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あさかぜさんは見た

日記

12/03

Fri

2010

「相手の気持ちを考えて」

日本人的な考え方なのかな。
今まで疑問にも思わなかったけれど、自分の立場が社会一般から乖離してきたり、外国に行って生活する経験があったりすると、この言葉は成り立つのだろうかと考えるようになった。

「相手の気持ちを考えて」という言葉は「言葉に対してきちんと配慮すべきである」という考え方はもちろんのことだが時として「私の気持ちを考えてください」の意味で代用される。
それはあたかも「常識的な感覚」を訴えるような言葉で「極めて個人的なこと」を訴えているにすぎない。
これだと逆も言える。
「じゃああなたは私の気持ち考えてそれ言ったの?」と。

価値観も立場も感性も違うもの同士が互いの立場や主張や環境を伝えずしてどうやって「相手の気持ちを考える」ことができるのだろうと大変疑問に思う。
これは異民族や異文化ならず、同じ日本人同士でも充分に言えることだ。

たとえばビジネスマン同士なら、その手のマナーがあるのは当然だけれど違う立場の人の感性に触れようとして、その人互いの感性の中に引き合おうとするのは当然のことなのではないのかな?
なぜ自分が生きている世界の規則や法則が他者の間にも通じると思い込んでしまうのだろう。
そしてそれが通じないと「相手の気持ちを考えない人」となるのは浅慮なのではないのか。

今の私には「相手の気持ちを考えて」というのがわからないだけなのかもしれないが、じゃあこれが最初からわかる人なんている?
それによくあることだけれど言ったすぐ傍から「それはあなたがよく考えたほうがいいことなんじゃないのかな?」という矛盾を持っている人だっている。
これは内省の力がないと気がつけないことだし、他人に言う前に自己を考察して伝わりやすいように自分の中を整理しておく必要性もある。

他人のことを例として持ち出すのは申し訳ないけれど俳優の大滝秀治さんは物事の成り立ちを説明しなければ質問事項には入っていかないらしく話が長い。
一つの番組は時間の制限があるから生放送ではとても困るのだが、人によっては他人が「え?」と思う伝え方もする。
このようなタイプの人は別に珍しくはない。
このタイプには当然他人が「ちょっと待ってください。そんなこと話されても受け止めきれない」と思うようなことも出てくるだろう。
その時に相手の環境や心情を畳み掛けられるように話されて「何言ってるんだろうこの人」と考えるのが普通なのだろうか。
それに相手が言ったからといってそれに従わなければならないということでもない。

この「受け流す技術」が足りないと、どうしていいか戸惑うのだろうか。
受け流しすぎても困るけれど。

皆さんが「相手の気持ちを考えて」という言葉を、どういう時に他人に使いますか?

ひとつ反省する点は、相手の気持ちを引き出す会話術を持っていないことが未熟なところではあるのだが。


で、どうしてこういうことに疑問を思うかと言うと「人って辛くても伝え合わなければどうしようもなくすれ違っていくもの」だとはっきりわかったからだ。
それは一番最初に訪れる「家族」という関係を見てもそうだし、そこから出て外に開けてくる関係に対しても同じことが言える。
つまり「分かり合おう」とするには「相手の気持ちを考えて」なんて悠長なことを言っている余裕なんてないというのが正直な実感。
時として沈黙は必要だけれど、常にそれをしていては大きなすれ違いを生む。
本当に「相手の気持ちを考えて」というレベルに人間が達するには、時としてやりあうことも必要なのではないのか。
そんな個人的な思いがある。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。

気が付いたら他人からとても褒められる娘ができまして、人生が大きく変わりました。
この小さな可能性と向き合うため頑張って生きております。

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