第三次世界大戦が起きて、第四次世界大戦を防ぐには、どうすればいいかってことで、「感情の抑制」で世界の平和を保っている社会。
そこでは感情抑制薬「プロジアム」を打ち、憎しみや怒りも感じなければ幸福も感じないという、安定した精神状態になり、定時に打つことが義務付けられている。
薬を打たないで感情を持つ「テロリスト」たちを取り締まる警官として「クラリック」という役職がありクリスチャン・ベールはクラリック役です。
さて、最初に言ってしまえば、ひっどい映画なのです。
キャストは豪華なのにね。
何が酷いかって、もうゲームの雑魚キャラ並に敵の動きが酷い。
今の3DCGアクションゲームの雑魚キャラだってもっとましな動きするぜ。
見所は「ガン=カタ」という銃等を使った不思議なアクションがあるのですが、格好がいいんだか、これはギャグなのか非常に迷ってしまう斬新な映像が展開されまして、それだけは一見の価値あり。
まるで舞踏のようにゼロ距離で銃を撃ち合うラストの戦闘シーンは「こんなの見たことない!」と笑うこと間違いなしです。
結構カメラワークで映像誤魔化していたよ。
それでこの映画の特筆すべきことは、感情を想起させる道具として絵画や音楽などがあげられています。
薬を使わないテロリストたちは何故か芸術品を大事にするんですね。
豊かな感情を作り上げるものだからでしょうか。
感情が抑制されているのならば、何も感じないのならば芸術品などゴミクズでしかありませんものね。
主人公のクリスチャン・ベールがベートーベンの第9楽章を聞いてショックを受けるシーンがあります。
心が動かされていくということは、逆に代償も払います。
喜びを感じることが出来るのならば苦しみも感じていく。
心の豊かさはそんな繰り返しで開拓されていくのかも。
改めて「豊かさ」を考えさせるきっかけにはなるけど、何せ主題の落としこみ方が甘く、ただの世界設定にしかなっておらず、深い問題提起までにはいたっていない、惜しい映画となっております。
あー、クリスチャン・ベールは格好いいなぁと。
それには見入ってしまう。
ついでに『ダークナイト』も見たくなりますね。
これと似たような映画で『Vフォー・ヴェンデッタ』という映画があります。
こっちは「思想統制」なのですが、同じように危険な思想に繋がる著書や芸術品を取り締まり、しかもどちらの映画もハーケンクロイツに似たような文様の旗が出てくるのが面白いですね。
まるでディストピアの象徴みたいじゃないですか。
私としては『Vフォー・ヴェンデッタ』の方を断然お勧めするのですが。
これと似たような設定で『PSYCHO-PASS』というアニメがあったような。
こっちはしっかり見ていないので、チェックします。
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