまく認識していないせいで、視野が一方的に開け、自分が何をしているのかわからない人。
行動と結果、行動と因果、他者の苦しみと行く先。
自分の気持ちが先立ちすぎて、他者の思いをうまくくみとれない人。
思いに対して、真正面から受け止め切れない人。
自分がどんな思いに支えられてここにいるのか、自分がどうして人にそう思われなければいけないのか、それがわからない人は常にどこかで失敗しているし、失敗していく。
例えば、相手が「こんなこと誰でもわかるだろ」と呆れるような行為をしていく。
でも、自分がもしその人のことを好きになったら、「誰がこの人に教えてやれるのか」と思う。
「教えてやらねばならない」と。
しかし、激しい動悸がする。
嫉妬の感情に息切れと冷や汗まででる。
理性や考えとしてはわかっても、心が体が勝手に反応して抉れていくような痛みを覚える。
相手が幸せそうにしているのを感じるたびに心が激しく震えて血が流れる。
嘘をついてでも、守らなければならないものがあると、この痛みなんて、これから先のその人の幸せに比べれば、たいしたことはないのだと。
そういう思いがあっても条件反射のようにして体がいうことをきかない。
本当に苦しい。
本当に苦しい。
正直助けてほしいと思う。
しかしやらなきゃいけないと思う。
たった一人だけでも、自分の感情や心の作用に負けて痛めつけなかったのだと、幸せを大事に見守れたのだと、自分に言いたいから。
それが全部終わったら、もうその人に対する気力をすべて使いきった状態になるだろう。
全力でやったと、やれたと、もう、きっと思い残すことはなくなるだろう。
それまでは、私がかつて「家族ではない他人」から「本気で愛された」ように、私もその人を愛していこうと思う。
PS
あなたは「相手の思いを受け止める」と、そのうえで「みんなに迷惑がかかるのなら、辞めます」と言いました。
でも、それは「あなたがそこにいるから平気で言えたこと」なのです。
私はそのようなことを考えてはいけない立場なのです。
どうして自分が平気でそのようなことを考えられたのか、よく考えてほしい。
人の思いをすべて余さず受け止めることは難しい。
いえ、不可能です。
「思いをくみとること」と
「思いを理解すること」は違います。
思いを理解なんてしなくていいのです。
理解なんてできるわけないのだから。
でもせめて、思いをくみとってほしい。
「人の思いをくみとる」とは、人の思い通りになること、人の気持ちを発散させることとは次元が違います。
だからこそ相互の意思疎通が不可能になったり喧嘩になったりするのですが、「思いをくみとろうとする」という苦しみが、どうしても足りず、他人に見えず、自分本位に見えがちな欠点があります。
あなたには、それが少しわかっていないようです。
あなたは自分と同じ目線や立場で物事を見ます。
そして、一生懸命悩みます。
最初はそれでいいでしょう。
しかし、いつまでもそれではいけません。
「人の思いをくみとる」には、立場も考え方も価値観もまったく違う人のことを一生懸命想像しなければいけません。
例えば、私は健康です。
あなたは、体に疾患を抱えている。
幸せになりたいと思っているし、楽しみや喜びを感じて体を追い詰めることは避けたいと思っているはずです。
私はあなたの痛みを理解することはできません。
体験すらもおそらくできないでしょう。
しかし私には私の立場の今の苦しみがある。
あなたに私の苦しみを打ち明けた時、あなたは崩れましたね。
私はあなたの苦しみを一生懸命くみとりたいと思っています。
泉の水を手ですくうように、すべてをくみとるには難があります。
でも、何度も何度も水をすくっていきたいと思っています。
こんな二人が「気持ちをくみあう」にはどうすればよいのか。
あなたはもう少しだけ、このことをよく考える必要があります。
そして得たものを、生かしていってほしい。
もっともっと幸せを掴んでほしいと思います。
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