そもそも、なのだがこのことは素直にある人にも話したのだが、本来という言い方も変だが自分の人生設計では40代で死ぬつもりでいた。
単純にとにかく生きることが辛かった。
まず家族というものから始まり人間社会を経験して地獄そのものように感じていたし若さや浅はかさを馬鹿にされ、年齢を重ねるメリットをまったく感じられず、ましてや「常識」というものは「他人と共有したい安心材料」のようなものにしか思っていないから企業の面接なぞ、こりゃ落ちるよなと正直に答えて落ちますから私のような社会不適合者は「もういいよ」「死んでも社会の損失にならん」なんて考え方になるんですよね。
そんなネガティブ思考満載な自分にも「辛い」「もういい」「死にたいな」と伝えると「正直そんな言葉聞くのもキツイよ」とか、何よりも「一緒に死ぬ?」なんて言ってくれるような嫁ができまして、あの、他の方からはとても理解しがたいような関係なのですけれど、この人本気で言ってるなって思うところがあって、それでようやく「こんな人死なせたくないな」と利己的なところから覚めていくわけです。
たまに不思議な気持ちになるんです。
――夢なのではないか。
本当に結婚しているのだろうか。
自分も嫁のことは恐らく地球上でかなり理解をしている部類に入ると感じているので両者ともに必要不可欠な存在になっているのではとは感じているのです。
互いに必要だから通常ならとっくに壊れているものが維持できていると考えています。
「家族」というものは「親のエゴを子供にぶつけるもの」のように感じていましたし、何よりも自分が人として歪んでいることを20代後半ぐらいからようやくわかってきていたため、こんな自分に子供ができるのも自分のように「不幸だと感じている人間」を増やすだけだと常々思っており、嫁の「子供欲しい」にも抵抗し続けていたという経緯があります。
それでも子供ができてこの1年間は看護師知識豊富な嫁に殺されるのではないかと思うほど対立し知識不足におけるミスを指摘され精神を病み、アル中具合が進んで元々ダメ人間な自分に愛想をつかす手前ぐらいで娘を育児してくれていました。
そして1年。
瞬間においては長く苦痛に感じることはありましたが、毎日が必死で1年はかなり短く濃密に過ぎていきました。
1歳。
この子の反応はとても優れているように感じています。
この1年試していましたが子守歌では、まずアコーディオン、ピアソラのリベルタンゴは鉄板になりました。
私はプロレス見ていましたが、小橋建太のノアの入場曲「GRAND SWORD」で産まれた直後から、この曲で眠る子でした。
私にとっては非常に思い入れが深い曲で21世紀になる前から知っている小橋選手、ジャイアント馬場の全日本プロレスの4天王の1人の時代から全日本プロレス離脱の三沢ノア立ち上げからヘビー級王座「絶対王者」と言われ私の感覚では「リアル北斗の拳」「相手の技を受けて受けてそして勝つ」というプロレスラーの伝説的選手であり、そして腎臓癌からの生還。
復帰後の2007年12月2日歴史に残るアナウンサー実況。
負けました。タッグ戦。腎臓片方摘出した後アスリートをした人間を主治医曰く「前例がない」とのこと。
矢島学プロレス実況が小橋3カウント負けにも関わらず
「小橋が勝ちました! 腎臓癌に勝ちました!」
の熱すぎるアナウンス。
今も涙が止まらないほど思い入れの深い曲で娘が子守歌で成り立ってる。激しい曲なのに。
携帯電話を背中に当てて曲に合わせてパパリズムでゆらゆら揺らすということをやっておりますが、眠りの深入りまでは浅く、その後ピアソラを入れていくことをやっており、他に何かないかとカラヤン等組み合わせていましたがカラヤンでは当たり外れが多く、もしかしたら西本智実指揮者のオーケストラではどうかと「新世界より」を聞かせたらヒット。眠るまで20分以上は要するからね。
聞かせてみて気が付きましたが、西本智実さんは男性では出せないような包み込むような攻撃的音を操っていると娘ができてからわかりました。
男性ではやはりできないんですね。
攻めつつ抱くってことは。
前置きは長くなりましたし、もうここまで読んでいる方もいないと思いますので、本題に入ります。
12月7日、娘が1歳を迎えました。
2042gという未熟児で産まれ先月末の検診で「2か月遅れながら」と小児麻痺等の疑い晴れた娘の誕生日にカードを並べ選んだカードにより将来を占うような儀式がありました。
自分知らなかったんですけどイベント事としては有名なようです。
3コインズで嫁が買ってきたプラスチックのカードがあり、どれを選ぶかで将来を占うということをやりました。
私が店頭で立ち読みし、あまりに当たりすぎていて笑ってしまった(人間あまりにも射抜かれて図星突かれると笑う法則)占星術の本では娘の素質は火(私は水)であり、職業では作家、スポークスマン、教育、法律、学術研究、政治、営業、販促……自己表現力があるのなら音楽、美術、芸術。
嫁は現実主義的側面が強いので、もし芸術関係、感性の部類になってくるのであれば自分しか教えられる人間がいない。
ましてや「いるだけで褒められる存在」がこの先、いや、親馬鹿ではないとは思っているが(子供を持つことを最後まで嫁に抵抗していた)、このような存在、そして反応を見て「自分のような存在に麒麟児が生まれたか」とさえ感じ、その直感的感覚をまだ崩せていないのでこの日本を代表する存在をそのまま日本の歴史に残る人間として送り出すため自分は生き残ろうと思っております。
さて、カードの話に戻りますが、彼女が選ぶ……と言う表現は変なのですが目の前に伏せたプラスチックカードに向かって正面嫁に向かって選んでくださーいって進んで行った結果は選んだわけではなく嫁に猪突猛進してカード1枚だけ前方に飛ばし、嫁に触れつつ「これ何?」的に掴んだものが「art」のカードだった。
芸術関係への暗示を示すカード。
そうかい。
貴女は私の元に来るべくして来た人なのか。
死んでしまいたいなんて言えなくなっちゃったな。
政治家や弁護士にはさせられる能力はないけどこの日本中の中で「感性」という分野を伝えられるのは自分ぐらいしかいない。
パパ以外の人を探すのも骨が折れるから、やっぱり自分が教える。
「子供は自由だ」なんて嘘だ。
そんな幻想を抱いている親がいるのなら、そもそも「自分の癖」を他人に言えるのか。
親に癖があるならもう子供は自由じゃないよ。
娘は年に億を稼げる稀有な存在になる可能性がある。
そうならなかったらいいんだけどね、ネットミームになる前に色々なリスクと技術を教える必要がある。
カードをシャッフルし、自分のものも選んでもらったというか「次パパの選んでもらいなよ」という嫁の進言で娘が選んだもの。
2枚選んだ。
最初に選んだもの。
「Business」
もう一つ片手に持っていたもの。
「Book」
……そうかい。
わかったよ。
ちゃんと「作家をやれ」ってことなんだな。
きちんと金にできるように小説をやれよと、自分の娘を通じても天は伝えてくるんだな。
うるせぇな。
死なせてくれよ。
でも、そこまで言われるのか。
本当にもう、なんてことだ。
魂死にかけの自分にそこまで言うのか。
神の手の平で踊る人間は、まだ道を外れていないということか。
嫌な気分だよ。
本当にな。
ならば、やるだけだな。
眠らせているものを書き起こすだけだから。
ただ、体のメンテナンスの具体的な方法を重ねて人間の肉体の扱い方をより実践的に呼び起こさなければ、50になる前に死んでしまうから少し時間がかかるな。
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