豊饒の海 ~春の雪~三島由紀夫の最後の傑作。
豊饒の海四部作の一番初めですが、個人的には三島由紀夫という人の文章は、あまり好きじゃなかった。
というのも、最初のころは、技巧的過ぎて、その機械的というか、意図的というか、そういうものが読んでいて、どこか心の奥に引っかかるような印象を持ったものだったけれど、これには打ちのめされた。
「じゃあ、お前書いてみろ」なんて言われても、三島の持っているボキャブラリーの足元にも及ばないカスみたいな文章書いているのが私ですが、三島由紀夫文学の中でも、一番美しいんじゃないのかな、これは。
読んで、ちょっと落ち込んだ。
これは書けないよな、とたいそう落胆しました。
映画にもなったそうですが、そちらのほうは興味はあまりなかったのですが、コメントを見てみると、映画のほうもできがよさそう・・・あまり期待しないでいつも見るのですけれどね。
三島文学のことを書こうとすると、書いているうちからウツになりそうです。
描写は解説では「絵画的」とは書いてあったのですが、非常に、私なりに言えば「漫画的」のような印象を受けました。
悪い意味じゃなくて、比喩の仕方が、劇画のように象徴的というか、力がある。
こういう頭が欲しいんだよな~。
こういうものがすらすら書ける頭が。
落ち込みます。
それよりも「何で死んだか」を十年後くらいに書こうかな。
それぐらい時間あれば彼の持っていた知識の多少くらいはわかってくるだろうし、どうにも批評家の言っている「三島像」ってピンとこないし、個人的にどこか引っかかる。
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