自分はかなりの長い時間飲食の世界にいました。
この世界は、偏見でもないとは思うのですが、最近は滅多にいませんが中卒で入ったとか、高卒で調理師専門学校を出て入ったとか、所謂そこからあまり勉強もせずに自ら積極的に学も身につけず、どっぷりとその世界に朝から晩まで働き詰めでやっているという方が少なくありません。
となると、かなり世界観も狭く、技術の世界なので体育会系のピラミッド支配形式になりやすく、理不尽な暴力は上から下へと行きがちな世界だと言えます。
世間的にはワタミの件でだいぶ「飲食業界はブラック」というイメージをもたれておりますが、個人でやらずグループ企業で働いている社員さんなんかは、相当ブラックなのではないかと思っております。
仕込みも含め、プラス、店の営業時間は8時間以上のところがほとんどですし、最近では社員を1店舗につき2人つけるというのは珍しくなってきておりますので、だいたい10時間労働は当たり前、さらには随分前から激安戦争も始まり薄利多売ですので余計に大変なのではないかと思います。
となると、精神も当然疲弊してきますよね。
どこの会社でもそうなのですが、飲食業では露骨に誰かの愚痴や批判が毎日のように繰り広げられておりますし、特に聞くのが和食の業界では変な「お高いプライド意識」もあいまって、怒号、叱責、脅迫、人格否定、酷い時には暴力も「指導」という形を借りて当然のように行われていると聞きますし、私の友達もやられました(包丁の柄で殴られた、木の板で頭を殴られた等)。
トップに立てるような人物というのは人間が出来ていないと立てないものなのですが、そこに行けずに和食崩れの「和食の職人」が世の中にはゴロゴロいます。
例えばあなたの会社にもいらっしゃるかもしれません。
「過去どこどこに所属していたから自分はこれだけの実力がある」という「経歴で実力を示す」人。
経歴だけで実力がその通りだとは限らないのですが、言ってる本人は実力あると思っている。
しかし周囲が見ると「???」と疑問点が多い「肩書きだけの人」は特に、「弱いものを見つけては上からプレッシャーを与える」ことをやりがちですし、間違っている点を指摘されると逆切れします。
特にこの手の人間、上からガツガツやられてきて、ついにはトップに立てなかった人種ですので、今までの恨みつらみのようなものを下のものにやりがちです。
ことあるごとにこのフレーズは繰り返しておりますが、基本的には暴力は常に弱者に向かって水のように移動してきます。
立場であったり、欠点であったり、何か付け入る隙があると、やられるし、やりたくなるものです。
飲食のお客様でもよく見られるのですが「店員に横柄な人」も、精神的な暴力行為だと考えております。
特に若い時などはわからないことが多いのですが、立場が上がってきたり、経験的に知ってることが多くなってくると、他者の気になるところが多くなってくるものです。
自分もそうですし。でもそれって自分への鬱憤の裏返しだったりします。
必要のない批判はいらないとどこかでも書きましたが、さらに理由を見つけました。
飲食の業界見ていると、よくわかるんですが、わりとクズ野郎って一杯います。弱いやつを見つけては暴力行為に及ぶ人。
そんなやつらを批判なりしていたらきりがないわけで、この世の中にも活躍している人の中で欠点のありまくる人は数多くいるわけです。
批判すると自らも苛立ちますし、永遠に続く賽の河原の石積みのようなものです。また鬼が来て崩して積み上げての繰り返し。無駄。
世の中の悪いところを批判するのとは違って、ただの個人攻撃ですからね。たとえその人が目の前から消えても次から次へと来るわけです。
そんなことを繰り返すよりも才能あるものを育てたり、優れたものを素直に褒め称えていって、世の中に紹介していく方がずっと有益じゃないかと思います。
だいたい皆未熟なところから始まりますし、マイナーなところから育てていくのは大変ですけれど、壊していくよりかはずっといい。
弱い立場の人、欠点のある人、そのような人たちに対し決して弱いものいじめにならないように振舞う気持ち、例え上からの理不尽な暴力を受けていたとしても自分で止めようとする強い心があるかどうか。
そういうところに本当の個人の地金が見えてくるのだと思います。
人間聖人君子は不可能なので、不断の心がけとして、ということですね。
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