デンマークの映画。
映画館で見られた。間に合ったよ。
宣伝が面白そうだったから見に行ったけど、ユージュアル・サスペクツ以来にシナリオで興奮しました。
だって、ほとんど主人公の男の人の顔しか映ってないんだよ?
信じられます?
1時間半近く、ずっと主人公の顔。
そんな映画初めて見たし、映画なのに、目をつむってもいいほど。
警察の緊急ダイアルの電話番で(日本で言うところの110番通報)、ずっと音声だけ聞いて事件を推理して、電話番が積極的に事件に介入していって何とか解決しようと奮闘する映画なのだけど、通常電話番が介入するようなことではなく、どうして? そんでどうして制服この人だけ違うの? みたいな。
積極的に現場に介入するあたり、外回りが本職だったのかなぁとかね。
でもほとんど見所はシナリオにあって、主人公のヤコブ・セーダーグレンという人しか映っていないにも関わらず、上手い。魅せます。
一緒になってずっとドキドキしているし、彼が何故かずっと苛立っている様子が、なーんかおかしいよなぁー? これ本当に事件だけでイライラしているの? と思いながら、その理由も徐々に明かされていく内容。
ギルティという題名に相応しいシナリオ内容となっているけど、演出も最低限。削りに削った表現でシナリオそのものの面白さが出ている。ギルティ(有罪)が主人公にじわじわ降りかかってくる、見てて落ち込みながら眉間にしわ寄る精神のダウン&アップ&ダウンが素晴らしい。
こんなに主人公側に引き込まれて自分のように感じる映画も珍しいかも。
過去にソードフィッシュという映画があったけれど、こっちが視覚の錯覚だとしたら、ギルティは想像の錯覚になるかな。音の錯覚。
見る人がひたすら音声を一緒に聞きながら、主人公と同じような気持ちになって現場を想像することになるから、途中の大どんでん返しも主人公と一緒になって「え?」とか「あーーーっ!」とか、妙な溜息と汗が出てくる。
エヴァンゲリオンかってくらい、何秒か硬直したまま動かないシーンがあるけど、やっぱり編集の間がいい。緊張状態や放心状態や考えている様子をみごとに表現している。
その動かないシーンすら、かたずをのんでしまうくらい。
食べ物や飲み物なんて買ってたら一回も手が付けられないところだった。
何か詳しいことを説明しちゃうと、もうそれだけでシナリオの面白さが半減しちゃうから、なかなか書くに書けないけれど、あー、自分もこういうシナリオ書きたいなぁって思った。
シナリオが面白ければ、野郎の顔しか映さなくても(低予算でも)1時間半も引っ張れるどころか、あっという間の内容にできるんだと痛感した。
見ることが出来てよかったよ。
勉強になった。
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