乱交やヤクでらりっていたり、暴力的だったりするけれど、初めてすべて通して読んでみて、登場人物がこれだけ爆発的に力を消耗しているのに、なんてみんな孤独なんだろうと感じた。
まるで大音量の中にありながら個々が静寂の中にいるようで、個人が好き勝手にわめきちらしているようで、それでいて繋がりを求めてどこともわからない場所で触れ合おうとしながらも、手を離す。
不思議な感じがする小説で、水の中に消えてしまう角砂糖を思った。
それは空に溶けていってしまうもので、味もせず、後味も残らず、どこかに消えたまま、空だけが残ってしまうような、なにもかも届かないものの前で手を伸ばそうとも、離れもせず、眺めているような、そんな静寂。
つまりは皆、はっきりとは動いていない。
人生において前進するわけでもなく、ただ刹那的であるだけ。
セックスが何になるのだろう。
クスリが何になるのだろう。
すべては、消えていくような感じ。
そんな不思議な小説で、ノルウェイの森、限りなく透明に近いブルー、人間失格と読んでいくと、さらにブルーな気持ちにどっぷりつかれるかも。
試してみる人どうぞ。
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