携帯小説を書くにあたり、何がよいかなと無料で読める『恋空』を参考にしているのだけれど、100ページぐらい読んだところで苛立ちが抑えきれなくなり、深呼吸する。
どうして流行ったのか少し理解できないというか、ヒロくんって最低な男なのに、それを許しているあたり倫理観がないというか、めでたくおさまればそれでいいのかなと思ったり。
結局思春期の子たちの善悪の判断は、個人的な感情の快・不快によって分かれていて、倫理的な善悪など関係ないのだなということに、周囲の大人たちとの関係性の断絶を感じさせる。
つまり、悪いことをすれば咎められるし、未成年とはいえペナルティーは存在する。
大人だって子供の身勝手な独断専行を許さないだろうし、たとえ関わらなかったとしても生活することを考えるなら嫌がおうにも社会と関わっていく。
大人が子供に積極的に関わらず無関心になったから、こんな小説が喜ばれるようになったのかなとも思ったり。
現代版おとぎ話として考えればいいのだろうけれど、もしヒロくん生きていたとしたら二人は厳しい環境にどんどん追い込まれていっただろうと推測される。
というのも、彼女のことだけ大事にして他を大事に出来ないなんて、ちょっと人間的にせこすぎるし、過剰な感情反応が周囲との摩擦を起こし、働いたとしても職場からも追い出される。
自分たちの正しさは周囲の正しさとは限らない。
子供たちの嫌がらせよりも、もっときつい社会的な合法手段で締め出される。
どうしてもこの年になってしまうと、この手のカップルが20代後半になって愚痴まみれになっているところをたくさん拝見してしまうと、よほど女のほうもしっかりしていないと、子供が不幸な道を辿る。
倫理観がしっかりしていない親が子供を育てても、子供は小さいうちは親の行動を正義と思うので、しっかりとした人への対応ができなくなる。
独善的な親の子供が、突然周囲への配慮を欠かさず礼儀もわきまえるなんてことは、あまりない。
お話だけに集中して、世代のことなど考えなければいいのだろうし、読んでいるほうも、そんなこと考えもしないから売れたのだろうけど、極めて個人主義的な小説が迎合されるとなると、これからの子たちって、ねえ、もう今から心配になるし、そんな人には個人的には関わりたくないよ本当に。
最後まで読めないというか、本当に苦痛。
子供の世界って感情の世界で、感情的に納得できるか出来ないかで関係が成り立つけれど、大人の社会って感情なんてほとんど無視されて、もっと現実的な実績で評価される。
その人を知りたければ、その友を見よ。
こんなことわざがあるけれど、周囲の友達もあまり頭のよい人たちではないみたい。
こういう輩を相手にすると、やたらと面倒なことに巻き込まれ、自分がトラブルメーカーだということをすっ飛ばして「悲劇の当事者」のように言い出すから本当に厄介なのです。
私、何度かこの手の人と関わって痛い目にあったので、そんな経験もあってか、読み進めることが苦痛になりました。
大人になってこの小説の男が、結構なダメ男で、小説を読んだ人の中にも、ヒロくんのような男に痛い目にあって目が覚めた人もいるかと思います。
口だけじゃダメだし、勢いだけの行動ではやっていけないし、いつまでも実現不能であれば、やっぱり女としても忍耐の限界が来ます。
むしろ私は数年経った今こそ、小説を読んで「感動した」という人の今の感想を聞きたいですね。
美しい思い出は記憶の中でこそ輝き、美しい憧れは妄想の中でこそ輝きます。
現実は塩辛いよ。
ああ、小説、ぼちぼち書き進んでいます。
自分にとって、最後のチャンスかなと思っているので気合入れています。
結局文体に迷いましたが、詩文調を意識して徹底して書いていきたいと思います。
10月までの完成を目指しますのでよろしくお願いします。
色々とすさまじい話ではありますが、それでも生きようとしている姿に心打たれましたよ。
『
朝凪は、鳴かない』
[1回]
PR