家庭、というものに対して憧れは持つけれど、理想というものが強いせいか、あまり現実の家庭に良い思いを抱いたことはない。
家族の存在がありがたいとか、いつか理解しあえるときがくるとか思っても、「人の気持ちはいつか変わるもの」だと思っているから、相手には何も期待しない。
それよりも自分が、ひどいから、ずっと付き合わせようとかも思わない。
結婚の話だから、まったく自分自身のことで他人のことなんか一切触れないけれど、自分の幸福な家庭とか家族の未来とかが想像できない。
どうしても、途中で物凄い裏切りを与えるとか、離婚するとか、呆れられるとか、そういうことしか思い浮かばない。
子どもが育っていくというのは、家庭環境などは大きく関わってくると思っている。
特に自分の場合、過保護すぎて、幼稚園児や小学生から「おじさん」と言われる歳になっても、なにひとつ世間のことを知らないという人間ができあがる。
それに途中経過も辛すぎた。
会話をしなかったせいだ。
心を打ち明けて、互いにじっと話に耳を傾ける姿勢がなかった。
そのことは子どもにとって物凄い不幸な状況だろうと思う。
すべてが裏目に出たとは言わないし、得たものもたくさんあるけれど、犠牲にするものが多かったし、これからもそうだろうと思う。
人間には自由な心がある。
だから他人には好きなことをしてもらいたいとは思う。
思わず自分は束縛をしてしまうし、嫉妬心を抱いたりするけれど、嫉妬心を持って一度としてよいことが起こらず、例外なくすべてを破壊したのでもうこういう気持ちはいいと思う。
嫉妬心を抱くきっかけすらもいらないと考えている。
信じた嫁にやがて悪態をつかれる。
みもふたもない。
そんな状態になると確実にわかっているのなら、やっぱり結婚なんてすべきではないと思っている。
自分もまた自由にやりたい。
でもうちの母親は文句のひとつも言わなかった。
でもうちの家庭は話し合いをしなかったせいでそのしわ寄せがきた。
結果的には丸く収まったけれど。
正直に告白すると、自分の家系は私が子どもを残さないと絶える。
いつごろからか忘れたけれど「私の代でもうお仕舞い」という気持ちがある。
両親の気持ちとしては「孫を抱きたい」という夢があるのだろう。
でも、うちの両親が孫を抱く姿を想像できない。
他人の子どもだったら嫌がるだろうしね。
自分たちの血が入っている子どもを抱きたいのだろう。
人間というのはおかしなものだね。
自分は自分の血すら否定しているのに。
父親のおかげでSMというものがどういうものか心理的に学んだような気がする。
ムチ3アメ1とか、ムチ1アメ1とか、精神的な屈辱や中傷を数多く与えられたにも関わらず、どこか恨みきれないのは、このアメがあるからだろうと思う。
実際父親がいないと、これほど楽には暮らせなかった。
おかげで、似ているな、と思ったよ。
SMの世界。
時折無気力になる。
誰のせいだとか言えないけれど、こんな人間に誰かを永続的に支えるなんて高等な芸はできない。
せめて、ポツリポツリと作品を残すだけ。
それも見向きもされないような未熟なもの。
自分がダメだから、ダメな結果がついてくる。
当たり前のことだろう。
それを改めようともしないから、余計に直らない。
これを断ち切らないと私には幸運は訪れないらしい。
いつか、何かの形で決着はつけようと考えている。
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