昔なら「作家」と言えば、それなりに人間と真剣に向き合っている人が多かった。ゆえに命を落としたり、発狂しかけたり、常人とは異なる理屈を抱えてしまったりしたものだけれど、現代における「作家」となると、まったく意味合いが違ってきて、意味すらもあいまいになる。
「ネット小説」で検索すれば五千万件もヒットする。その中の十分の一が書き手のページで、さらにその十分の一が作者だとすると、いったい「作家」はどれほどいるのか。
「作家であること」は病名だ、とあるメモ帳に書き残してしまったけれど、この表現は名詞とは受け取れないので、病気と書けばよかったなと一瞬思ったけれど、病気となるとまた違ってくる。
作家として人間を見つめて突き詰め芸術たらんとさせようとすること、が病気なのであって、その根底にある狂気が宿ってこそ完成する精神のように思える。
「作家であらんとすること」とはまさに「キチガイ」の代名詞でもよいように思える。
酔わなきゃ書けない。とことん現世に酔い果てる。この地は、ああ楽園である。なんて思ってなきゃ、こんな陰湿な生活はできないだろう。
幸いにして現代にはたくさんのストレス発散場所があるから、かろうじておかしくならずに済むが、多大な精神力や労力が必要なのに、出さなければ何もしてないと思われてしまう。
侮蔑されるか尊敬されるか。
一万秒の努力で一秒の栄光。
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