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あさかぜさんは見た

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07/19

Sat

2008



20年後の日本の大問題として大きく表面化してくるワーキングプア。
恐らく、「労働者」という問題よりも、そこから派生してくる二次的な問題のほうが大きいかと思われる。

地方格差と一言で言うが、経済が維持できないということは、そこで成り立つお金に関するすべてのことが疲弊してくるということになる。
実際現状もなかなかひどい。

きっとこの問題に着手するには、現行法や企業のありかた、労働者の流れなどすべてを洗い出さないと本質的な解決方法は見えないと思われる。

自分も、他人事ではないので、全身の血の気が引く思いをしたが、どのコメントを見てもしっくりくるようなものがない。
局部的な視点で見えるような問題ではないことは、本を読んでよくわかった。
これはたんなる「扉」にしか過ぎない。

本を読んでも「ヤバイね」としか思えない。
何が問題なのか、どうすればよいのか、具体的なことが浮かばない。

少なくとも技術のないものや新興企業を育てられる懐の深さがなければ、国は疲弊するに決まっている。
負の遺産は受け継がれていくという。
この問題が解決されない限りは、底辺層は大きくなって、一部の富裕層だけが残るという完全な二極化が将来成立するわけだ。

はて・・・今は大丈夫と思っている人も、自分の子供がなるかもしれないし、もしかしたら自分がなるかもしれない。
いったいどうすればよいのか・・・

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02/18

Mon

2008

138回芥川賞 「乳と卵」



文藝春秋で最初読んだのですが、初回読んだとき、読みづらくて読みづらくて、まるでマシンガンでしゃべるおばちゃんの話を聞いているみたいで、最後のほうで最初に言ってた話ってなんだっけと思いながら、文章も頭の中にしっかり入らず、読み終わってみたときには、「結局どんなことが書かれていたんだっけ?」と思いました。

慣れるまでとても時間のかかる文章です。
大阪弁でよくしゃべるおばちゃんを相手にしているみたい。
大阪の人だと、饒舌な文章もしっかり入ってくるのでしょうけれど、私は初回ではダメでした。
結局二回読んで、しっかり話の仕掛けが読み込めたところ。
豊胸手術というものが目に付きすぎると大事なことを見落とす。
三人が重要なキーをつかさどって話は進む。

石原慎太郎がとても酷評していて(というよりも、興味ないという感じ)で、酷評したことも後悔することはないだろうと断言している。
私は女性の知り合いから「よいけれど、女性しかわからないかも」と言われていたので、じゃあ読んでみようかと購入したのですけれど、仕掛けが読み込めれば、それぞれの絡みあいがよく見えてきます。

私は女性ではないので、全部は理解することはできないけれど、話の中に対比があって、その対比がぶつかり合っている仕掛けがとてもおもしろい。
育っていくものと、衰えていくもの。
女性は女性だけで成り立ちうるのか、いや成り立たせなければならないだろう、でもどうなんだ、という主題が私には見えた。
それが話の中で出てくる主人公を含めた三人の中に見え隠れする。

でも、ちょっと・・・時折殺伐としている。
現代人っぽい乾いた価値観がある。
いや、ちょっと違う。
乾いた視点と言ったほうがいいのだろうか。

話し言葉のような文章の饒舌さの中に乾いた視点が見え、それがあいまいなぬくもりを与えている。

当初、噺家が話す落語のようなキレがあるかと思いきや、それはない。
浅いといえば浅い。
だが何もないかといえばそうではなく、相当読者側の受け取り方に文章をぽいと渡すような感じだ。
だからモチーフや象徴物が多くて、この話自体は、ほとんど何にも突っ込んではいない。
突っ込んで掘り下げるのは、読者そのものになる。
だから読む人によってはなんの感動もないし、なんの広がりも持ちえない。
本が読者を選んでいるのではない。
読者が完成させる本だ。
そう思うと「女性にしかわからないかも」という知り合いの言葉も納得できた。

仕掛けに満ちた本だと選評にもあるが、キーポイントをきちんと拾い上げなければ、ただのどこにでもいる女の話になる。
男性の方は注意されたし。

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10/07

Sun

2007



炎は最後に一瞬燃え盛ったかと思うと、ぱっと消えていく。
じいちゃんを見舞いに行った今日、前よりも息を吹き返した感じはしたが、反応はない。
しかし、魂の揺らぎを感じる。
家族とも、腹を割って話したことがないし、いつも長々と会話を交わしたことがない。
耳元で一言二言言って終わる。
それ以上、何を話せばいいのだろうと悩みながら口を閉ざす。
か細い息をしながら、じいちゃんはじっと何かを見ている。
「何か」・・・ふとじいちゃんの目を見ながら思い出した夢があった。
真っ白くまぶしい世界で、金縛りのように、泥の中にいるように、体が鈍く動かない。
頭では確かに体へと命令し、いつも自由自在に動かしているはずの体が動かない。
まぶしい光の中で目を開けていられないほど白いのだけれど、それでも目をつぶってしまっては体を動かせないと思い、真っ暗になると思い、必死に動かそうとする。
でも動かない。
そんな夢。
じいちゃんの目を覗き込むと、微かに揺れている。
魂のゆらぎを前よりも感じる。
言葉を交わさなくとも、「何か」を感じる。
言葉で表すことができない、魂の訴え。

人は皆塵。
この宇宙の中の塵に過ぎない。
この星でさえもそう。
この風さえも命で、この星さえも命。
光も、命。
息吹も、命。
魂も、命。

全ては生き続け、永遠に輪廻を繰り返す。
そこに、死も生もなく、ただ命しかない。

このようなことをふさぎこんでいる人の前で言っても傷つけるだけだろう。
人は皆、塵。
いつこの星へ返っていくかもわからない。
どのようなものも例外なく、形は変わっていく。
人の言うところの死も、また変化の一形態でしかない。

皆、死ぬのは怖いだろう。
皆、死を見るのは怖いだろう。
想いが積もっていればなおさらだ。
想いを失うのが怖いのだろう。
自分が存在した証を失うことは誰もが恐れる。

生きるとはなんぞや。
死ぬとはなんぞや。

何度となく立ち止まり、それを考え、生きることに執着し、欲望に幾度となく溺れて呆けることだろう。

答えが出たとき、何が見えるのだろうか。

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10/04

Wed

2006








そういえば、グーグルってなんだろう?
という単純な疑問から読んでみた。
ちょっと前に、「情報」のことを考えてみたのだけれど、検索エンジンもひとつの「情報」だ。
だって、検索して10ページまで見る人は、ほとんどいない。
だいたい検索して上位に出るものしか見ないわけです。
それで、先に書いたブログのように、「情報の発信者になんらかの圧力(偏見・情報不足など含む)がかかった場合、情報の受け手は真実を見抜けない」という内容を書いたような書かなかったような気がしたのですが、じゃあ検索エンジンはどうなのかと。
皆さんグーグルってタダのプログラムか何かだと思ってませんでしたか?
実質的にはそうなのですが、ちゃんとした会社組織が運営しているようです。
会社だってこともよくわからないですよね。
私もグーグルってよくわからなかった。
一口で言えばグーグルは「検索エンジンを使った世界規模の広告代理店」のようです。
そのほかにもサービスは拡大しております。
このブログにも上にグーグルの広告がありますが、あれ、全自動で出てきます。
というグーグルなのですが、検索上位に出てくる情報はいかにして絞られるのか、という部分では、どうにも人為的に(プログラムといえど人が作っているので当然ですが)操作できるようなのです。
となると、これが大きな権力を持つ組織や何かに圧力を加えられた場合・・・と、仮定したのですが、どうやら圧力の事実があるようですね。

これから、小さな端末によりたくさんの情報や機能が集まる時代になります。
クレジット機能がついた携帯の次なるステージは、携帯のネット化(HPを携帯で完全に見れるようにする)及び、クレジットで携帯ネットショッピング、携帯キャッシング、携帯セキュリティー強化(マンション・家のキー)、携帯ネットオークション・・・ブロードバンドやダウンロードなどのオンデマンドはすでに携帯でやりはじめています。
これらをさらに強化していくでしょう。
(現金を目で見れなくなると、破産する人もたくさん出てきますよ)

推測するにヤフーが携帯業界に入ってくると、必ずこれをやるはずです。
他にもリアルタイムでニュースはわかる。
天気予報もわかる。
すべてがリアルタイム進行で情報が今よりも洪水となって流れてくる。
その中には、真実が伏せられた事実も多くある。

となると、より個人の責任が高まり、より個人での情報収集に責任がかかる中で、頼れるものといったら検索サイトになってくる。
ニュースサイトしか信じないという人も出てくるかもしれない。
で、「検索サイトは本当に意図的なものはないか」と言ったら、どうもそうじゃないみたい。
これは、もっと「情報の受け手」が賢くなれってことですね。

二冊とも共通しているのは、「新しい商売の方法」が書かれていて、これから、どういう商売がより効率的なのか、そして他社がどのようにネットを利用すべきかのヒントが書かれている。
大企業のやり方と、中小のやり方が違うように、それぞれ独自の戦略を有効に組めるようになったのもネットのおかげかもしれない。
それで、上記したように、どう考えてもあらゆるものがネットに重きを置いてくると思うし、ユーザーもネットに期待すると思う。

その中で起こるのが、一極集中という不可思議な現象。
いろんなものを調べるのに、一つぐらいしか検索サイトを使わないし、ショッピングでも品揃えがよければ、あまり多くのサイトを観覧したりはしない。

「情報」というものに対しても「一極集中化」が起こる。
より端末がプライベート化していくごとに、「与えられる情報・サービス」も「プライベート化」する。

これは裏を返せば、ひとつの「管理社会」が生まれることになります。
たぶん、ユーザーは管理されることにまったく抵抗を感じずにサービスを受けていく。
言い換えれば「情報に飼いならされる」わけですね。
少なからず、現代でさえそうなのだから、これからもっとその状態が加速化するわけですな。

こういう未来があるというのに、どうして教育で「ディスカッション」の授業をやらないのかと疑問でならない。
より多くの価値観や、まったく異質のものに接して、建設的な思考を組めるように訓練しなければ、これからの時代生き抜けないと思うのだけれど。

ところで、余談なのですが、本に書いてある通り、グーグルやアマゾンが一人勝ちしていくのかなと思うと、最近はインドががんばっている。
これはまた直感なのだが、インドは数学に強いし、教育にも恐ろしいほど力を入れている。
今はアメリカなどの下請けでソフト受注などをしていたりするが、これが、それこそグーグルをしのぐようなプログラムを組んだりするソフトの力をインド自らが握ったら、アメリカとインドの立場は逆転すると思う。
インドにはカースト制度が廃止されたからと言って、まだ人々の偏見的な気持ちまでは完全に変われたとは言えない。
だが、もし、カースト制度の身分の中にさえも入っていない、アチュートと呼ばれていた人たちから、富を握る権力者が出てきたら、ほんの少しずつ変わってくるのではないかと思っている。
たとえそれが、インド内部からは不可能でも、海外で力をつけた権力者がインドに戻ってくることは充分考えられる。
恐らく、10年、20年と長い時間をかけて変わっていく、潜在的な超大国だろう。

検索エンジンはプログラムで動いている。
グーグルは全世界の情報をファイル化しようとしている。
だが、グーグルが生まれたように、インドの中でもグーグルを凌ぐ何かが出てくるかもしれない。
もしかしたらそれはインドではないかもしれない。

だが、「グーグル」が他の文字に変わろうと、「情報」に対する危険性はいつの時代も変わることはない。
「どう情報とうまく付き合っていくか」も、これからは個人の責任でしかない。
まるで集団が情報に分断されて、まったくの個になっていくように。

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08/31

Thu

2006





最近ようやくはじめました。
なんせ1400円もするので、普通に本を買ったほうがいいと思った・・・というかすでに持っていて、奥の細道は大好きなのですが、

自慢じゃないのですがね、

なんせ、字が汚い汚い、きたねぇんだよ!(逆切れ)

自分しか読めない暗号のような文字を書きますので、これはいけないと、自分の文字を矯正する意味でも買って、放置しておいて、ようやく今えんぴつと簡易用えんぴつ削りを買ってきて、書き始めたわけです。
がりがりとえんぴつを削ると懐かしい臭いがします。
えんぴつの匂いなんて、けっこう久しぶりに嗅いで、小学生の頃を思い出しました。
いつシャープペンシルに替えたのか忘れたのですが、小学生の頃はえんぴつでした。

名文っていうのは、暗誦できるほどに身につけておいて損はないものです。
なぜなら、言葉もまた着物と同じように身につけてたしなむもので、その言葉の優雅さを身につけておけば、やはり他人にも気持ちがよいものだからです。
とかなんとか言って、あいかわらず口汚い私ですがね。

現在長編小説執筆中ですが、小説のある一点のセリフにつまづき、色々と他のことをしています。
このセリフは例えていうならば、今がけっぷちで下は断崖絶壁、海ざーざー、死ぬ気まんまんで、人間不信の自己嫌悪の絶望した人間を説得する言葉を編み出そうと悩んでいるわけです。
あらすじはもうできているのに、セリフでつまづくとは思わなかった。
「死んだらダメ」
だったら、その人は死にます。
「死んでください」
でも、もちろん遠慮なく死んでくれます。
さて、こういう人を説得するにはどうすればよいのか。
人間のあらゆることに絶望しきっている人間の心に届く言葉は何か、と日々悩んでおります。

そんなこんなで、短くて情緒あふれて多くを語ろうとしないのに多すぎるほどのことを語っている名文を、心を落ち着かせて書いているわけです。
般若心経を音読して、書くのもお勧めですが、ちょっとそれは硬すぎて、という人には、これをお勧めします。
徒然草も出ていますが、奥の細道のほうが、やや現代文に近く、読みやすいのでどちらかと言えば奥の細道から徒然草へはいっていったほうがよいように思います。





追記ですが、最近なのか、それともメディアであげる機会が多くなってきたのか、未成年の犯罪が多くなってきましたね。
小説では、現代の心の問題にも鋭く焦点を当てたいと思うのですが、どうしてか、出版社にこの気持ちがわかってもらえませんな。
こういう事態が起こっているのは、社会の必然だと訴えているのに。
熱意が足りないのでしょうか。
実力も足りないのでしょうか。
とにかく、がんばります。

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プロフィール

HN:
あさかぜ(光野朝風)
年齢:
44
性別:
男性
誕生日:
1979/06/25
自己紹介:
ひかりのあさかぜ(光野朝風)と読みますが光野(こうや)とか朝風(=はやぶさ)でもよろしゅうございます。
めんどくさがりやの自称作家。落ち着きなく感情的でガラスのハートを持っておるところでございます。大変遺憾でございます。

ブログは感情のメモ帳としても使っております。よく加筆修正します。自分でも困るほどの「皮肉屋」で「天邪鬼」。つまり「曲者」です。

2011年より声劇ギルド「ZeroKelvin」主催しております。
声でのドラマを通して様々な表現方法を模索しています。
生放送などもニコニコ動画でしておりますので、ご興味のある方はぜひこちらへ。
http://com.nicovideo.jp/community/co2011708

自己プロファイリング:
かに座の性質を大きく受け継いでいるせいか基本は「防御型」人間。自己犠牲型。他人の役に立つことに最も生きがいを覚える。進む時は必ず後退時条件、及び補給線を確保する。ゆえに博打を打つことはまずない。占星術では2つの星の影響を強く受けている。芸術、特に文筆系分野に関する影響が強い。冗談か本気かわからない発言多し。気弱ゆえに大言壮語多し。不安の裏返し。広言して自らを追い詰めてやるタイプ。

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