京都の西院という場所にいるのですが、近くに清川豆腐店というお店があります。
京都に来たのなら、というかある小説でやたら豆腐の描写が印象深いやつがありまして、それに触発され豆腐屋の豆腐が食べたくなり、探して近くのお店に行ってきたわけですな。
一丁180円で私の手のひらくらいあるから、だいたい400g程度はあるのでしょうか。
一人でたいらげるには少々量が多く、冷奴、湯豆腐の他にも創作料理で楽しみましたが、いやはや日本酒が飲みたくなる豆腐というのは、実にこのことですね。
ほのかな甘みが口の中に残って、触感がふわっとしていい。
豆の舌触りが滑らかでやっぱりスーパーのとは段違いにおいしいです。
色々お話を聞いたのですが、やっぱりにがりの入れ方タイミング一つで味が変わるとのこと。
お店によってそりゃー味は違ってきますとのことでした。
近くに大型スーパーなどが乱立して、小さな豆腐屋は近くで数件しかもう残っておらず、清川豆腐店では子供さんが後を継がない意思を示しているらしいので、豆腐を作っているお父さんが止めたら、もうそのお店はおしまいなのだそうです。
「私ら食べていくくらいは稼げるけどな。儲からんから」
と気さくにお母さんが話してくれました。
ちなみにお揚げはお母さんが作っていて、店番はいつもお母さんが出てきます。
たまーに、いなかったりするのですけどね。
朝も3時4時くらいに起きて豆腐作ってるんですって。
色々お豆腐の話してたら、
「スーパーとかでも安く豆腐売ってるけどな、普通豆腐は2・3日でダメになるからな。それが何日も持つなんて何が入ってるかわからない。怖くて食べられん」
言われてみればそうだよな、と思いましたよ。
食品添加物とか、日持ちさせるために色々入っているんですよね、ほとんどの食品って。
一応我々それを食べたからといって大きく体調を崩すなどありませんが、本職の人から見たら2・3日でダメになる豆腐が一週間近くも日持ちしたら、不気味に見えますよね。
自然の製法では混じりえないものが混じっている、と考えるのが当然。
スーパーで慣れてしまうとそんなことにも気がつきませんが、しかしちゃんとしたお店が大型スーパーの出展で消えていってしまうのは忍びない。
おいしい豆腐が180円で買えるのに、こんな良心的なお店がなくなったら「本物の味」はどんどん高値になって4・500円出さないと買えなくなってしまいますよ。
ちなみにおからも譲ってもらったのですがスーパーの買い終えた食品を入れるサッカー台のところにある透明なポリ袋サイズくらいにめいいっぱい入れてもらって10円。
え? と一瞬思いましたが、捨て値ですよね。
豆腐屋のおからは捨ててしまうことは知っていましたが、普通においしいです。
捨てるにはもったいないくらい味が残っていて、やっぱり良い豆使っているからでしょうか。
家に帰ってさっそく調理。
ゴボウを細かく切ったものをごま油で炒めて、そこにおからを入れ、酒和風だししょうゆで味付けしたらご飯のお供に最高でした。
豆乳おからクッキーなるものがあるくらいだから、小麦粉に混ぜてもおいしいはず。
今度色々試してみたいと思います。
本物の味が残っているっていいですね。
[5回]
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