「娘が産まれてきた時幸せだとか感じなかった?」
「いや? 別に」
ただ自分の中で「他人が家の中に一人増える。いつ嫌われるかわからない」
という気持ちがあった。
しかしながら「魂の傷がいかに人生一生に影を落とすか」を知っている人間として、せめて子供には傷を追わせたくはないと思っている。
そしてこの私という人間に対して深い理解を寄せようとする彼女のために彼女のことを大事にしたい。
「時折感じることがある。たった一日で人間の心をどうやったら破壊できるのか知っている。その割には育むことは何年も必要になる。割に合わないからやらないんだよ」
「もし、それをやったら離婚届出すね」
「わかった」
子供が産まれて幸せな気持ちに包まれない親なんてDVまっしぐらなコースが通常なのだろうが、私は私のことを理解していて可能な限り自分に嘘をつかない人生を守り続けている。
私小説を書いた時に「取り繕おうとする自分」を感じ、いかに素直に生きることが難しいのかを感じた。
そして魂に対して寄り添うことも同時に難しいのかを感じた。
尚の事他人に対してならば、ということになる。
何故壊すのは簡単なのに創るのは苦しいのか。創ることを少なくとも知っているから壊す時は自分がその場で己を破壊する時なのだろう。
「君も人の子だったんだねぇ」
ウイスキーバーの店主に結婚届けの用紙にサインしてもらったけれど、ある意味嬉しかった。
こいつは異常だぞと感じてくれても相手してくれてたんだから。
「いうても妖怪の類ですけれどね」
もう、わかっている。
知り合って今もコメントくれる人はいるけど少なくとも外見だけ見るような人ではなく、それでもなお互いに立っている場所から話しかけてくれる人達なのだと。
独自の嗅覚のみで人を選んで生きてきた。
まず人間としておかしいのだから世間一般の普通の人たちは避けてきた。
面白く話すことはできるかもしれないけどそれまでだから。
2022年は娘の追いうんちに終わり2023年は娘のギャン泣きに始まった。
子育ては千差万別ながら父親の育休は絶対にあったほうがいいと感じた。
期間は最低3ヶ月。
夜泣きも始まり休みの日は自分が深夜担当になっているが、泣かなければそれにこしたことはないが、今日泣くかどうかは賽の目を振るに等しい。
だから手のかかる子は見守り担当が必要になる。
娘の瞳を見ていると不思議な気持ちになる。
色素が薄いのか光の加減によっては若干シルバーのように見える。
まるで宇宙を見ている錯覚さえ覚える。
心のことをミクロコスモス(小宇宙)等と例えたりするが、もうこの小さな命の中に宇宙が宿っているのだと感じている。
人間はこの宇宙を己の感性によって狭めていき規格品を社会に送っている。
さもながら私は社会に出て大変苦労したのは礼儀を全く知らなかったので大変な摩擦を起こし、目をつけられ攻撃の対象になった。
社会を生きるために最低限上手く生きられるように躾は私も学んでいかなければいけない。
それでも人は娘を攻撃するかもしれない。
善意を向けても器がなければ受け取れない。
人間の汚さから美しいところまで満遍なく伝えられればいい。
虚飾の世界に溺れずハリボテを見抜く力は教えなければいけない。
私もそうであるが他の人間も恐ろしい妖怪を住まわせているのかもしれないのだから。
あけましておめでとう。
私は貴女に目に見えない世界と目に見える世界を教えるために魂の存在と防御の方法を教えていく。
どんな理屈も魂を潰されたら歩き出すまで10年20年平気でかかったりし、魂の傷を背負った瞬間から孤独になり他者に通じなくなるから、これからの時代の変革、そして新たな戦後に成人する貴女の魂に対し敬意を評しながら私は接しよう。
ありがとう。
新たな無垢な才能を持つ娘よ。
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