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あさかぜさんは見た

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05/22

Wed

2013

『インセプション』




久しぶりに映画を見た。
そして、久しぶりによい映画を見た。
題材は「夢」なのだけど、実際は「深層意識」だ。
クリストファー・ノーラン監督というと、最近は「バットマンシリーズ」が有名だけれど、私がこの監督さんの作品を最初に見たのは『インソムニア』か『メメント』あたりだったと思う。
特に『メメント』に関しては10分間しか記憶を維持できなくなった男が妻殺しの犯人を追うというストーリーだけれど編集が10分毎に過去に逆行していくという一風変わった映画だった。
実験的と言うか、まあ、新しいことをやるのだから前衛的とも言えるし、他の人が撮らないような映像を作っていく印象がとても強い。

心理学については、専門的な知識はまだあまりなく、現代心理学がどこまでいっているのか知らない。
基本的には無意識の提唱をフロイトがし、夢に着目しだしたのはユング程度の大雑把な雑学程度でしかないのだけれど、この映画は深層心理を階層化していて、階層が進むほど目が覚めやすくなるという設定だった。
そして「心の中では世界を組み立てられる(例えば建物とか人とか)」が、「上の意識階層で起こっている物理的現象に下の階層が影響を受ける」という世界観だ。
実際面白いのが「無重力空間」というのがあった。
あれどうやったんだろう。
ワイヤーかな、なんてカンフーアクションのやつしか思い浮かばない。

他人の心の中に潜入するのだけれど、複数でも入れる。
しかも相手の心の中に入っていても、主人公の深層意識が影響してくるとか、より強いものは夢の中で具現化される。
この「インセプション」という題名、「inception=初め、発端」という意味がある。
つまり深層意識の発端となっている、基本的なその人間の「アイディア=idea=概念、思想、着想、思いつき、見解、理念」だ。
この「idea」という単語には日本語でパッとイメージするよりもたくさんの意味を内包している。
私たちは結構この深いところにある自らへの着想のようなものを根底にして人生を動かしている。
それは相当意識しなければわからないほど自然にやっているし、他人への見解も実は、この自分への思想が大きく影響している。
この映画ではトラウマの存在が夢の世界へ大きく影響していて、いわゆるトラウマというのは自分の意識では、そう簡単にはどうにかできない厄介なものだ。
トラウマは無意識領域に沈んでいて、どの階層でも出てくる。

私たちの心は自由に世界を構築できる。
それを具現化するには、現実世界でのあらゆる段階を経ていかなければ、なかなかなるようなものではないが、「設計」、つまり「心での具体的なビジョン」がなければ、具現化することは難しいし、さらには「具体的なビジョン」を維持し続けるだけのちょっとした訓練が必要になる。
そうしたいくつかの条件さえクリアできれば、現実で受けるあらゆる障害をはねのけて持続可能な意志を維持することが可能になる。
それはこの映画の中では深層意識の中に「理想世界」を築いていたため、夢と現実の境目がつかなくなるとか、夢の中に取り残された意識は虚無に陥って、二度と現実で動くことはできなくなるというものだった。

最近「心」のことをよく考えているので、この映画への発想は何度か見直して、もっと考えていきたいと思ったほどだ。
何せアクションシーン満載だし、タイムリミットありだし、エンターテイメント映画としてもよく楽しめる。
脚本ももちろん面白い。

深層心理は「錯視・錯覚」も存在しているし、それがたとえ「錯覚」だったとしても心は「本物」として捉える。
その心のトリックは自分で解いていかないといけないし、心の迷路は誰の中にもある。
心の迷路が永遠の葛藤や迷いにならないよう、私たちは辛いものと向き合わなければならない時だってある。

これは久しぶりにお気に入りの映画になった。
嬉しい限り。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みますが光野(こうや)とか朝風(=はやぶさ)でもよろしゅうございます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。自分でも困るほどの「皮肉屋」で「天邪鬼」。つまり「曲者」です。

2011年より声劇ギルド「ZeroKelvin」主催しております。
声でのドラマを通して様々な表現方法を模索しています。
生放送などもニコニコ動画でしておりますので、ご興味のある方はぜひこちらへ。
http://com.nicovideo.jp/community/co2011708

自己プロファイリング:
かに座の性質を大きく受け継いでいるせいか基本は「防御型」人間。自己犠牲型。他人の役に立つことに最も生きがいを覚える。進む時は必ず後退時条件、及び補給線を確保する。ゆえに博打を打つことはまずない。占星術では2つの星の影響を強く受けている。芸術、特に文筆系分野に関する影響が強い。冗談か本気かわからない発言多し。気弱ゆえに大言壮語多し。不安の裏返し。広言して自らを追い詰めてやるタイプ。

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