もうトンボが飛んでいるらしいとのことで、どれどれと近くの池のある公園まで行くと見当たらない。
少し慎重に周囲を見渡しながら行くと、アジサイの青い花の近くに飛んでいるのを偶然発見した。
今回はその一匹ぐらいしか見当たらなかった。
紅葉を始めている木も少しだけ見つけた。
風もお盆を過ぎてから少々冷たい。
もうそろそろ秋が来ているのだなと感じた。
ところで、その近くの公園は昔遊んだことのある場所だった。
今は違う場所に住んでいるのであまり頻繁に行くことはなくなってしまったが、ふと昔とよく比べてみると随分と柵が増えたなと感じた。
水路にも柵、池の周囲にもロープ、公園の入り口を出た車道の前にも鎖。「大変危険ですので渡らないでください」という内容。
前はそういうものは一切なかった。
この柵は水路に落ちるのを防いだり、池に落ちるのを防いだり、道路に出て車にひかれるのを防いだりする目的があるのはよくわかる。
つまり「リスク」というものを軽減させようと危険に対して未然にあらゆるものに対処しようということだろう。
ああ、人間って危険があると、こうして自らの環境を整理し、柵で囲い、境界線というものを増やしながら自分たちの生活に対して自縄自縛をするのかもしれないなと一瞬感じた。
そうやって柵をたくさん作り、中へ中へと小さな範囲に向かって整理していくような生き物なのかもしれない。
きっと黙っていたら、危険に対しての柔軟性がなければ、柵の外に出ることもできずに囲われてずっと生きていくのだ。
そんな、いや、きっと、未来の人間の日常は巧妙な柵に囲まれた都市の中に存在していくに違いない。
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