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あさかぜさんは見た

日記

01/18

Sun

2026

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08/11

Tue

2015

お盆前の朝

空気の抜けたバスケットボールでドリブルしているようなランニングだった。
 足が折れてから五ヶ月は経ったが、急激な圧を足裏にかけると妙な違和感が走り、足取りが止まってしまうことが多々あっただけに、ほとんど歩きに近い速度で走っていた。
 というのも、酒太りが酷くお腹もまた空気の抜けたボールのようになっているため、さすがにまずいと感じ運動し始めているのだが、さすがクズの精神では、ことあるごとにストレスの発散を酒に頼り、挙句の果てには食うという始末で、せっかく痩せた体重を引き戻すということを繰り返していた。
 今年に入ってからというもの、三月頭に足を折り、その衝撃で流されている人生を少し変えようと仕事を減らしたが支払いで精一杯で様々なものが立ち行かなくなった。
 だがむしろ、現在の「書くしかない」「創るしかない」という状態こそ大事なのであって、変に金を手にして、何かと理由をつけフラフラと夜出かけるよりかは、ずっといいし、そして今年できなかったらもう正直終わってると見ていい。
 不思議な事に、と言っていいのだろうか。世間からは絶望的な人生を歩んでいる人間の元にも人が集まり簡単ながらゲームも創れる環境ができ、ラジオドラマだって創れるのだから、妙、と表現していいのかもしれない。
 文章だって他人に見てもらえるし、シナリオも書けるし本も読める。でも寄生生活で成り立っているそれも終わりにしないといけない。
 百メーターほど走ったところで左足を庇っている右足に力を入れながら走っていることに気がつく。太股が張り出している。
 なんとか左足に重心を傾けようとするが、癖がついているのか、やはり無意識に怖がっているのか思いっきりはできない。
 となると、速度を落としていくしかない。
 ようやく夏の激しい往復ビンタのような猛攻が疲れを見せたのか、朝の気温も下がり気味になり過ごしやすくなってきた。
 今頃がちょうどいいランニングの時期なのかもしれない。
 途中、手をしっかり繋いだ白人夫婦に「おはようございます」と声をかけられた。幸せそうな一風景だ。
 そういえば昨日借金をしようとして、断られた時にも結婚二年目のかわいさ残る男性に相手されたんだっけ。
「わりと新婚の方ですか?」
「ええ、まあ。どうしてわかったんですか?」
(見た目の若さと、擦れてない感と、幸せそうな顔をしているから)
 とは言えずに微笑ましく眺めていた。
 収入が少ないから、金は借りられないという。
 骨を折って仕事が出来なくなり治療期間中に一気に蓄えが消えていったが、考えれば当たり前。だが次の日、いや、次の瞬間怪我をしたり事故にあったりなんてことは考えないし、どこかで「まだ生きていられるんだ」という温く溶け出したような死生観で毎日を過ごしていたものだから、いざという時一気に窮地に陥る。
 ある意味この状況に強制的に引き寄せられたのも天の思し召しだし、戒めのような意味を与えてくれたのだろうと考えている。
 ビルのガラスに映る腹の出た男が重そうに肉を引きずっている。
 醜い姿だ、と思った。
 人を従えているのだから、もっとしっかりしないとなと痛感させられる。
 前を歩くおばあさんにさえ満足に追いつけないほど遅い走り。もはや走っているとも言い難い。
 ベンチに座り流れる汗を拭きながら、手を繋いでいた夫婦や昨日の男性を思い出す。
 幸せっていいものだな、と。
 幸せ。この意味を惰性で流し続けるのではなく、きちんと体や頭の中に蓄えながら過ごしていかなければいけないなと考え始めていた。

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08/10

Mon

2015

他人は者じゃなく物

今日、東京で感じたことのある違和感を思い出した。
ショッピングモールの中で両手に装着された杖のようなものをついて、わりと棚のすぐ側で「すみません。すみません」と言い続けている人がいた。
男性の老人だったのだけれど当人にとっては結構大きな声だったんだろう。声は周囲の音に掻き消されそうだった。
日曜で、お盆近くだというのも影響しているのだろうか。
モール内は賑わっていた。
自分は通り過ぎようとしたが、あまりにも連呼しているので、おかしいなと思い少し通り過ぎたところで振り向くと、こちらに気がついて「すみません」と目を合わせて言ってきた。
当然普通だったら「店員を呼んでいるのだろう」という感覚で見るだろうし、過ぎ去る多くの人がそう思って気にもとめなかったのだろう。
一歩も動けずそこに立ち尽くし、長い時間だったのか短い時間だったのか、その老人の言葉を気にもとめない買い物客たち。
以前東京の電車内、夜の新宿の通行人、駅のホームで列車を待つ人の孤独な背中や瞳、この雰囲気をふと思い出した。
電車内で隣に座りあっているもの同士、皆他人でまるですぐ横に壁でもあるかのような佇まい。
新宿。誰かが倒れていても声もかけない。酔っ払って電話をしていたからなのだろうか。触らぬ神に祟りなし、という扱い。路上駐車違反で人目も気にせず怒鳴りあう警備員と運転手。
そしてとにかく寂しそうな背中。瞳。少しギラギラしすぎて怖い瞳とか、他人行儀という範疇を超えた見知らぬ人への感覚。
それらのすべてに、札幌という都会から行っても違和感を感じたことがあった。
このことを指摘すると東京に長年住んでいる人は「それが気遣いじゃない?」と言った。
人同士最大限気を使っているから、隣人に迷惑かけないように、干渉しないように人との距離ができているんだと。
この話を思い出した。
例えば今日の話でも、普通の人だったらまだしも、違和感がある。
まず老人で両手に装着型の杖をつけていたということ。
何度も「すみません」と店側のほうではなく、外の方向にむけて叫んでいたということ。
人が多いだけに一分でも何十人という人が通り過ぎていたということ。
これらの条件が重なっていても、気がつく人はいなかった。
結局老人はカートが欲しかったようだ。
どこから入ってきたのか、だいたい入り口にはあるがない場所もある。
カートまでの距離はそれほどでもなかったけれど、老人にとってはそれ以上探索するには辛い距離だったのかもしれない。
ひとまずカートを持ってきて渡すと感謝された。
もしかしたらたまたま、あまりないようなシチュエーションだったのかもしれない。
自分が骨が折れてあからさまに装身具と松葉杖セットの時は結構他人優しいなと思った瞬間は多々あったから、ここは都会にしてはまだあったかい部類に入るんじゃないかと思ってる。
でもこの札幌も東京のような感じになっていくのは嫌だな。
ああいう東京のような乾いた感じにはなって欲しくない。

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08/08

Sat

2015

何事も、メンドクサイに決まってる。

例えばわたくし、お酒が結構好きで、かつストレス発散を酒に頼るところがあります。
しかも、ストレスで飲むと今度食べ物もいくってなわけで、ぶくぶくとまた太ってきたわけですが、また一ヶ月1kgペースでおとしていこうかなと、着実に落としていっております。
ここ5,6年は妙な増減をしており、MAX93kg程度までいき、さすがにやばいと、ここ3年でマイナス10、マイナス10、プラス10ときて、あと一年でマイナス10を目指しているところです。
どうせなら70ぐらいまで落としたいから役14kg近くの減量となりますが、とにかく面倒なことには変わりない。
食事はゆっくり目の減量なので大丈夫なのですが、運動を定期的に行わないといけない。
筋力をつけて代謝量を増やし落としていくのが確実です。
あとは間食控える、お腹はあまりすかせすぎず、感触はお野菜や漬物で済ますと効果的。
まあ、体重減らすだけでも面倒ですが、何事も前に進むには面倒なわけです。
お金を得るには働かなきゃいけないし、物を創るには様々なものに目を通し、知識を広げたり、人の話を聞いて刺激を受けたり、映画・演劇・人形劇などを見に行ったり、何よりも調べ物を沢山してアウトプットの材料を増やしておかないと作品の幅は広がらないわけです。
それが声のことであろうと同じことだし、アニメ声優やりたいとか言ってても、結局落語や講談などなど日本の発声・表現法を学ばないといけないし、演技そのものや体の使い方、滑舌の練習、感情と演出とか、もうね色々やることはある。
そういうことの積み重ねが大事なわけですよ。
他人が作ったものをぼんやりとやるっていうのは、実はとっても楽な事です。
いくらでも時間が潰せるし、面白くなかったら単純に面白いもの探してさ迷えばいいだけだし。
積み重ねるというのは、そう簡単にはできないこと。
でもなんやかんやと理屈つけて、やらない、特に大変だから、なんて理由つけたりしがちだけど、こういうのはコツコツやるしかない。
毎日本当にコツコツ小さなことでも少しずつ。
そうやって積み重なっていくものだし、やっぱり数ヶ月、年単位でみなきゃいけないこともある。
ただし期限は決めておかないといけない。
じゃないと人間っていつまでもダラダラと先延ばしにする生き物です。
で、コツコツって超メンドクサイ。
メンドクサイに決まってる。
自分の場合は調べものが嫌で、よくさぼりたくなる。
勉強がいまだに嫌いだけど、好きな事やるにはしないといけない。
ちょっとでも嫌な事あったり、絶望的なこと人から言われて諦めようと思ったり、メンドクセって思ったり、そんなの当たり前じゃね? と思う。
人からチヤホヤされるにも、努力が必要だし、今のままでいいわけないし、もし環境がうんぬんかんぬんっていうなら、自分で環境変えるか環境の中でできることをコツコツやればいい。
結構できることは沢山ある。
それらを一気にやろう、これぐらい詰みあがらなければやる意味がないとか最初から考えているなら自分の事かいかぶりすぎなんだよね。
だからね、しっかりやるんだよ?
ちょっとずつでいいんだから。
わかった? わたくし。

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08/06

Thu

2015

小さなホールで客に囲まれて、貴女はスポットライトを浴びていた。
 長らくやっていたであろう証が、真剣に聞き入るお客で表わされていた。
 普段はかわいらしいあどけない声でしゃべっているけれど、歌声も変わることはなかった。
 美しい声は時を彩り、夜明けの日を誘っていた。
 今日はとても麗しい日が始まるのだろうと、その明るい声だけで期待できる。
 人の声は不思議で、その声に聞き入る人たちの瞳が輝いている。僕もまた、そうなっていたに違いない。いつもより見える世界が輝いている。
 それはきっと、貴女自身の魅力であり、声を通してわかる人間性だったり、その人の優しさの広げ方だったりする。
 貴女の気配りは細かく利いていて、できる限り一人一人、時間が許す限り、その瞳を合わせて話そうとする。
 これが人の美しさというものなのだろう。
 貴女を見ている僕は刺々しく、ナイフをちらつかせて人を脅しつけているに過ぎないチンピラだ。
 偶然街のバーで歌う貴女に出会い、僕は僕自身の愚かさに色々気がつかされる。
 部屋の中じゃ外の様子はわからないけれど、きっとここから出れば眩しい光が待っているのだろう。
 お客のふかす煙草の煙で少しだけ貴女が見えなくなる。
 酒の香りは自分だけが発しているようにも感じる。
 何杯目なのだろう。酔って、苦労とか悩みとか考えないで、全部頭の中から飛ばして、そろそろ限界というところでズブロッカが空いていくのが止まる。
 これ以上は酔いすぎていけない。ぎりぎりの場所でゆらゆら揺れながら、貴女の歌を無心で聴くためには、まるで麻薬のように酒を煽って自分を消さないといけない僕を隠しながら。
 手を広げ、伸び伸びと声を広げる貴女。
 一瞬歌声に脳天が貫かれて、嗚咽しそうになるのを堪える。
 貴女と目が会い、僕は目をそらす。恥ずかしさを覚え、顔を掻き毟って別人になりたくなる。
 貴女は僕が来たとわかったのだろうか、微笑みながら、より高らかに、声色強く響かせる。
 暗闇の魔を打ち払い、女性客のロングカクテルの氷が半分以上溶けても少しも減らぬ、その歌声。
 吸い込まれるのではなく、背中から優しく抱かれる。
 僕は曲の途中で時計をチラチラ見る。
 ずっと聞いたいたい、ここにいたい、そんな個人の願いなど通せるほど裕福ではない。
 さもしい毎日のやり取りの中で、ひとつの安らぎを見つけ、僕は寝起きの学生のように、後数分、後数分と伸ばしつつ夢の中に戻り浸っていたい衝動に後ろ髪を引かれていた。
 秒針が十二を突いたら、行こう。
 用事がある。外に出て汚れた空気を吸う気分になるのは本位ではなかったけれど、僕には僕が背負った世界がある。
 早い秒針。鼓動のように。
 ステージの貴女に背を向け、チップをバーテンに置いて徐々に離れていく。
 またお互いの時間が合えば歌声を聴けるだろう。
 小さなホールのドアを抜けていくと、眩しいほどの朝日が昇りつつあった。
 僕はそのまま都会の片隅へと消えていく。自分が生きていくために、背負ったものを深呼吸で意識しながら。

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08/05

Wed

2015

悲愴は他者を貫かない。
 その気持ちを抱いた当人を自刃のように深く……。
 手を伸ばし指先が栄光に触れんとした時、男は闇に閉じ込められ胸を鋭い棘に貫かれた。
 暗く息苦しい閉所の中で虫の息で震えていた。
 くたばりそうなほどの熱帯夜が続いていた。
 クーラーもまともにつけられぬほど生に興味を失っていた。
 絶望とは臓器も魂も掴み引き抜くかのように、体の中に何も残さない。
 朝目覚めると体が脱水して硬直しているのを感じていた。
 まだ動けた。
 全てを出し尽くして男は失敗し、魂の抜け殻と化していた。
 当然そのような状態では女に逃げられ、罵声の限りを尽くされ、友達も消えていった。
 アイアンメイデンという拷問器具がある。
 これは棺桶のような器具の中に針が仕込んであり、閉じることで中の人間を串刺しにする。
 針の場所によっては絶命には至らず、長らく苦痛のみを味わわせることができる。
 暗闇の中で微かにすがるのは、柔らかな思い出。
 絶望とは死にいたる病だと言っていた人間がいたな、と思った男はタバコに火をつけ、深く煙を吸い込んで肺に巡らせ水よりも先に巡るニコチンの感触に煙草を挟んだ指先を震わせていた。
 この社会のどこに立っていていいのかわからぬ男は思いっきり吐いた煙で曇る視界の中に、いつまでもガタガタと余計に震えている指先をぼんやり眺めていた。
 お前は怖いのか。
 死んでしまうのが怖いのか。
 魂は死んでいるはずだと思っていたのに、この指先だけは死ぬことへの恐怖を感じているのか。
 部屋の温度は三十八度を示している。
 なのに体は寒気を感じている。
 男の思考はさ迷っている。
 擦れた咆哮を喉の奥から出し、灰皿まで手を伸ばせなくなったため煙草の火を奥歯で噛み消す。
 舌が焼け、歯の神経に熱さが伝わる。
 確かに愛していた女の最後の逢瀬が指先に甦る。
 乳房を握り、体を抱きしめ、体温の熱さを指先で感じた最後の夜。
 這う。這う。震える体で、這う。無様にも。
 もう洗面所やキッチンで水を汲めそうもない。立ち上がれないのだ。冷蔵庫にも何も入ってない。
 残っているのは便所の、水。
 闇に閉じ込められ、無数の針に貫かれた絶望の先に、たった一つのぬくもりと、希望を見つける。
 便所の陶器に女の白肌を思い出すとは、いかにも滑稽だと可笑しくなり、男はその水を飲むべく両手を差し伸べる。
 その時、聖母は微笑み、男は傷ついた命を握った。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
46
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。

気が付いたら他人からとても褒められる娘ができまして、人生が大きく変わりました。
この小さな可能性と向き合うため頑張って生きております。

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