意識が散って、まったく手につかなかったけれど、少しだけ心の平穏を取り戻し、また無心になろうとしている。少しだけ書けたことに、少しだけ喜びを感じる。小さなことだけれど、自分のためではなく、傍にいるぬくもりを与えてくれる人のために小説を書くことは、この上もない幸福だと感じる。
世の中の喧騒は関係ない。怒号の中よりも、もっとその奥にある物いわぬ心の静寂に肌を重ね合わせることが、本当の声を聞くための、たった一つの手段。傷つき、背負い、悲しみ、苦しみ、それでも心から思いやる。肉を差し出し、血を差し出す。叫びそうなほどの苦しみが、すべての想像力の源泉。
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