心の傷が癒える、というのはきっと嘘に違いない。
自分が高校生の時、後輩にPTSDを持った子がいた。
両親を事故でなくした女の子で、明るく活発だった。
よく知っている後輩で、家庭科の先生がもらしていたのは、
「あの子、ミシンの音ダメなのよ」
痙攣を起こして倒れる、ということらしかった。
引き金となる「条件」があり、心が反応する。
自分も今はその「条件」が揃うと、勝手に動悸がし、発汗し、全身の血の気が引いていく。
いくら頭で制御しようと体だけが暴走する。
色々恋では傷ついたが、昔似たようなことに出会った。
あの時も、歩くのに多少めまいを覚えるほどの衝撃を受けた。
心はどこかで傷を覚えている。
二度目、三度目と、であったからといって、深い傷に強くなれるわけではない。
強くなれないかわりに、その傷との向き合い方を学ぶ。
だから強くなっているようでも、意味は少し違う。
昔、精神的に辛い時期があった。
誰に話しても自分の状況を理解してもらえない。
焦りだけが募って、できない自分に自己嫌悪していた。
その時、たった一人だけ、助けてくれた人がいた。
赤の他人なのに、献身的に尽くしてくれた。
自分も辛い状況であるにも関らず、尽くしてくれた。
自分が辛い時こそ、人に本当の優しさを向ける。
人へきちんと目を背けず、手を貸す。
きっとこれからも自分はそうしていく。
その中で、ひとつ、またひとつと傷を背負う。
傷を背負うかもしれない、ではなく、必ず背負う。
「なぜ、見返りのないことをするのか」
「自分が助けられたから」
そして自分が誰かを助けた人で、またその人も同じように思ってくれたら、きっと少しずつ広がっていくと思っている。
傷と向き合うことをもっと覚えなければいけない。
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