THE黒澤でございます。
最近の映画は技術が進んでいるせいで、CGなんぞ使ってごまかしたりするのですが、黒澤映画を見て、馬走る、人走るのリアリティーってやつがわかったような気がします。
やっぱり本当に馬とか人を走らせるリアリティーにはCGじゃできません。
内容は、殿様が三人の息子がいるうちの長男に家督を譲ると言い渡し、その殿様が長男に家督を譲ったからにはきちっとしてもらいたいと、徐々に虐げられ、その隙に乗じた次男が長男と殿との一掃を計っていくのですが、映像の迫力たるや、「ああ、これが映画なんだなぁ」と感嘆させられます。
各陣営によって色分けされた兵馬の動きが芸術的とも言える領域にまで高められており、こういう色彩感覚にあふれた合戦映像も古今東西なかなか見られないかと思います。
とにかく綺麗なんですよ。
練りこまれたシナリオは、まるで芥川龍之介のような簡潔かつ、内容奥深きスパイスがちりばめられていて、二時間半の長さすらも感じられません。
非常に教訓めいたシナリオになっておりますが、本当の「乱の根源」は何なのかということを考えていくと、考えれば考えるほどわからなくなりそうです。
でも「乱を治める」には、「許し」が必要なのではと…というか一番怖いのは「女」だね。
したたかすぎる女は本当の修羅と言えるのでは。
さて、仏はこの人間の世を嘆いているのか、あざ笑っているのか…あざ笑うと思えばあざ笑い、嘆いていると思えば嘆いて見えるこの世の不条理さが、見事に出ています。
ああ…ひとつ気がついたことが…役者も訓練されていて凄いけど…馬も凄い…徹底的に訓練された馬が整列してきちんと走る姿には圧倒された。
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