長らく行ってみたかった、いわた書店へ行ってきた。旭川と札幌の真ん中辺り、美唄市よりも北へいく。
そこへ、個人の書店としては全国的に有名になった本屋さんが、こちらのお店。
何故個人の書店なのに全国的に有名になったのか。
それは「一万円選書」という、今は何ヵ月待ちという、この書店ならではの企画にある。
店主の身近な人からの「一万円で俺の本を選んでくれ」から繋がった選書企画。
その企画は独自のアンケートを取り、その人の人生や思いに寄り添った本を選んで送るというもの。
本の好きではない人も、本好きな人も、まるで占い師に人生を聞くような気持ちになる。
店内をまわり、少し怖いなと思ったのは、買った本で自分の精神が透けて見えるような気がしてしまったことだ。
そんな気持ちを持った本屋さんは生まれて初めてで「何をどう選んでも、これは全部面白いだろうし、今の自分がわかるんだろうな」という品揃え。
2階もあるようだったが店は1階のみ。スペースの関係もあり珍しい本がずらっと並ぶというより、新旧手堅く面白い本を並べているという印象を強く持った。
本を知っていたとしても、スポーツで言うなら、どのような配置で主力メンバーを組むか。
そんな監督の采配をスポーツファンのように吟味できる、本当に面白い書店だった。
結局一時間ほど本棚をじっくり眺めて、一万円ほどの本を選び店主の待つレジに行くと「一時間くらいいたよね」「本屋に長く居てくれるのが一番嬉しい」とテレビで見た通りの優しい感じ、柔らかな感じ、どこか毒を持ってそうだけど薬に変えてしまうような柔軟さ、レジ前のやり取りだけでも、いや、選んだ本はこれだと、心をさらけ出すような緊張からの安らぎのような、救いのような一瞬。
隅々まで店主の思いが行き渡っている書店。
テレビでは知っていたけれど、声がいいんだ。養老孟司さんみたいな、じわじわ語りかけてくるような、弱くもなく強くもないのに波のように押してくる感じ。
店内にもツーショットの写真があったが、おや?雰囲気も顔立ちも少し似たようなところがある。
声はいいなと思っていたし、なんせテレビに映った通りの人だったというのも驚いたし、こんなに自分の心の鏡のような本屋も初めてだった。今の自分だったらどうするのか。自分に問いかけられる。
また、暇を見つけたら行きたい。
行きに緑の建物に「らーめん」と書かれた建物を見つけ「なんでま緑なの?」と調べると美味しいラーメン屋らしい。
しかも前は真っ赤だったらしい。
なんで真っ赤からま緑やねん! と突っ込みたくなる店だったが開店時間ではなく、美唄を通ったのでせっかくだから美唄焼鳥を食べに。
正直札幌で食べた美唄焼鳥がいくつかあったけれど美味しいとは思わなかった。
今回は本場の老舗へ。
美唄焼鳥は内臓系を鳥串に入れていくのが特徴。
だからこそ鮮度が少しでも悪いと臭みが目立って不味かったのかもしれない。
そこで食べた美唄焼鳥はなんの臭みもなく物凄く美味しかった。
現地で生の経験せず、何かを知った気になるなと思い知らされた。
心も体もまんぷくな1日を過ごせた。
P.S.
最近は本の名前書いてないレシート多いけど、いわた書店はしっかり書いてある。
大阪の書店が集まって作ったレジシステムだそうで、愛情たっぷりですね。
[3回]
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