本日13:00に札幌市役所付近から泊原発再開反対デモが出発した。
今回はデモの規模と様子を見ようと思い行ったのだが、ざっと見積もって200人以上はいた。
13:30に出発して大通り周辺をまわり、道庁前まで約1時間ほどの行進だった。
福島からわざわざ来てくれた親子の悲痛な訴えがあった。
外国人の方まで参加してくれて頼もしい限りだ。
先頭は選挙カーのようなワゴンでスピーカーで演説する。
福島の事があるのに泊を動かす不安、泊付近農家に対して説明一切なし、子供の将来の事を考えて欲しい、と主張している前のほうはわかるのだが列中央になると、となりのトトロの「散歩」を歌っていたり最後尾になるとラジカセで音楽を鳴らしていたりと、途中から見ると「これは一体何の行列なのだろう」と思ってしまう。
道行く人の中にもポカンとしている人がいた。
主張というのは徹頭徹尾しっかりしているほうがいい。
いろんな立場の人がいていいが原発に興味のない人、関係ないと思っている人、原発賛成の人、などに自分たちの思いを伝え、彼らに影響を及ぼさなければいけない。
この理由から伝えるための「テキスト」も弱いと感じたし、感じられる主張も何か弱く感じてしまった。
そもそも今回の泊原発再開に関しては私も首を傾げるところがあり、福島の事故処理もすんでおらず、影響も検討されておらず、事故処理への検証もなされておらず、泊の災害時の影響シミュレーション、万が一の時の災害補償・責任、MOX燃料についての説明、使用の影響、燃料処理についての具体案と説明、災害危機管理説明、など本当に不透明すぎてまったく理解できないところが多い。
付近の農家への説明すらなかったそうだ。
なんといっても経産省原子力安全・保安院と原子力安全委員会による最終検査結果という今や国民ほとんどが不信の目を向けている組織からのストレステストとなれば、普通は納得しないに決まっている。
特に北海道の人たちは今回の茶番とも言える高橋はるみ知事の原発推進に関して「原子力発電再開の糸口を見つけるための再開」だということはハッキリわかっただろう。
さらに東京新聞が8月16日朝刊に伝えた「
高橋はるみ知事と北電との蜜月関係」の記事は道新には載っていなかった。
高橋はるみ知事の資金管理団体「萌春会」の会長が南山英雄であり北海道経済連合会会長、北海道電力の元代表取締役。
北電幹部からの政治献金は毎年恒例との事で黒も黒、真っ黒黒の状態でこの決定。
その数日前には長万部付近にある黒松内低地断層帯が北電の予測よりもはるかに長く、国の地震調査研究推進本部が長さ32キロ以上、M7・3以上の地震が起こる可能性を指摘し、その他にも17の活断層があることがわかったにも関わらず、このことすら検証もせずに8月16日には再開を認めている。
北電の社長は「大規模地震は起こらない」ということを言っていたが地震専門家はそう断言できる根拠がないことを指摘している。
一体全体どうなっているのか。
あまりにも不可思議なこの決定に世界中が「なぜこの時期に」と首をかしげているし、当然日本人だって道民だって理解に苦しんでいる。
北海道は農業漁業を主力としているだけに、これらがやられては大打撃だし、ましてや放射能基準値のあげられた今「安全です」と言われても海外から見れば「危険値」に達しているものだって出てくるだろう。
万が一泊で多少放射能が漏れても基準値内なら「安全」という日本国内の基準に対して輸出が不可能になる不可思議さを抱えることになる。
農家や漁師の人たちに安心して仕事をして欲しいし、なによりも豊かな自然を後世に残したい。
これから石油並みに貴重な資源となる「綺麗な水」を確保していくには綺麗な土と森が必要になるし、豊富な海産物を安心して残していきたい思いは北海道で育った人たちなら自然と湧いてくることと思う。
生活するための安全。
まず安全を考えるのに「毎日口の中に入れるもの」から考えることは、おかしなことでもなんでもないわけだ。
経済とか産業とかわからない人でもここから考えてみてもいいと思う。
私は脱原発には将来的になって欲しいが、やはり完全に原子力発電から脱却するには、新しい技術への投資が必要になる。
これだけは忘れないで欲しい。
1日10円、年間4000円程度でも一人一人が払うことができれば莫大な金額になる。
年間数百億円でも新しい技術への研究資金が増えれば別の未来や新しい社会を創れる可能性だってできるわけだ。
ただ脱原発だけでは今の状態が維持できず衰退するという理屈も私はまったく理解できない話ではないだけに、ただ単純に感情的に「嫌だ」と言うのではなく新しい技術の創造への投資を考えて欲しい。
そして日本はそういう優れたものができる技術力がある。
あとは法律さえ整えばいい。
今回の泊原発再開に関して積極的に反対したい人は泊原発の廃炉をめざす会が集団訴訟を起こそうとしているので参加することを検討なさってもよいことと思う。
泊原発の廃炉をめざす会これからの北海道を作る多くの人たちへ願いをこめて。
以下は今回のデモの写真になります。
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