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あさかぜさんは見た

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04/26

Fri

2024

嫁の誕生日と結婚記念日

そもそも嫁は29で死んでいたはずだった。
霊媒師体質の実の母親から「あなたは29歳で死ぬ」と言われていたらしい。
毎年誕生日が来るわけだが、そのたびに「勝利宣言」を自分の中でしている。
「彼女の運命に勝ったぞ。この俺のおかげだ」
と。
だって自分くらいしかいないじゃないか。
彼女の運命に大きな変化を与えたのは。
29歳の時には少しドキドキしながら過ごしていたけれど30歳になってからは、ほくそ笑んだ。
勝った。
素直にそう感じた。
何か努力したわけじゃない。
日々の生活、家事、旅の提案を大事にした。
伊達から旭川まで3日で1000km以上を走破することもした。
ある冬の日「流氷見たことある? 見に行こう」と連れ出し流氷を見た日がバレンタインデーだったこともある。
その時は釧路から北広島まで帰るのに帯広でインデアンカレーを食べたのを含めて8時間くらいかかった気がする。
今日夕日絶対きれいだよ、と岩内まで言って美しい海岸線の夕日を眺めたこともある。
そういう時間達が今の「家族」というものを支える根源になっているのかもしれない。
娘が産まれてからの1年間が本当に大変だった。
そんな自分たちも結婚記念日を迎えた。
節目とも言える年になったから、さすがに何かしようかと思いホテルでランチをした。
午前は車の中でうんこの話になり「うんこの話で盛り上がって午前終わりたくない」と言ったのに、深夜に食った豚骨のインスタントラーメンが古かったせいか、午後に出す自分の屁はとても臭く、屁をするたびに嫁がひたすら仰ぐという、どうにもうちららしいというか、なんというか、他の人だったら逃げ出してるよな、ということもゲラゲラ笑いあっている。
「色んなことあったよね」
ランチが美味しくてよかったが、色んな事が本当に色々ありすぎて何か絞れず互いに深い会話もできずに終わってしまった。
その日は娘には遠慮してもらった。
2人きりの時間が娘の年齢と同じくらい設けられていなかった。
ああいうこともあった。
こういうこともあった。
本当によく一緒に居られたものだ。
この先のことはわからないけれど、
「またよろしくお願いします」
と、いつもとは違った、とても深い心情で互いに挨拶を交わした。
そこから何か自分の中で何かが変化したような気がする。
世界を感じる感覚が少し違ってきているのを感じる。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
44
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みますが光野(こうや)とか朝風(=はやぶさ)でもよろしゅうございます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。自分でも困るほどの「皮肉屋」で「天邪鬼」。つまり「曲者」です。

2011年より声劇ギルド「ZeroKelvin」主催しております。
声でのドラマを通して様々な表現方法を模索しています。
生放送などもニコニコ動画でしておりますので、ご興味のある方はぜひこちらへ。
http://com.nicovideo.jp/community/co2011708

自己プロファイリング:
かに座の性質を大きく受け継いでいるせいか基本は「防御型」人間。自己犠牲型。他人の役に立つことに最も生きがいを覚える。進む時は必ず後退時条件、及び補給線を確保する。ゆえに博打を打つことはまずない。占星術では2つの星の影響を強く受けている。芸術、特に文筆系分野に関する影響が強い。冗談か本気かわからない発言多し。気弱ゆえに大言壮語多し。不安の裏返し。広言して自らを追い詰めてやるタイプ。

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