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あさかぜさんは見た

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05/06

Thu

2010

アニメ音楽がオリコン上位独占

ってことで、「けいおん」っていうアニメの曲がシングルランキングの1位2位を独占したようですね。
出版業界も同じことが起こるのではないかと普通に思っている、っていうか、むしろ現在でもライトノベルに押されてきているじゃんというか逆転されがち。
売れるのは本当に数えるほどのネームバリューのある作家だけ。

自分も「歌」というものにあまり興味を示さなくなって早5,6年以上は経つだろうか。
一部の人を除いてとにかくランキングの上位に上がっているものにまったく興味を示さなくなった…うーん…本当に実力ある人ってトップ10入りする例は「ドラマ」「映画」「アニメ」などで使用されたものがほとんど。

それよりも音楽番組そのものに興味をなくしてかなりの年月が経つ。
「これ自分のほうがはるかにうまいんじゃね?」って思うような人たちばかり。
カラオケレベルみたいなのがたくさん出てきて、ライブで震えるような歌が聞けなくなった。
いまだに歌手でライブに行きたいなと思った人はいないし。
そんな中、何が音楽かなんて素人が言えることじゃないけれど、いい映像を見つけた。



ジェームス・ブラウンが歌った「サニー」という歌。
凄いよねー。
うわぁーこれ生で聞いたら絶対いい!って思う。
ライブに出かけたら聞いた後も興奮冷めやらず、どっかに飲みに出かけると思う。
こういう全身で歌う人がなかなか出てこない。
歌がまったく届いてこないんだよなぁ。
小説もそうなのだけど、最近の小説って「作り物」が多くなってきた。
それってさ、作者がまったく人間を観察していなくて痛みも知らなくて人間がどう動いていくかの洞察力に欠けているからだと思うんだよね。
つまりさ、魂遣ってないの。
歌っていうのも聞き手に届けるものでしょ。
聞き手の魂揺さぶっていくものでしょ。
魂遣って歌う新しい人を音楽業界がバックアップしなくなったのがこういう結果を産んだんじゃないかな。
正直自業自得だと思う。

ファンを産むって本来はとても大変なこと。
今の大手の売り方って、すでに存在しているファンをころころとまわしているだけ。
確実に買ってくれそうな、すでに開拓された層を狙って次々と類似商品を出し、枯渇したら次に移る。
そういう「マーケティング」と名乗れば聞こえのいいような「えげつない商法」で今まで来た末路がこれなんじゃないのかなと思う。

違法コピーとか、違法アップロードとかが増えて、音楽の売れ行きが落ちたとか業界に所属している人は言いそうだけど、私と同じように「買いたい衝動を最近の歌に見出せなくなった」っていう人は結構多いんじゃないだろうか。
ファンが気がついちゃったんだよ。音楽ってこういうもんじゃないよねって。
小説もまた同じで最近の新しい作家さんのを買うのが怖い。
魅力を感じないのだもの。一部の人を除いて。
探すのも見つけるのも大変なことだけど、随分と小粒になった。
音楽業界でも売り方がうまいだけで、商品は実はあまりたいしたことがないっていうのが多いんじゃないだろうか。
結局音楽業界も出版業界も似たような売り方しかしてなかったってことだよね。
そして新しくよいものを育てようとしなかった。
自分の首が絞まりだしてきたときに、何を考えたかって、その残りの体力で全力で新しいものを育てるのではなくて自分の利益のことを考えた。
音楽って波長だから、聴きたいんじゃなくて「体感したい」って人結構多いはず。
そういうドーンって迫ってくるような体感ができるのもまれになってきた。
応援したい人もなかなか出てこないし。

すべて業界のせいにするのもなんだから、ちょっというけど巨大な組織に利権を求めようとする前に新しく芽を出そうとするアーティストはいち早く腐った体質の組織は捨てていって欲しいよね。
本当に実力あればファンって徐々につく。
食っていくことは大変だけど自分の実力を伸ばしていくことはできるはず。
悪いものがあったら「あいつが悪い」なんていつまでも言っていてもしょうがないし、新しく始めちゃえばいいのさ。
だって自分がやろうとしている、やっていこうとするものを本当に愛していたら、愛しているなりに行動するでしょう。
自分の心から愛する恋人が病気だったら救おうとするはず。
音楽だったら音楽。音楽会社は「音楽」とは関係ないでしょ。
なんて偉そうなこと口走ってますが、とにかくいいものに出会ってそれを体感したいわけです。
魂に迫ってくるような、こびてなくて見下してもいなくて真正面から傷ついてやるぐらいの勢いで突っ込んでくるようなものに出会いたい。
一ファンの嘆きでございますよ。

マキシマムザホルモンがんばってー。
BOOM BOOM SATELLITESがんばってー。
こう見えても実は応援したい人はたくさんいたりする。

ちなみに吉幾三も本格的にDJ-IKUZOで新しい音楽作ってもらえばいいのに。
吉さん本人がやりだしたら盛り上がるだろうなぁ。






でもさ、このアニメソングが上位を独占っていうのも、新しい電脳時代へのただの通過点に過ぎないのかもね。
初音ミクみたいなデータ上でしか存在しないようなアイドルが主流になったりして。

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04/30

Fri

2010



あげると言われ、いただいてしまったので、ちょっと感想を書こうと思った。

ちなみに138回直木賞受賞作品。
各選評はこちら。
http://homepage1.nifty.com/naokiaward/senpyo/senpyo138.htm

そもそも芥川賞とか直木賞とか、お前ら作品に与えてるんちゃうんかい、と大阪弁で突っ込みたくなるのだけど、まあ脱線しそうなのでやめるとします。

このお話、時間がどんどんさかのぼっている。
それぞれ章ごとの主人公は変わっていくのだが、とある古典が思い浮かんだ。
げ、げ、げ…喉まで出掛かるが「ネタばれ自重」とか言われたら困るので書かないでおく。

うーん…どう書こうか悩んでいる。
選評には「現実性に欠く」とか書いてあったけど、それは作者の描写力が追いついていないのが一番の原因かと思われます。
特に過去にさかのぼるという構成が逆にこの作品の欠点をあらわにさせたかなというのが素直な感想。
中盤までは「お、おお…」と思ったのに。
あ、スケベなだけか。

真面目なことを書くと全編に渡って「大人の感性で貫かれている」というのが一番の失敗。
なぜならば「過去に戻る」ということは、より「子供の感性」に戻っていかなきゃいけない。
特に最後の章は一番古いのだから、もっとぞっとするような透き通った純粋さが欲しかった。
この点だけは画竜点睛を欠く結果となってものすごく残念。
だから一番最後に近づく文章も「無難にたたんだ」という印象がぬぐえなくなる。
もしその結晶化された両者の衝動が見事に最後に描写されていれば誰もが称える傑作となった可能性もある。
これから始まるすべての「予感」と「直感」なるものがものの見事に凝縮されていたらってことかな。
もうそれがあったらスタンディングオベーション。
さすがのじゅんちゃんも少しは納得したんじゃない?

それともうひとつ気になったのが、すーっと事象が走っている。
つまりわかりやすく言うと、急転直下、V字上昇、が隠れているんだぞという機微がやや足りないような印象があり、読み終わっていつまでもぞっとして忘れられないような怖さがない。
あー、あの二人の犠牲はなんであったのか。
やるならやるなりの「意味」をもっと深く抉りこんで書いて欲しかった。
それはあくまでこの話をドロドロネチネチさせないための作者の腕を見せ付けており見事というほかないと見れば、そうかもしれない。
他の作品と比べるのはダメだとは思うけれど、どうしてもあのドラッグとセックスの青春を描いた芥川賞作品と比べるとどうしても描写の奥行きがないんだよなぁ。
あっちのほうが明らかに文章は下手なのに下手に作ってない分だけ緊迫感がある。
まあ、あれは実体験だったから…ということを考えなくても書きなれているのだからその迫真さ、緊迫感はもっと欲しかった。
色々盛り込んであってひとつの「作品」としてこの小説を捉えたとき、作中に登場する人物たちが主要人物を目の前にした時の一種の「慧眼」「感覚」のようなものが深くは見えなくて、御伽噺なのではないか、という印象を持つのもわかる話だ。
入り込んでいきそうですっと描写が深いところからそれていく。
なんでだろうなあってずっと読みながら思ってた。

どうしても、とある古典の話が…
それが頭の中でだぶって見えてしまって、他の読者のように驚きに満ちたものではなくなってしまったのだけど、何も考えないで読むのがよかったのかなと思った。
むしろそれがあったために「やっぱりね」ってことになってしまった。
ある程度章の題名から話の筋は読み取れるものの、「性」が内包している「死」という「暴力性」に完全には踏み込めずに、その表面を丁寧に映し出すのみになってしまった。

私も作中の人物のように叫びたい。
「おじいちゃーん!あーっ!」


そしてここからは色々思い出したことを書きたい。

「中指と人差し指」

読んだ方はわかるとは思いますが「女の匂い」ね、わかります。
といっても「女」ってよりも「牝」っていうのがいいのかも。
中を探って肉のすべてが反応するようなところを当てていくみたいなものから、だんだんとわかってくると悦を与えられるようになる。
艶が絡み付いた後、乾いてくるとパリパリしてくる。
そのままコンビニで酒を買ってきたことがあるけれど目の前の店員はそんなことわかるわけない。
さらけ出す必要性なんてないけれど、装いながら生きていることを感じた瞬間だった。
秘密をたくさん持つと、しゃべりたいことが逆に少なくなってくる。
ゆきずりの女を抱くのとは違って、もっと濃いものを感じながら抱くときの得体の知れない未来への予感っていうのは普通の感情の波よりも津波に体を押されているようなものなのではないのかなと感じた。
こういうのを読むと無性に異性を無茶苦茶に抱きたくなる。
あ、でも「作品が影響を与えた」のではなくて、これは自分の中の「暴力衝動」を刺激するから。
孤独で、切なくて、どうしようもないやりきれなさと、何もかも壊してやりたい暴力性が渦巻いてくる。
これってさ、作品を読んだから助長されるわけじゃなくて、持っていたものなんだよね。
その持っていたものが刺激される。
なければよいのだけど、もう消えそうにない。
そんな「よくない感情」を抑えるのは人の力だと思っている。
それも、限りなく肌と肌が近い力。
そうじゃないと、ダメだろうね。
抑え込めばかたがつく話でもないんだよ。
こういうのって。


というわけで、今回の読書感想文おしまい。


追記:
結局ね…少しネタばれになるけど「血の濃さ」っていうのは、そんなもんじゃないだろと。
もっと他人が理解できないような巨大な恐ろしさみたいなものがあって、当人同士はその二つの魂が限りなく一つになりかかるような暴力性っていうのをもっと肌身で感じている。
その深い谷底のような得体の知れなさっていうのは「湖の底にゆれる藻」程度の描写じゃとても足りないってこと。
でもさ、直木賞ってエンターテイメントに送る賞でもあるから、これはこれでいいんだよね。
きちんとエンターテイメントしている。
映画視点だし。
普通は「嫌悪感」があるわけでしょ。
それがなぜなくなるのかっていう深い背景は説明しなくても描写の端々から恐ろしいほどに感じさせないといけない。
そのぞっとする、その感覚を得たのだと読者を納得させるところまではこの作品はいってないというのがとても残念なところだったっていうことです。

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04/21

Wed

2010

親が最初から親だったわけではなく、子供ができて徐々に親になるように、作家だって文章を積み重ねて作家になっていく。

今の社会は一体何を育てようとしているのかな…
それとも一部の人間は成長とは個人が勝手にするものでそれは社会や集団とはまったく関係ない、と言い放つかな?
広い視野で言えば、一個人の一例を共有して反論し、個人主義が過ぎれば集団的な論理を展開し、人のこの浅ましさを見るに、時折反吐が出そうになる。

もう少し社会に対する深い洞察力と見識が備われば「嘔吐」という題材で小説が書けるかもしれない。
だが、まだ自分にはその力がない。

この日本という国は、一度落ちて除外されれば這い上がることが難しい。
ダメなものがダメなまま「レッテル張り」をされて、ダメになったものを救い上げていく健全なシステムが機能していない。

偏見と傲慢が列挙されて、さもそれが人道、民主主義、機能・地位向上の名目の元に強引に推進されようとしている。
それでもっと多くの人間が抑圧される結果になろうとも。

人はいつから「不愉快」を「暴力」と同レベルで考えるようになったのだろう。
人はいつから「個人」と「公共」を摩り替えて議論するようになったのだろう。

傲慢が支配するようになれば衆愚社会になる。
我々はシステムに支配されそれを遵奉して他者をけなす病気持ちだ。
そこからはじき出される恐怖を自分の中から排除するために必死にしがみついている。
さも、システムの中で生きるしか方法がないかのような閉塞的な考えが蔓延している。
その中で一部の特権的な考え方を持つ人間が健全的に見せかけた理屈で醜悪な利益を勝ち取ろうとしている。

人の中には必ずよくない感情が眠っている。
なんらかの形で、もし集団からはじき出され、落ちるところまで落ちるしかなかった時、社会というものが見えぬ線引きをはっきりしていては、この国は悪くなっていくだけだろう。
線を越えて落ちた者は、もうその線を越えてよくなっていくことが許されづらい社会だったら、この国の政治も、将来も、限りなく不健全なものへと傾いていくだろう。
その怒りと悲しみは、より社会を蝕む悪の細胞となり、勢いよく増殖し、そして国家なるものは、その悪の細胞を切り取るための「外科手術」を政治においてなすだろう。
そんな国家が健全といえるのだろうか。
そんな国家に未来があるのだろうか。

才能は、最初から発揮できる例は少ない。
学び、実践し、その才能が経験によって成長する。
才能には「自浄能力」がなければ発揮されることはない。
つまり「自分の過ちを瞬時に悟り正す能力」だ。
私には今しばらく時間を必要とする。
その分金も必要になる。
これは健全なる投資。
人からも少し支援を受けていたりする。
ありがたいことだ。
「保障」なんて何一つないのに、厳しいお財布事情を顧みずに。
その人の気持ちが私に引くことを許さない。

この国がどうなっていくのか本当に心配だ。
ツイッターのようなツールが出てきて、ようやくブログともリンクするようになり、国家の中にある個人をようやく意識し始めている。

ただ、あのツイッター、何故無料なのか。
これは推測だが、あの莫大なデータを基に大衆制御のシステムを理論体系化できれば、これは世界を支配できることになる。
消費、政治、思想…あの場所には人と人がいかにつながりいかに離れていくか、いかに絡まり新しく生まれ淘汰されるかがつぶさにログ化されている。
あのツイッターの先にあるものが、プログラムによる大衆制御だったとしても、我々は「自浄能力」を持って未来に向かっていかなければいけない。

我々一人一人が、個人の資質を問われている。
ゆめゆめ、お忘れなきよう…



※しばらくお休みなさい…


追記:
…あ、そうか!ツイッター。大衆の情報伝達能力の尺度になるんだ!世界規模の伝言ゲーム。

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04/20

Tue

2010

http://d.hatena.ne.jp/tanu_ki/20100415/1271346851
「リストラなう!」というとある大手出版社に勤めている方がリストラ波を受けてその状況をつぶさにブログに書かれております。
このコメント欄には出版事業の問題点がつぶさに書かれている。
大変興味深いものでした。
私はまだ「電子」での作り手の側なので、編集し営業する「紙の事情」というものがはじめてわかりましたが、本当に「作り手を育てる」という視点でやってなかったんだなとわかりました。
どうやって売って経営をするかってところばっかり。
会社だから当然だけれどね。

アマゾンやアップルが電子書籍事業に乗り出し、印税率の高さや気軽に出版できる利点をといています。
例えば文芸の分野に関して現在携帯小説も含めて書き手が200万くらいいたとする。
その20万人くらいは売ろうとして、1万人くらいがぎりぎりも含め食えているとすると、今度は200万全員が売り手となります。
もしそうなった時「誰が買うのか」という問題があります。
兼業でしかやっていけない事情が生まれますが、誰が買うのですか。
会社の営業先の人なんて買ってくれないし、同僚も「ふぅーん」、上司なんか「そんなことやってないで仕事しろ」ってのがオチじゃないでしょうか。
当然本格的な小説を売り読者を囲おうとすると「専業」は避けられない。
ただ今まで「文学賞」が吸い上げていたけれど「文学賞」も格式が落ちている。
リスクを避けてきた代価ともいえるが、この焦りたるや出版社もハンパない。

電子書籍は結局みんなが殺到してどうにもならない状態が続いて文芸市場における電子出版のレベルは劣悪すぎて金を払う価値もないというのが落ち着く先なのではないでしょうか。
だからこそそれを制御するシステムを早急に作っておかないといけない。
個人が殺到する。
プロと素人なんて定義もくだらなくなる。
玉石混交。法も国際的なレベル、ましてや国内においても追いついてない。
こんなビックバン状態なら、もう全部崩してしまって今までの価値観なんて捨ててしまえばよいのだと考えるわけです。
そうしなきゃもうおしまいだと。
余計に「ネームバリュー」の時代が来る。
本の価値も下がって、身近になったメディアをインターネットを通して使わなければ売れなくなる。
本もまた、芸術の一種。

我々は日常における芸術の価値をあまり考えたりはしません。
機能性はないしわけがわからないし、個人の自慰でしか過ぎないんじゃないの?という人がいてもおかしくない。
しかしなくなった時に初めてわかるわけです。
砂漠の真ん中でぽつんと置かれ、毎日砂と砂嵐と砂丘しか見えなかったとしたらどうでしょう。
音楽も人工的にかたちどられたものも、道具すらもないわけです。
わりと、関わってる。芸術が。
でも相手へわからないことを伝え、相手の考えに心を向けるのが対話だ。
芸術家とか特殊だと思われていたような人間たちはその努力が足りなかった。
というか、これからはその努力をしていかなきゃいけない。
そして「しゃべり場」を作る。
話し合う。
色々な意見が出る。
認め合う。
その上で作者なり作品なり社会なりの行く先を決める。
それができる時代になってきたし、もうそうするべきだと思う。
そして小説もまた「お話を作る」小説ではなく「人間を見つめる」本来の小説に戻っていくべきだし、そうしなければ公共性は保てないように思う。
読者は馬鹿ではない。
それなりにちゃんと生きている人は機知がある。見識がある。
それを持ち寄るのが本来の健全な社会だ。
私たちは本当の健全なる社会を見つめて出版をもう一度作り直さないといけない。
文芸を人間に返さなければいけない。

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04/18

Sun

2010

幸せの輪 不幸の戒め

「最上のワインは最上の友と分かち合うもの」

こんな言葉を自分の教訓として生きています。
今ツイッター上でも「幸せをつぶやいていこう」と、幸せ伝染思想みたいなものがちらほらあります。

確かにみんなが幸せそうな雰囲気を出している時に悲しいことや不幸な話などを出すと一気に暗くなる。
天邪鬼な私は「幸せだけじゃ勘違いしていくだけだろ」みたいな考えがあり、わざわざ人が見たくないものをそっとすくい取りたくなります。

人は幸せだけでも、不幸だけでも生きていけないのではないか、という思いがあります。
本当に幸せなのは、「幸せを出しましょう」って言うのではなくて「辛い時悲しい時遠慮なく打ち明けなよ」と言われ、言えるような「安心感」なのではないのかなと思うのです。
だから不幸があったらみんなでそれがどうして不幸なのかを真正面から受け止めなければいけない。
「幸せ」というものにとらわれすぎて、「苦しみ」を出しづらくなる雰囲気を作ってしまえば逆に不幸なのではないかと思うのです。

幸せでありたいことはみんな一緒です。
しかし暗闇にいると強い明かりがまぶしすぎて逆に何も見えなくなって辛くなるときがあります。
人の心理にもこれと同じような状態が起こります。
重病の人に肉やお菓子を並べて「豪勢だろ。さあ食べろ」なんてできないのと一緒で、最初は吸収のよいおかゆなど、体へ負担のかけない食べ物で徐々に体の回復を待ちます。
よくテレビなどで「気づきで劇的に人が変わる」ことをやるので、勘違いする人が多いのですが、残念ながらあれは「珍しいからテレビでやる」ということを皆忘れています。
特に精神的にどん底にいる人は重病状態なので、「肉やお菓子」をあげるようなことは心に負担をかけるだけなので、危ないです。

不幸は必ずしも不幸ではない。
そこには転じて「不幸にならないための注意点」が隠されている。
心に心地よいものばかり集めて石につまづくくらいなら、時として足元を見るのは大事なことではないか。
「失敗は成功の元」とも言う。
「灯台下暗し」とも言う。
離れてみたり別の視点から見たりしながら不幸を不幸にしないためにみんなで考えることは大事なことだと思う。
そのためには「不幸を認め受け入れる」、そんな心の大きさも社会に求められる。
個人ではなく、社会に。
一部器の小さい人間の特権で、社会が制御されるような状況を作り出してはいけない。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みますが光野(こうや)とか朝風(=はやぶさ)でもよろしゅうございます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。自分でも困るほどの「皮肉屋」で「天邪鬼」。つまり「曲者」です。

2011年より声劇ギルド「ZeroKelvin」主催しております。
声でのドラマを通して様々な表現方法を模索しています。
生放送などもニコニコ動画でしておりますので、ご興味のある方はぜひこちらへ。
http://com.nicovideo.jp/community/co2011708

自己プロファイリング:
かに座の性質を大きく受け継いでいるせいか基本は「防御型」人間。自己犠牲型。他人の役に立つことに最も生きがいを覚える。進む時は必ず後退時条件、及び補給線を確保する。ゆえに博打を打つことはまずない。占星術では2つの星の影響を強く受けている。芸術、特に文筆系分野に関する影響が強い。冗談か本気かわからない発言多し。気弱ゆえに大言壮語多し。不安の裏返し。広言して自らを追い詰めてやるタイプ。

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