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あさかぜさんは見た

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01/05

Sat

2008



突如姿をくらませた大女優「藤原千代子」の晩年に、映像製作スタジオの所長であり、「藤原千代子」の大ファンの「立花原也」が、老朽化による撮影所取り壊しのふしめとして「銀映」をささえた「藤原千代子」の足跡を辿る映像を関西弁のカメラマン「井田」と作ることになる。
30年ぶりの再会となった「藤原千代子」に、所長は大事なものを渡す。
それはカギだった。

「一番大切なものを開ける鍵」

その鍵は彼女の女優人生の記憶の扉をすべて開く鍵だった。


この作品はシナリオの手法がおもしろく、女優の記憶の中に二人の人間が参加しつつ一緒に追体験していくというもので、シーンの切り替えが彼女の映画と半生に重ね合わされつつ展開されていく。
彼女が演じた映画に人生が重ねあわされるといっても、ひとつふたつみっつよっつといくつもの時代のシーンに重ねあわされて展開していくところが、とても斬新さを覚えた。
映像プロダクションの所長がことあるごとに告白しようとしたり、関西弁のカメラマンが突っ込みを入れたりしながら話は展開されていくけれど、登場人物はシーンや背景が変わっても配役が変わるだけで一緒だったり、担う役柄も変わるわけではない。悪役は悪役のままで出演とか、憧れの人は憧れの人のままとかなので、シーンや時代背景がまったく変わっても、混乱することなく進むことになる。忍者になったり姫になったり色々切り替わるけれど記憶の大冒険活劇とでも言えるでしょう。
時間の流れが彼女の映画出演の順にされているゆえに、彼女の片思いの男性への気持ちも時間順に進んでいく。
普通の描き方で彼女の純愛物語が展開していったらおもしろくなかったかもしれないけれど、ユーモアがあったりシーンの組み替え方がおもしろいので苦痛もなく一時間半最後まで楽しめる。
絵の描き方も浮世絵風だったり現代風だったり彼女の映画のシーンに合わせて変えている。
でも個人的には最後のオチがなあ・・・生々しすぎるので興ざめしてしまうというか、ちょっと想われた男からすれば切ないぞと、思ったのであります。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
44
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みますが光野(こうや)とか朝風(=はやぶさ)でもよろしゅうございます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。自分でも困るほどの「皮肉屋」で「天邪鬼」。つまり「曲者」です。

2011年より声劇ギルド「ZeroKelvin」主催しております。
声でのドラマを通して様々な表現方法を模索しています。
生放送などもニコニコ動画でしておりますので、ご興味のある方はぜひこちらへ。
http://com.nicovideo.jp/community/co2011708

自己プロファイリング:
かに座の性質を大きく受け継いでいるせいか基本は「防御型」人間。自己犠牲型。他人の役に立つことに最も生きがいを覚える。進む時は必ず後退時条件、及び補給線を確保する。ゆえに博打を打つことはまずない。占星術では2つの星の影響を強く受けている。芸術、特に文筆系分野に関する影響が強い。冗談か本気かわからない発言多し。気弱ゆえに大言壮語多し。不安の裏返し。広言して自らを追い詰めてやるタイプ。

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