今まで出版業界の事情というものはよくわからなくて、無名の新人でいかにすぐれた作品であろうと、いわゆる保険金のようなものを著作者からとって、限りなく出版社側の損をなくすどころか、それで利益を取ろうとするような事業をやっているとは知らなかったのです。
新人作家は、賞を取ってからなら、過去の実績があるので、例えば雑誌への連載などをしつつ、様子を見ながら徐々に会社が後押ししていく、というのがだいたいの成功法のようです。
それにしても、とある会社などは、出版に関しての見積もりもあいまいなまま、例えば「全国展開させていただきますので200万ほど負担していただきますが、よろしいでしょうか」などと話を持ちかけ、よく本のルートのわからないことをやっているとのこと。
そういうことなら、当然こちら側の心理として「本当に店頭に並んでいるのだろうか」という疑問も出てくる。
しかも余ったものはお買い上げとなり、そこまでやられると、「本当はもらったもの以外の部数は作ってないんじゃないですか?」と疑いたくなる。
商売人って顧客を安心させてこそ堅実な商売がしていけるのに、そういうことをやっているとなると会社の命も相当先が短いと予測できる。
自分の打つ手がすべて消えたわけではないが、さすがに精神的に疲労した。
そういうことやって、会社成り立たせているんだなと。
どこもかしこもそういう場所ばかりではないけれど、「世の中お金」なんだなと思うと同時に、「下っ端はいつのときも厳しい環境にある」ということもわかってきた。
当たり前のことを、頭だけでわかるのと体でわかるのとでは、だいぶ違うようだ。
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