私が知る限りでは、資本主義社会における成功法則を世界で最初に打ち立てることができたのは、アンドリュー・カーネギーの依頼を受けて「成功法則」を完成させたナポレオン・ヒルだろう。
その「成功法則」にも、この本にも特に難しいことが書いているわけではない。
特にこの2冊の本は、すぐにでもできる簡単なことが書かれている。
一番最初にナポレオン・ヒルの本を読んだ時、精神的にとても辛い時だった。
行動することそのものに対してとても苦痛を感じ、長続きせず挫折し、余計にネガティブになっていて、当時の私にとっては「自分をダメにする本」だった。
というのは、すべての行動の前段階となっているのは「精神」であって、肉体ではない。
その精神がボロボロであるならば、精神の癒しが必要なのだ。
精神がある程度ちゃんとしていなければ行動するだけで精神が痛めつけられる。
だから精神の癒しには、ネガティブなものを遠ざけていく必要性がある。
つまりそれは自分の言葉であったり、他人の存在であったり、ネガティブにさせる対象であったりする。
その環境を完璧に用意することは非常に困難だが、減らすことはできる。
そして、大事なことは自分の小さな「成果」を絶対に否定しないことだ。
日本人は完璧なものを要求するふしがあり、それは「成果」や「評価」や「対比」であったりする。
そしてあらゆる基準で自分を見られ、その基準に当てはめて自分の人間性まで自己評価しがちだ。
しかしこれは間違いなのである。
当然「社会の評価」は生活というものにも関わってくるし、この「他人の目」や「評価」という呪縛は、平均から劣っている人間にとっては苦痛だし恐ろしく重苦しく、酷くなれば生きている意味すらも否定してしまうほど強い。
この呪縛を取り払うには非常に時間がかかるが、「評価」というものは「ある一定の”審査基準”に当てはめて見られるもの」であり、当然「将来の自分」でもないし、「自分が持っているすべて」でもない。
ここに「呪縛」から逃れるチャンスがある。
つまり通常人の思考はこの呪縛の中に入ると「相手が設定した基準の中で努力しようと行動しだす」ものだが、呪縛が解けると「評価ではくくることのできない自分」を高めようとすることができる。
そしてそこまでいきつくことができれば、後は小さな積み重ねを徹底的に視覚化し、声に出して褒め、他人の評価を受け流しながら自分の魅力や長所をとことん伸ばしていくことができる。
しかし、会社組織で働いていると、必ず「評価」を口に出し、優劣をつけられ、ネガティブな思考を植えつけられがちだ。
会社人にとって時間は「流れているもの」ではない。
「区切られているもの」だ。
だから会社人にとって一番大事な考え方は自分の時間をいかに区切って整理していくかにかかっていると思う。
これは色分けして視覚化していくとすむことだが、大事なポイントは「完璧主義」に決してならないことだ。
無理の無い計画と時間の融通性、小さく見積もって±10、多く見積もって±20ぐらいの時間の融通は欲しい。
融通性は計画にも欲しい。
一日の計画として、これもやはり完璧主義になるのではなく、自由にプランを足したり引いたりできるとよい。
私はここ最近は自分でできたプランには金色のマジックでできた内容をカレンダーなどに書いている。
それがたくさんできると結構圧巻だ。
私は計画を立てるとその通りにできず、逆に落ち込むので曖昧にしか計画は立てない。
私にとってはこの「曖昧さ」がちょうどいいのだ。
この本を読んでみて気がついたのは、昔はやることでさえ苦痛であったのが今は半分くらいは自然にやっていた。
どうしてだろうと考えたのだが、無理をせずに自分の現状を徹底肯定していたからだった。
まず他人の評価、自分の実績、これらの「評価」に値するものをすべて頭の中から取っ払った。
そして自分の環境、レベル、実行したいもの、足りないもの、などを冷静に分析しだしているのかもしれない。
最も変化してきているのは、苦痛だった「行動」に喜びを少しずつだが見出せるようになってきていることだろうか。
行動することにおいて「快」の感情はとても大事だ。
だからこそ小さな成果には他人のことなどおかまいなしに、一人でそっと自画自賛してあげればいいのだ。
そんな「小さな違い」を見つけてあげることができるのも自分しかいない。
他人は「大きな変化」しかわからないものだ。
日本人の多くは「失敗」を「取り返しのつかないもの」として考えがちだが、「失敗」こそ「英知」なのだ。
この失敗に対する反省を繰り返して人は大きなものへと近づいていく。
失敗以上に優れた師匠はいないのに、この失敗をネガティブに捉えるとは、とても残念なことだと今の私なら思う。
特にこの手の失敗を悪く言う人間は「破壊者」でもあるので付き合いは考えたほうがいい。
失敗は自分だけにしかできない貴重な体験だ。
失敗を恐れず、どんどん行動していくことこそ、自らの人間性が輝いてくるものと私は信じている。
あなたが若ければ若い方がいい。
「評価」という呪縛から自分を解き放ち、より輝く人間になるべきだ。
そして良い人間とは、他人を生かすことのできる人間になるということだ。
あなた自身が他人を殺す「破壊者」に進んでなってしまってはいけない。
人を生かすことこそ、最も素晴らしい経験と人間性であると私は信じている。
一緒に頑張ろう。
P.S.
自信ってのは根拠がなくちゃ役に立たない。
その根拠は最初は他人の評価に頼らない根拠でなくてはいけない。
この根拠を客観的に列挙できるようになろう。
そうすればあなたは誰も知らない強みを得たことになる。
次はどうすればそれが活用できるのか、武器として、防具として役に立つのか考えよう。
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