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2011

人の価値は目に宿る

「たったひとつの部品です。どういう使われ方をされるか、そのことによって部品ひとつの価値が変わる。そのことは、あなた方職人の技術も同じなんじゃないですか?」
~NHKドラマ「ハゲタカ第六回目」より~

小説家としてやっていくために、この言葉を何度も考えている。
ことあるごとに思い返し、一人の作者としてどうあるべきかを考えている。

「いい物を作れば、自然と売れる」

職人気質の人間はよくこう考える。
しかしこれからは違う。
職人の技もその売り方もすべて含めて「事業」になる。

事業をする、ということは買ってくれるお客の元へいかにして届けるか、その過程も含めて計画を練り、戦略的に展開することを言うと考えている。

NHKドラマ「ハゲタカ」を何度も見直している。
特に一回目や最終回を見ながら「お金」と「資本の論理」というやつを考えている。
お金は実に単純だ。
お金をより持っているものが強者になれる。
ゲームのような単純な理屈がそこにある。
何でもできるし、人に言うこともきかせられる。
お金を持っていないものよりも、絶対的にお金を持っているほうが強者になれるという理屈は惹かれるものがあるだろう。

お金もひとつの道具だ。
そう考える人はなかなか普通の暮らしの中ではできない。
物を売ってお金を得る。
でも、本当に「物」だけ売ればいいのだろうか。
売れるものだけ作ってお金というものに純粋に追随していけばいいのだろうか。
こびていくだけなんじゃないだろうか。

お金を獲得するには「仕事」をすればいいと誰もが言う。
仕事をするとはどういうことなのだろう。
単純に「食うため」「生活するため」と子供でもわかるような答えがある。
じゃあ「食って」「生活して」何を得るのだろう。
私は作る側だから、作って稼いで、金だけ得ればいいという考えにはならない。
それよりも、「生活する」ということが人間にとってどういうものなのかも私には定義できない。

「生活する」ということを小説で書けといわれたら、まだその主題は書ききることができませんというだろう。

売れないと本当に焦る。
お金も得られないし、将来のことも不安になる。
ネガティブな感情が支配して、もうだめなんじゃないか、これ以上続けないほうが、いや、もっとお金を得られるように、今売れているものをすぐにでも作って、それだけに徹していればいいんじゃないか。
小説家を目指している自分としては、売れる文章だけ書いて、媚びて、もう書きたいものなんか、目指したいものなんか夢見ないで、それよりも、本当に書くことをやめてしまおうか。

否定され、罵倒され、生活もろくにできない、人間として価値がないところまで言われてしまう。
こんな人生に、こんな道に何か価値はあるのか。
彼らが言うように、自分には今人間としての価値すらないのではないか。
そこまで追い込まれてしまう。
その憎しみや怒りが余計にドロドロとした感情をあおって、どうしようもなく敵意を向けてしまう。
そして精神力を使わなければならない作業に、余計な力を割いて、結局何もできなくなってしまう。
そういう悪循環だった。
おかげさまで弱い人間の精神構造を嫌というほど味わった。

これから「地べたを舐めさせられる」という気持ちや「地べたに這いつくばる」という気持ちは忘れないでいようと思う。
恨みを持ち続けるという意味ではなくてね。

その上で小説家としてきちんと人間を見つめ、人間を相手にし、人間を知っていくためにも、「自分自分」していてはどうしようもないのだ。
芸術家の素質として「情熱」がある。
この「パッション」は独善的なものでなければ、まず成り立たない。
だから芸術家の「芸術性」というのも、一歩間違えればひどく内向的になり、「芸は自然から学ぶことを忘れるな」という基本的なことがぽっかりと抜け落ちてしまうことが多々ある。

小説家としてやっていくためにも「小説を使った事業をする」ということを考えなければいけない。
ようやくこの心境になるまでに相当年月を費やした。
精神が安定するにも相当時間がかかったし、心構えもそう簡単にできるものではなかった。
精神は作られるものではなく、自分で作っていくもの。
自分でこの心に何をつめて、何を発していくかを決めていかなければいけない。
それが人生だし、命を使った一大事業だ。

その上で一番最初の言葉に戻る。
あらゆることは、どういう使われ方をされるかで、その価値が決まる。
人であっても物であっても同じだ。
ましてや個人ならばなおさら。

人の価値は目に宿る。
心をこめて、その炎を目に輝かせながら、小説という事業とその展開に改めて邁進していこうと思った今日の日。
明日は建国記念日か。





何か、ようやく自分がしてきたことが、これでよかったのだと思えそうな予感がしている。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みますが光野(こうや)とか朝風(=はやぶさ)でもよろしゅうございます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。自分でも困るほどの「皮肉屋」で「天邪鬼」。つまり「曲者」です。

2011年より声劇ギルド「ZeroKelvin」主催しております。
声でのドラマを通して様々な表現方法を模索しています。
生放送などもニコニコ動画でしておりますので、ご興味のある方はぜひこちらへ。
http://com.nicovideo.jp/community/co2011708

自己プロファイリング:
かに座の性質を大きく受け継いでいるせいか基本は「防御型」人間。自己犠牲型。他人の役に立つことに最も生きがいを覚える。進む時は必ず後退時条件、及び補給線を確保する。ゆえに博打を打つことはまずない。占星術では2つの星の影響を強く受けている。芸術、特に文筆系分野に関する影響が強い。冗談か本気かわからない発言多し。気弱ゆえに大言壮語多し。不安の裏返し。広言して自らを追い詰めてやるタイプ。

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