ぱっといつもの癖で変換して確認しないで打とうとして「配車と駐車」という題名にしてしまいそうになりました。
いいえ、違います。
歯医者と注射で正しいのです。
そもそも、わたくしは一億年と二千年前からしつこいほど申し上げて、今回の記事で百万回くらいは記事で書いたと思うのですけれど、歯医者と注射が嫌いなのです。
そして歯医者は注射もするから余計に嫌いなのです。
そういえば前回いつ歯医者行ったんだろうと思ったら、2003年でした。
いつの時代でしょう。
きっと日本が戦争を追えて、ようやく立ち直ろうとした時だったような、そんな昔まで、うん、いかないね。
ということで、前歯の歯と歯の間のところに何か穴のようなものが見えはじめ、歯がしくしくとしてきたので、もう観念して行って参りました。
雪祭り会場を通ってきたのですけど、周囲の景色がとってもブルーに見えたよ。
限りなく透明に近いブルー。
あ、雪のせいか。
会場の楽しい雰囲気、世界各国の料理が屋台として出ていて実においしそうな匂いが立ちこめておりましたが、ああ、ぼくちんはどうして虫歯などになったのであろうと、色々思い返しておりました。
あ、歯をきちんと磨いてなかったからだ。
そういえば酒飲んで、そのまま寝ちゃったことも。
すいません、チョコレートとか和菓子洋菓子結構食べていたような気がします。
その後すぐ歯は磨いてなかっ、うわぁ! ダメじゃん!
かくしてなるべくして虫歯になったのです。
唯一の救いは歯医者さんは中年の方なのですが、その他のスタッフは皆かわいい女子。
心の救い。
地獄での天女。
絶望へと射し込む光。
そしてそんな女子たちを前に、いい男っぷりをアピールすることもできず、そもそも自分にはそんなアピールポイントがないことに気がつき、そんなことよりも歯医者でそんなアピールをしたら、あの麗しき天使達の目によって場が急速冷凍されることは目に見えており、大人しくスゴスゴと治療台の上に乗りました。
やっぱり緊張しますよね。
いい大人がソワソワ落ち着かず、まるで檻に入れられたばかりの小動物のように、あちらこちらと見てしまいます。
そして9年ぶりぐらいに再会した先生。
いや、同じ先生だったのですよ。
お互い生きててよかった! と感動の再会をするために熱い抱擁をしようと待ち構え大人しく座っていた私に大人の会釈。
職人は余計な口は聞かず、仕事で語るという硬派なスタイルを貫いていらっしゃる。
いざ歯を見てもらい、すぐさま麻酔。
なんかチクッともするのですが、ぐいっと押し込まれているようなしびれが来ます。
死ぬ。きっと死ぬ。このまま意識朦朧、疲労困憊、肥満間食、遺憾千万。
水がかからないための白いタオルをかぶせられて、いざ治療。
でも時折タオル効果ないし!
私口小さくて指三本縦に入れるのが精一杯。顎外れる。
そのくらい小さくて、大きく開けられないのです。
そいで時折漏れた水が鼻の中とか来て、むせそうになる。
そして漏れた水は左目に流れ出してくる。
ぎゃー! 必死に目をつむる。
麻酔の時から「楽にしてくださいね」なんて言われながら、強火で煮込みすぎたチャーシューみたいにガチガチに固まっているぼくちん。
まな板の上の鯉みたいに騒ぎ出したら、もう出入り禁止になるのではないかと、祈るような気持ちで黙っておりました。
偉い! 頑張ったね、私。
誰も褒めてなんてくれないので、幼稚と罵られようが、臆病と言われようが、小さいと言われようが、自分で自分のこと褒めてやらぁ!
しかし、最近の虫歯治療は早いのですね。
前歯の詰めも含め、ものの20分くらいで終わってしまいました。
治療が済んで、目にかかった水を拭こうと、眼鏡をとってハンカチで目頭を抑える。
ん? ちょっと待てよ?
部屋には歯科助手のかわいい子がまだいる。
後ろからハンカチで目を拭いているのを見ている。
これって、なんか大の大人が歯の治療されて泣いたみたく見えるんじゃないの!?
な、泣いてなんかないんだからね!?
治療の時に水が目に流れ込んで来ただけなんだからね!?
目から水が出たんじゃないんだからね!?
しかも鼻に少し入った水が残っているような、麻酔のしびれでよくわからないような感じで、帰り際に鼻の下押さえながら帰るというマネをしてしまい、かなりの歯科助手さんたちに見られたのですけど、泣きながら帰っているわけじゃないんだからね!?
ああ、歯医者で歯を削られても平然としている、クールな男でモテ男作戦が見事に瓦解したわけです。
はい。歯医者にそんな目的で行くなというよい教訓でした。
外に出ると昨日よりも暖かな風が吹き、景色が潤んで、いないってばっ!
また来週勇気を出して行ってきます。
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