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あさかぜさんは見た

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11/26

Tue

2024

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04/14

Tue

2009

 お元気ですか?あなたと別れてからだいぶ時間が経ち、あの頃の未熟な自分が懐かしく思います。今もまだ愚かではありますが、少しだけあの頃とは違ってきたことがあり、前向きにもなり、持っている技術も上がり、あなたの心に届くようなものをより高いレベルで作れるようになったと自負しております。
 したいことは山積みで、今や望むものを何でも手に入れられるという自信もついてきました。あとは時間と目的に対する努力の積み重ねです。基本的な人格はあまり変わっておらず、破天荒で素っ頓狂でちぐはぐでどこか外れているままですが、そのくらいがちょうどいいと思っています。
 他人と同じ視点では、見えるものも見えず、作るものもまたつまらなくなってしまい、常に自分を超えなければならないのに、自分の中に壁を作ってそれを遵守しなければいけないという愚かさに気がつきました。
 このことはネガティブなことにも最も言えることだし、ポジティブの中にも工夫を入れるという意味においてとても重要です。
 あいかわらず、誰かのために生きていたいと思っていますが、人に対して憤りや怒りも覚えます。自己弁護もします。それを包み隠さずに素直に出して生きていくつもりです。私の創り上げたものは、きっと私の死後からようやく私というイメージを離れて初めて評価されだすと思います。そして死後数百年でも残っていくようなものを目指して日々積み重ねています。
 あなたはどうお過ごしですか?
 まだ何かを作りたいと思って作っていますか?
 少しでも幸せになっていればよいのだけれど。
 私はもうすぐ歴史の表舞台に出ます。私の存在は時代が生むべくして生みました。時代が私を呼んでいる。そう考えると、今までの苦しみや恨みが自然と消えていき、これもまた仕組まれた宿命だったのだとようやく気がつきました。
 あなたとのこともそうです。あなたが私を生まれるきっかけを作りました。肉親を置いて、生涯において最も感謝すべき人はあなたを置いて他にはありません。私に生を吹き込んでいただき、ありがとうございます。
 もっと密度が濃ければと贅沢を望んでしまいますが、このタイミングでゆるゆると人生が進んだのも、結果的に運命だったのかもしれません。そして今年、私は書くべくして作品を仕上げました。
 この作品は今までの自分の人生に決着をつけるために書き上げました。また思いの他完成度も高く、作品としても人々の前に立ちふさがり続ける大きな壁となることは間違いありません。
 どうあがいても私は人とともにしか歩めない。そして愚かさも素晴らしさも肯定して、彼らを見つめていかなければいけない。作家とは、人の極限を見つめ、己も限りなくそこに近い状態に置いて、常に精神的危険性を抱えて生きていかなければいけません。このことは、私がこの道を選んだことに背負う宿命でもあり、苦悩でもあり、孤独でもあります。
 私は自分の愚かさをさらけ出して、苦悩を背負っていきます。もう、覚悟はできました。寂しいけれど、これも私の選んだことです。あなたからいただいた第二の人生、疾走していこうと思います。
 本当にあなたにはありがとうを言いたい。
 紙面にてお会いいたしましょう。

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04/09

Thu

2009

悪貨は良貨を駆逐する

グレシャムの法則というらしい。
この言葉だけ知っていたのだけれど、どこにいっても金、金、金。
なにか、企業体質として、あさましい。
経営って利益を上げるものかもしれないけれど、やっぱりお金を基本として考えていったらおかしくなるんじゃないの?
質のいいお金の払い方ではなくて、あさましさから払われたお金なんてやっぱり人の精神を害すると思う。
もうその言葉、聞くのも嫌です。

まあ、自分もなりふり構わず方々へスパムのようにメールしまくり、文学部の教授やら、出版関係者やら、色々出していますが、なにせぶっきら棒にて、気分を害させることが多く…というか、もうそんなのいちいち気にしていたら何も成せないと気がついたのでやっているのですが、なかなか人を動かすのは難しく、ましてやどこぞの馬の骨ともわからぬ乞食のような身分。現在はね。
どうしたら自分の作ったものが優れていると伝えられるのか。
情熱が伝わるのか。
情熱なんて押し付けがましいものだとは思うけれど、やっぱり時代を動かすのは情熱だと思う。
金じゃねえぞ~~~~~!!
うお~~~~~~~とどけ~~~~~~!!!

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04/08

Wed

2009

一昨日、地元の出版社に「新・人間失格」の三つに構成されたうち、最後の「晩年」の部分を中編として仕上げたものを持っていった。
自分ではここ数年の芥川賞のレベルなら、これで取れると言って来たが、当然担当者は信じてくれない。
怪訝そうな顔をしながら、「どうしてこんなたわごとに付き合わないといけないのか」とでも言わんばかりの目だった。
なんとしても五月中までには出して欲しいとの要望を申し上げてきたけれど、「最終的には上が売れるか売れないかで判断するので厳しい。文芸春秋だって当然利益を見越して賞を選ぶのだろう。よほど非の打ち所のないものでないと」と言われた。
正直、新人にありがちな、「自分の作品は一番」というものではなく、客観視して言っています、ということを申し上げた。
「来週までにはお答えいたします」とのことで、本来なら一ヶ月かかるところを、考慮してくれて最大限できることで対応してくれた。
自分たちのできる権限での限度、精一杯の努力がそれにあたるのだろうと思う。
帰る途中、編集者が自信を持って上に物を言えない出版社なんて、編集者がいる必要があるのだろうか、と妙なことを考えてしまい、「もしかしたらダメかもしれないな」という考えが頭をよぎった。
本を読み込んでいる中年のおじさんが知り合いにいるのだが、滅多に本を褒めない人で、「こういう心理の葛藤はなかなか書けるようで書けないよ」と評価してくれた。
自信になった。
その人に電話して「今置いてきました。編集者に自分の一存じゃ断言はできないと言われました」との内容を伝えると、「本を買って来いと言われて、はい売ってませんでしたで帰って来るのはただのガキの使い。大人なら売っているところを探して買ってこないといけない。買えるまで求めるのが大人だ。がんばれ。できることはなんでもやれ」と言われた。

悲観的な考えが頭をよぎっている中、昨日友達に電話をすると「大丈夫だって。ちゃんとできるって」と何も読んでもいないのに言われ最初は「なんでそんなこと言うんだろ。何も知らないのに」と思ったけれど、ふと自分の考えが間違いだということに気がついた。
自分の書いた話は「言われて、それを当然だと肯定していった男」の話だ。
つまり、ネガティブなものも「そうに違いない」と信じきって死んでいった。
これを一種のアンチテーゼとして掘り下げていったものなのだから、自分が「ネガティブの壁」を作ってどうするのだ、と思った。
「大丈夫だ」と言ってくれた人のほうが正しい。おっさんも正しい。悲観的になっている余裕なんてないのだ。何のために半年近くもやってきたのだ。そう思った。
今までの自分はやれると信じても自分のことを疑っていた。きっとダメに違いない。きっとダメな方向に傾くのだというイメージばかりが先行していて、自分の成功のイメージをのびのびと想像することができなかった。
否定され、けなされ、「ああそうなんだ」と信じ込んでは自分を追い込んだ。

だが違うのだ。
信じること、イメージすること、必ず、いや、もう成功は掴んでいる。
その出現のために最大限の努力をするだけだ。
今までは文章との戦い。
これからは最後の自分の作り出していたネガティブの壁をぶっ壊すために、努力する。

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04/06

Mon

2009

本が売れなくなった理由

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0904/06/news005.html

くだらなさ過ぎるから。
それを量産しているから。
読者が思い描いているのよりも、はるかに下のレベルを本が疾走しているから。

いいかげん、見放されると思う。

愛情を失ったものには、育成は無理だと思う。
何も育たない。
作家は会社の道具じゃねえし、
読者は会社の食い扶持じゃねえ。

~~~~~~

 言い方が適切かは分からないが、もうお好み食堂の一角でラーメンを出しているような感覚で、文庫・新書を出版しても通用しなくなりつつある。ラーメンは繁盛している専門店で食べたほうがうまい。

 文庫・新書も、専門出版社が専門の味を出した出版を行う時代に、突入したのである。
~~~~~~


馬鹿だな、と思った。
利益主義の弊害なのにさ。
愛情のないものはどんなものでも味気ないと思う。
そこそこ食える味だったら笑顔溢れる近所の食堂のほうが、
ずっと気持ちよく食えると思うよ。
大事なもの忘れちゃったんだなって思う。
作家に対しての愛情。
読者に対しての愛情。

寂しいだけなのにさ、
舌に残る味は確かにうまいものかもしれないけど、
胸に残る味はうまいだけじゃダメなんだよ。

そういうものを残せているかと言ったら、どうもそうは感じられない。
うまいだけだよね。

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04/05

Sun

2009

 八畳一間の部屋の窓から見える吹雪は、遠方に見えるはずの山も、近所にあるはずの一軒家も見えなくさせていた。
 凍えるのが嫌で、石油の残りを気にしながらストーブをつける。
 年越し前の忙しい時期のはずが、携帯電話には一件の仕事のメールすらもない。
 期間内のはずの、突然の契約破棄、解雇。
 いつまで、こんなことを繰り返せばいいのだろう。
 途方にくれながらつけるテレビには、笑顔のアイドルやタレントがバカ騒ぎをして笑っていた。
 なかなかストーブに火がつかずに、体を縮こまらせてガタガタと震え、テレビの中の笑い声が、惨めな自分を笑っているように聞こえ、すぐさまテレビを消す。
 携帯電話で掲示板サイトにアクセスする。
 掲示板上は暴力的で嘲笑的な言葉がいきかっている。
 手を寒さで震わせ、掲示板を読みながら、仕事でバカにされてきたことを思い出す。
 苛立ちを覚えながら、お腹がすいたので近くのコンビニまでご飯を買いにいこうと外に出た。
 外は猛吹雪で、肌へ叩きつけるようだった。
 途中、若い男が懸命に道行く人にティッシュを配っている。
「お願いします」
 そう繰り返しながら、配っているティッシュを受け取る。
(何がお願いしますだ)
 コンビニに入れば、外よりはあたたかい空気に包まれる。
 お弁当のような高めのものは買えない。せいぜいおにぎりかパン。どれも食べ飽きた味だった。
 ちょうどお菓子のコーナーの前で、マフラーを巻き、似たようなジャンパーを着たカップルが手をつなぎながら幸せそうに話し合っていた。
 女の声が耳に飛び込んでくる。
「ねえ、このチョコ一緒に食べようよ。冬季限定だよ」
(何が一緒に食べようだ)
 サンタクロースみたいな女の白い帽子が気に入らない。
「チョコ本当に好きだな。一緒に食べたいの?」
「うん。一緒に食べたい!」
 苛立ちは膨れ上がってくる。
 女のことをいかにも「わかっている」というような優しげな男の笑顔が気に入らない。
「約束ね」
 そう女が言って、男と指切りをする。
 くだらないと思って、さっさとおにぎりとパンをレジにパサリと置く。
「おにぎりあたためましょうか」と店員に聞かれ、「はい」とぶっきらぼうに答える。
 先ほどのチョコを選んでいたカップルが手をつなぎながら吹雪の中へと消えていった。
 しっかりと握られた手を見ると、特に女の方を背中から力いっぱい蹴り倒したい気分になった。
 約束はどこにもなかった。コンビニの外に出ると、どこにいるのかもわからなかった。
 少し先も見えはしない。
 部屋に帰る途中、先ほどティッシュを配っていた男が、また「お願いします」と言ってティッシュを渡してきた。
 きっと誰に配っているのかもわからないのだろう。
 部屋の近くのマンションに帰る母親と子供がいた。
 小さな子供は赤い手袋をつけて、両頬に当てていた。
 「それ気に入ったの?」と母親が聞くと、「うん。ありがとう」と子供は頬に当てながら答えた。
 赤い手袋を当てた子供の顔を吹雪の中で見ていると、まるで顔に血がつけられているように見えた。
 あの子供なら、蹴り殺せるだろうとふと思った。
 暴力的な衝動とともに、親に一度も認められなかったことを思い出した。
 部屋に帰ると、ストーブが消えていた。よく見ると、もう石油がなかった。残りの石油もない。石油臭さだけが部屋に満ちていた。
 おにぎりを口にすると、冷え切っていた。
 テレビをつけると、年末のイベントの中継がやっていた。明日から三日間、某場所で開催するそうだ。
 つまらなくて、テレビを消す。
 水を飲もうと台所で蛇口をひねると、洗わずに放置してあった包丁が目に入った。
 包丁を手に持ち、その銀色のくすんだ鏡に映った自分の顔を見ると、誰かが自分をバカにしているような気がした。
 すぐにそこから目をそらし、包丁を手に持ったまま、何十分も見つめていた。
 掲示板サイトでしか騒げない連中のことを思い出し、携帯電話でアクセスした。そして書き込みをした。

「今速報が入りました」
 ニュースキャスターの顔が一気に引き締まる。
「先ほど、T市某地区のイベント会場で、連続殺傷事件が起こりました。現在確認されているだけでも死傷者は六名に及んでいます。殺人・傷害容疑で逮捕されたのは、二十八歳の無職の男で…」
 ニュースを見ながら母親はすぐ近くで起こった凶行に驚く。
 まさか自分が住んでいるすぐ側で、こんな事件が起こるなんて信じられなかった。
「怖いわね…本当に物騒になったわ…」
 そう言っている母親の側で、小さな子供が赤い手袋をつけて部屋中を駆け回っていた。
「お部屋の中で駆け回るのはおやめなさい」
 母親が子供に言うと、子供は母親の元に駆け寄ってくる。
「あのね、ママ。電気が切れちゃってて熱帯魚みんな死んじゃったでしょ。だから、今度はもっといっぱい欲しいの。ね?そのほうがお魚さんも楽しいでしょう?」
 子供が言うと、母親は聞く。
「ハムちゃんはどうしたの?」
「ハムちゃんだけじゃ足りないよう」
 母親は子供の頭を撫でながら「じゃあ、サンタさんにお願いしておくからね」と言うと、子供は嬉しそうに「うん!いい子でいるから!」と目を輝かせながら言った。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みますが光野(こうや)とか朝風(=はやぶさ)でもよろしゅうございます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。自分でも困るほどの「皮肉屋」で「天邪鬼」。つまり「曲者」です。

2011年より声劇ギルド「ZeroKelvin」主催しております。
声でのドラマを通して様々な表現方法を模索しています。
生放送などもニコニコ動画でしておりますので、ご興味のある方はぜひこちらへ。
http://com.nicovideo.jp/community/co2011708

自己プロファイリング:
かに座の性質を大きく受け継いでいるせいか基本は「防御型」人間。自己犠牲型。他人の役に立つことに最も生きがいを覚える。進む時は必ず後退時条件、及び補給線を確保する。ゆえに博打を打つことはまずない。占星術では2つの星の影響を強く受けている。芸術、特に文筆系分野に関する影響が強い。冗談か本気かわからない発言多し。気弱ゆえに大言壮語多し。不安の裏返し。広言して自らを追い詰めてやるタイプ。

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