一番上の「トラフィック」はメキシコとアメリカの密接な麻薬事情を克明に描く傑作。
「ロード・オブ・ウォー」は、実在の武器商人をベースに作り上げたお話です。
「トラフィック」では、コカインに溺れる対象が、いい大人ではなく、どこか虚無感を抱えたようなティーンエイジャーというところがいかにも深刻です。
日本にも合成麻薬などが現在はびこってはきていますが、コカインなどがもっと手に入りやすい環境だったら、アメリカのように溺れていく子は多いのではないかと思います。
なぜ、と言われると、「虚無感」というものから説明しなければならないのですが、いまだにこの感覚を説明できないでいます。でも、感覚だけはしっかりあるんですよね。不思議なものです。
なぜ、アメリカで市場が拡大していくのか。
なぜ、アメリカで高校生たちが麻薬を摂取してしまうのか。
仏教で言うところの刹那主義的なものが、人の闇として国家を蝕んでいるわけです。
そしてこの日本にも。
精神的な空洞ができると、人はその穴を埋めようとします。
欠けたものを何かで補おうとするわけですね。
今のところ、自分の直感では、虚無的な感覚ができるのは、「何かを充実して追うよりも何かに追い立てられている」からだと思いますけれど、これからも日本はアメリカに近づいていくと思います。
いい意味でも悪い意味でも。
さて、「ロード・オブ・ウォー」は、宣伝でも言っていたから、最初からぶっちゃけちゃいますけど、最大の武器取引先は「アメリカ合衆国」だと武器商人役のニコラス・ケイジは言うわけです。
武器を売るやつが戦争を仕掛けているのか、それとももっと大きな存在があって、武器商人は保護されているのか・・・さあどうでしょうか。
結局、アメリカは武力を維持するために武器を売って武力を維持しているということになります。
アメリカのみならず、中国やロシアなどの大国も同じように武器を輸出して国家予算を補うことをして、その武器でテロなり戦争なりが起こったら鎮圧しにかかるわけですから、なんともお先真っ暗です。
ヤクを使いたくなる気持ちもわからないまでもないということですね。
文明を維持するための犠牲というものが、何によって支払われているのかということは、多くの人は考えようともしません。
日本はなんでしょう。借金をして文明を維持しているとか。
なんだか、なんともまとまりのない文章になりましたが、興味があればアメリカの二つの側面から見たこの映画をご覧くださいませ。
そして、特に「トラフィック」に関しては、恐らく日本も蚊帳の外ではなくなると思います。
日本の場合は合成麻薬と大麻が主流になりそう。
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