世の中には、己の知識を猛進して愚者を演じきる滑稽なピエロが他者をけん制しあっている。
「あなた、そんなことも知らないのですか」
ヤクザまがいの脅し文句が平気で横行するネット社会。
なまじ知識をかじったからと言って、知恵をいつまでも持たない。
そもそも一番勘違いをしているのは、知識と言うものの原点がどこにあるかということだ。
それは科学を起点にする。
科学とは、「対象の観察」を元に構築される知識だ。
つまり、対象ありきで、知識ありきで、それがあたかも独立したかのように存在するものではない。
知識が絶対であって、現実を否定するのならば、それは学問をする資格のない者である。
そして、知識を語る資格もない者である。
何を勘違いしているのか、知識を原点にして、対象を否定する者がいる。
これは学者でも時折するのだから始末におえない。
理屈というもので、人間社会は規律を作っている。
だから、理屈に頼るというのは納得できる。
理屈は、知識というものを基にしなければ、その信憑性が失われる。
だからこそ、現代社会においては知識は絶対の力となる場合がある。
その中で、他者を見下すかのごとき論調で知識を基に他者を批判する人間がいる。
知恵なき知識人は愚者と言っても足りないほどだ。
これは教養なき視野の狭さを露呈させる結果となっているが、当の本人は堂々と正論を言っていると信じている。
この知識に対する信奉は、宗教的な崇拝に近いものを持つ人間がいる。
だいたい知識だけをかじった人間がここに見事に陥る。
私は、何も言わない。
責められてもただ謝るだろう。
「私は何も勉強していませんでした。もう少し学ばせていただきます」
正直に言って、己の知識には限界がある。
わからないことはよく知っている人に聞くに限る。
そのほうがはるかに建設的だ。
愚者は相手にせぬほうがよい。
永遠に踊り続ける滑稽なピエロなど見て楽しむもので、そこに入って一緒に演じようなどとは思わぬことだ。
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